第125話 ゴブリンのダンジョン!
「いっぱいいる!」
洞穴の奥から、ゴブリンが次々と姿を見せる。
その中に、陸は明らかに体格の違う一体を見つけた。陸と同じくらいの背丈があり、ゴブリンより腕も脚も太い。手には幅広の鉄剣を握っている。
「え、ゴブリンソルジャー?」
ダンジョンでは何度も見てきた姿だ。それでも、山の洞穴から当たり前のように出てくるのを見ると、一瞬見間違いかと思った。
陸はすぐに鑑定を使う。
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ゴブリンソルジャー
ランク:E
Lv.15
HP 78
MP 12
筋力 49
耐久 43
敏捷 34
賢さ 10
【スキル】
パワースラッシュ
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「マジじゃん……」
一体だけではない。ゴブリンに混じって、別のゴブリンソルジャーも洞穴の奥から歩いてくる。
さらに、その後ろにいた一体を見て、陸の足が止まった。
ゴブリンソルジャーよりもう一回り大きな身体。胴には金属製の鎧を身につけ、右手に剣、左手には盾を持っている。
「え、あれって……ゴブリンナイト?」
半信半疑のまま、もう一度鑑定を使った。
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ゴブリンナイト
ランク:D
Lv.22
HP 135
MP 30
筋力 84
耐久 81
敏捷 53
賢さ 20
【スキル】
パワースラッシュ
シールドバッシュ
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「ゴブリンナイトまでいるの!?」
Dランク。
今の陸なら、戦って苦戦するような相手ではない。だが、さっきSNSで見た町には、すでにゴブリンが入り込み、けが人まで出ていた。
「こんなのまで町の方に行ってるのか……」
洞穴の奥では、まだ新しい足音が続いている。
陸は左手を上げた。入口付近へ強い風をぶつけ、外へ出ようとしていたゴブリンたちをまとめて洞穴の中へ押し戻す。
体勢を崩したゴブリンたちの身体を、ほとんど同時に炎が包んだ。
「ギャアッ!」
炎は周囲へ燃え移らず、狙ったゴブリンだけを一気に燃やしていく。数秒後には火も消え、入口付近で動くものはいなくなった。
それでも、奥からまた足音がする。
「まだ来るな」
「いっぱい……」
エリナが陸のそばへ寄る。
外へ出てくるたびに倒していても終わらない。
「ここで待っててもきりないな。中、調べてみるか」
陸はスケルトンラッシュの管理画面を開き、スケルトンストックから十体を選んだ。
青白い光が地面へ広がり、最初にオークウォーロードとハイオーガが姿を現した。どちらもCランクまで育った近接向けの個体だ。
「二体はここ。中から出てくるやつを外に行かせないで」
二体が洞穴の入口へ向き直る。
残る八体は、高速探索に使ってきた個体から選んだ。Cランクまで進化したウルフ系とバット系を一体ずつ組ませ、二体一組の四班に分ける。
「四組とも別の道を探して。行き止まりなら戻って、まだ進める道を探してくれ」
命令すると、四班が次々に洞穴へ入っていった。
陸もサモンマップを開く。
入口から四組の印が進み始め、それぞれが通った場所に合わせて少しずつ道が描かれていく。しばらくすると一本だった洞穴が分かれ、探索班も別々の方向へ散っていった。
「ちゃんと分かれてるな」
一組が先へ進み、別の一組は途中で向きを変える。さらに少し待つと、一本の線の先で印が止まった。
「そこは行き止まりか」
止まった班が来た道を戻り始める。他の三班はまだ進んでいて、その中でも一組の経路が特に長く伸びていた。
「よし、俺たちも行こう」
「うん!」
陸は所持アイテムからホバーバイクを取り出した。黒と銀の車体が現れると座席へ跨がり、エリナを自分の前、脚の間へ乗せる。
車体下の装置が青白く光り、ホバーバイクが地面から浮いた。
「一番遠くまで行ってる班を追うぞ」
そのまま洞穴の中へ入る。
内部は入口から見た以上に広かった。岩壁に挟まれた通路が奥へ続き、ところどころで二つ、三つと枝分かれしている。サモンマップへ記録された経路だけを選び、陸はホバーバイクを走らせた。
途中には、すでに倒されたゴブリンが何体か転がっていた。先行している探索班が片づけたらしい。
少し進むと、横の通路から二体のゴブリンソルジャーが飛び出してくる。
「リク、きた!」
陸が片手を向けた瞬間、二体の身体を炎が包んだ。
「ギャアッ!」
二体はほとんど同時に燃え上がり、ホバーバイクが横を通り抜ける頃には動かなくなっていた。
さらに先ではゴブリンが数体。その次の分岐では、盾を持ったゴブリンナイトまで出てくる。
「……どうなってるんだ?」
奥へ進んでも、出てくるランクに順番はない。ゴブリン、ゴブリンソルジャー、ゴブリンナイトが、深さとは関係なくばらばらに現れていた。
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