第110話 最後のボス!
奥の石壁へ叩きつけられたソニックファングウルフは、もう動かなかった。
陸は倒れた身体へ手を向ける。
「スケルトンラッシュ!」
青白い光が広がり、ソニックファングウルフのスケルトンが立ち上がる。陸はそのままスケルトンストックへ戻した。
すぐに文明攻略戦の画面を開く。
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【総合ランキング】
残り時間:10分12秒
1位 レイヴァ
所属文明:セラディア
到達階層:第11階層
攻略進行度:95.3%
2位 JOHN
所属文明:地球
到達階層:第11階層
攻略進行度:70.6%
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「……まだ終わってない」
差は大きい。時間もほとんど残っていない。
陸は画面を閉じ、広間の奥へ顔を向けた。
深紅のカーペットの先には、この広間へ入った時から見えていた大きな扉がある。
「行こう、エリナ!」
「うん!」
四体の精鋭スケルトンを連れ、陸は扉の前まで進んだ。
近づいた瞬間、目の前に青白いウィンドウが開く。
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【第11階層 ボスエリア】
グランドナイト ×1
入場しますか?
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「グランドナイトか」
ここを越えれば、第11階層は終わる。
陸は隣にいるエリナを見る。
「エリナ、行くぞ。ラストだ!」
「うん! いこう!」
陸が入場を選ぶ。
低い音を響かせながら、大扉がゆっくりと左右へ開いていった。
その向こうに広がっていたのは、巨大な石造りの空間だった。
広い。だが、それ以外にはほとんど何もない。
柱も、壁際の障害物も、身を隠せるようなものもない。平らな石床が奥まで続き、その最奥だけが数段高くなっている。
その上に、一つの玉座があった。
「……あれか」
玉座には、一体の騎士が座っている。
全身を覆う重厚な鎧。兜の奥から顔は見えない。身体の横には一本の長い剣が立てかけられていた。
大きな怪物でもない。巨大な魔力を撒き散らしているわけでもない。ただ、広い部屋の奥で、こちらを待っている。
陸は少しだけ息を吐いた。
「先に、こっちも全部出す」
ダークウルフ、アサルトホーンラビット、ゴブリンハイレンジャー、ゴブリンハイウィザードを順番にストックへ戻す。淡い金色の光をまとっていた四体が消え、使用していた四十枠が一気に空いた。
陸はすぐにスケルトンストックを開く。
先ほど回収したソニックファングウルフを含め、第11階層で手に入れた個体や、祭壇で育ててきた個体。今持っている強いCランクのスケルトンを、精鋭化せず次々と召喚していく。
十体。
二十体。
三十体。
そして四十体。
青白い光が部屋のあちこちに広がり、陸とエリナの周囲を埋めるようにスケルトンたちが立ち並んだ。
「四十体、全部」
陸は並んだスケルトンたちへ意識を向ける。
「スケルトンフュージョン!」
次の瞬間、四十体すべての足元に青白い光が広がった。
骨の輪郭が次々とほどけ、光の粒子へ変わっていく。手にしていた武器も光へ溶け、陸たちの前方一点へ吸い寄せられた。
六体や十九体で使った時とは、光の量がまるで違う。
幾重にも重なった青白い粒子が渦を巻き、大きな光の塊へ変わっていく。そこから太い脚が形を取り、胴体、両腕、頭骨が続いた。
最後に、背中から巨大な翼が左右へ伸びる。
「うわ……!」
エリナが見上げる。
光が弾けるように消え、そこに大柄な人型のスケルトンが立っていた。
全身の骨格は太く、無駄なく整っている。背中には大きな白骨の翼が広がり、翼骨の隙間を青白い魔力光が薄い膜のようにつないでいた。
手にしているのは一本の剣。骨の継ぎ目や胸元、腕の内側にも青白い光が走り、全身から静かに魔力が漏れている。
「……めちゃくちゃかっこいいな」
陸はすぐに鑑定を使った。
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???
ランク:B
Lv.40
HP 860
MP 420
筋力 338
耐久 326
敏捷 347
賢さ 315
【スキル】
フォーススラッシュ
マジックアロー
マナブラスター
グランドスラッシュ
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「Bランク……!」
視線を下へ滑らせた陸の目が見開かれる。
「全部300超えてる……」
今まで使ってきたCランクとは、明らかに一段違う。四十体を一つにした切り札を見上げ、陸の口元がわずかに上がった。
「これなら、いける!」
その直後、カツン、と広い部屋に金属音が響いた。玉座に座っていたグランドナイトが立ち上がる。
長剣の柄を掴み、一本の剣を両手で握ると、数段の石段を一段ずつ降りてくる。重そうな全身鎧を着ているのに、その動きに鈍さはない。石段を降り切ったグランドナイトが、何もない広い石床へ進み出る。
陸はすぐに鑑定を使った。
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グランドナイト
ランク:C
Lv.39
HP 620
MP 285
筋力 361
耐久 334
敏捷 372
賢さ 208
【スキル】
フォーススラッシュ
エアステップ
グランドアクセル
ブレイドカウンター
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「Cランク、39……」
そこまでは想定していた。だが、ステータスを見た瞬間、さっきまでの手応えが止まる。BランクLv.40の融合個体より、筋力も、耐久も、敏捷も上だった。
「……マジかよ」
グランドナイトが長剣を持ち上げ、両手で柄を握って剣先を正面へ向ける。それに応じるように、翼を広げた融合個体も一歩前へ出た。
広い石床の中央で、二体が向かい合った。
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