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105/203

第105話 逃げ道を塞げ!

「まず、ダークウルフ!」


 陸は広間を走り回るソニックファングウルフから目を離さないまま、ダークウルフを鑑定した。


━━━━━━━━━━━━━━

ダークウルフ

ランク:C

Lv.31


HP  315(+73)

MP  172(+40)

筋力 143(+33)

耐久 120(+28)

敏捷 205(+47)

賢さ 137(+32)


【スキル】

ラッシュファング

シャドウクローン

シャドウスイッチ

━━━━━━━━━━━━━━


「シャドウクローン!」


 ダークウルフの足元で黒い影が大きく揺れ、そのまま横へ伸びた。影が地面から起き上がるように形を取り、もう一体の黒い骨のウルフになる。


「左右から行け!」


 本体が右、分身が左へ飛び出した。二体は石柱を挟むように広がり、別々の角度からソニックファングウルフへ迫る。


 黒灰色の身体が右へ振れる。本体がすぐに追うと、敵は柱の手前で身体を沈め、一気に左へ切り返した。


「そっちには行かせない!」


 回り込んでいた分身が正面から飛びかかる。ソニックファングウルフは前脚を踏ん張り、ぎりぎりで身体を捻った。牙が届くより先に横を抜けたが、そのぶん進路は広間の中央へ押し戻される。


 本体がすぐ後ろから食いつく。骨の顎が後脚へ届きかけ、ソニックファングウルフがさらに速度を上げた。


「おおっ! さっきより追えてる!」


 二体で挟めば、ただ追いかけるより明らかに逃げ先が減る。


 それでも捕まらない。ソニックファングウルフは柱の間へ飛び込み、本体を引きつけてから急角度で向きを変えた。分身が先回りしても、今度はその手前でまた切り返す。


 だが、好きな方向へ走れているわけではなかった。


 陸は何度も変わる敵の進路を目で追い、その先へアサルトホーンラビットを向けた。


「次、こいつだ!」


━━━━━━━━━━━━━━

アサルトホーンラビット

ランク:C

Lv.31


HP  286(+66)

MP  74(+17)

筋力 218(+50)

耐久 108(+25)

敏捷 194(+45)

賢さ 38(+9)


【スキル】

レイザーチャージ

ホーンブースト

━━━━━━━━━━━━━━


「ホーンブースト!」


 頭骨から伸びた角へ青白い光が集まる。光をまとった角は根元から太くなり、刃のような縁を残したままさらに長く伸びた。


「右から行け!」


 アサルトホーンラビットが石床を蹴った。


 踏み込みから違った。小さな身体が弾かれたように前へ出て、一気にソニックファングウルフとの距離を削る。


「速っ!」


 敵が右の柱へ逃げ込む。本体のダークウルフが後ろから追い、左には分身が回っている。空いていた正面へソニックファングウルフが飛び出した瞬間、アサルトホーンラビットが横から突っ込んだ。


 黒灰色の身体が鋭く切り返す。


「逃がすな!」


 アサルトホーンラビットも石床を強く蹴り直した。角を低く構えたまま向きを変え、逃げた先へもう一度食いつく。


 ソニックファングウルフが柱の外側へ回る。そこへ分身が飛び込み、進路を内側へ押し返した。本体も反対側から迫る。


 三方向から一気に距離が縮まる。


「レイザーチャージ!」


 角を包む青白い光が強くなる。アサルトホーンラビットがさらに加速し、真正面から突っ込んだ。


 ソニックファングウルフはぎりぎりで身体を捻った。長く伸びた角が脇腹の毛を掠め、黒灰色の毛が何本も宙へ散る。


「惜しい!」


 そのまま抜けようとした敵へ、本体のダークウルフが横から飛びかかった。長い牙が肩へ届く寸前、ソニックファングウルフは前脚一本を軸にして身体を鋭く返す。


 本体の牙が空を噛んだ。


 だが、その先にはもう分身がいる。


「いけ!」


 分身が低く飛び込む。ソニックファングウルフは止まれず、前脚で強引に床を蹴って跳ねるように横へ逃げた。


 着地した場所は、広間の端に並ぶ石柱のすぐ近くだった。


 ダークウルフの本体と分身が離れて左右を塞ぎ、正面では角を光らせたアサルトホーンラビットが低く構える。さっきまで広間中を好きに駆け回っていたソニックファングウルフが、初めてその場で足を止めた。


「止まった!」


 ほんの一瞬だった。


 ソニックファングウルフの輪郭がぶれ、次の瞬間には横の狭い隙間へ身体を滑り込ませていた。本体が飛びつくが届かない。アサルトホーンラビットもすぐ追うが、黒灰色の影はまた数本先の柱まで離れていく。


「くそっ、あとちょっとなのに!」

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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