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30本目の世界線  作者: 大原英一
extra tracks
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29本目

タタキ「フゥーッハハハ! 我が名はチャンエー院ホウマ。世界の支配構造を(くつがえ)し混沌へと導く、狂喜のセンチメンタル・バスガイドだっ」

メイ「所長、なに独りで踊っているんですか」

タタキ「っ、メメメメ……メイリーナよ、観ていたのか」

メイ「誰がメイリーナですか」

タタキ「(咳払いして)若林くん……きみは階下のホッカホカ弁当を買いに出たんじゃ、なかったのかね」

メイ「そんなことより所長、たいへんです。本編終了に伴って、読者さんから手紙が届いています」

タタキ「ほう、ファンレターかね」

メイ「かぎりなくクレームに近い質問状です」

タタキ「かぎりなく透明に近いブルーみたいに言うなっ!」


メイ「ちなみに所長、ちゃんと挨拶しないと、ここから読み始めたかたに本当にバス会社の所長さんと思われちゃいますよ?」

タタキ「ああ、そうか……。提供は探偵事務所所長の多々木(たたき)(はじめ)と、」

メイ「助手の若林芽衣がお送りします」

二人「よろしくオナシャス!」


メイ「さっそく、お便りを紹介したいと……」

タタキ「ちなみにだけど、若林くん、手紙は何通くらいきてるの?」

メイ「ぜんぶで2通です」

タタキ「(すけ)なっ」

メイ「(ボソリと)まあ順当でしょう……。さ、はりきって行きまっしょい。1通目のお便りは鳥取県にお住まいの『シュタゲ好き』さん、からです」


**********

【シュタゲ好き(鳥取県/男性)】

まずは完結、おめでとうございます。1点だけ質問があります。

水戸さんが組織によって洗脳される(=エージェントに仕立て上げられる)以前は、彼女はふつうのOLさんだったんですか?

だとしたら、彼女自身が言っていたように、凶祥寺にマンションを借りるのはちょっと難しいと思うのですが……。

2016年4月1日時点で、彼女はマンションに住んでいますよね?

スパイになる以前の彼女の素性がしりたいです。どうか、おしえてください。

**********


メイ「……というわけなんですが、いかがでしょうか所長」

タタキ「まあ、ボクがしってるはずもないんだが、いちおう物語を司る神・チャンエー院ホウマとしてお答えすると……」

メイ「はい」


タタキ「水戸さん、お金持ちだったんじゃね? て、ことで」


メイ「それで(しま)いですか。彼女の素性とかは……」

タタキ「てゆうか、キャリアウーマン? 女社長、的な」

メイ「なんで急にチャラい感じに(所長が)なるんですか。……わたしも思ったんですけど、そんなハイソな女性がアパート暮らしの山田一郎と婚約していたって、ちょっと釣り合わないと言いますか……」

タタキ「愛はお金じゃない、てことやね」

メイ「なんで関西弁」

タタキ「はい、この話はこれで終―了―」



メイ「つづいて、2通目のお便りは鳥取県にお住まいの『沖ドキ!』さん、からです」

タタキ「鳥取率、高っ! ……てゆうか、1通目の人の別ペンネームじゃね?」

メイ「はいはい、読みますよ(怒)」


**********

【沖ドキ!(鳥取県/女性)】

完結、おめでとうございます。もう1点だけ質問があります。

山田一郎は、あやしげなバイト先で拉致され実験体にされてしまいました。

彼の所持品(スマホ、財布、部屋の鍵)は、山田花子と名乗ったスタッフがゼリーポッドと一緒に持っていたはずです。

にもかかわらず、花子が204号室に到着するまえに、青木が財布から一郎の免許証を出すシーン(5本目参照)がありますよね?

これはいったい、どういうことでしょうか。凡ミスでしょうか。

**********


タタキ「こいつ、ぜったい1通目のシュタゲ好きだよ! もう1点て、自分で言っちゃってるもの」

メイ「所長、読者様にこいつとか言っては、なりませぬ」

タタキ「ぬうう……しかし、痛いところを突いてきよるわ。たしかに、これは作者的にも言い訳が苦しいだろうな」

メイ「どう返答しますか、所長」


タタキ「……あ、あれは青木のポッケに入っていた彼自身の財布さ。免許証の自分の顔がつい、山田一郎に見えちゃったのかなー」


メイ「超、苦しい言い訳ですね。水戸さんもその免許証、見てますよ?」

タタキ「ほ、ほら……水戸さんは一郎ラブだからさ。写真の青木がつい彼氏(いっくん)に見えちゃったのかなー、て」

メイ「いいかげんにしろ」

二人「どうも、ありがとうございましたぁ」

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