閑話 少女とカボチャ
どうも、はしらいです、ついにユニークアクセス250突破、もうじき300突破、いずれは1000も夢じゃないと、夢見がちなはしらいです。
あまり宣伝とかしてないけど更新した日に30人くらい見てくれてるのを見て元気を貰っています。
いつも読んで下さってありがとうございます。
小柄な少女「ようやく……なのね」
都会の喧騒の中に消えていってしまいそうなか細い囁きに、誰も気付かない。
いや、気付くはずがないのだ、何故ならそこは都内でも有数の高層ビルの最上階のスイート。
そのさらに上、屋上の縁に腰かけているのだ、警察官が見たら拡声器でそこでじっとしていなさいと騒ぎ出すことだろう。
むしろ、この高さで平然としている少女の方がどうかしているのだ。
そう、どうかしている。
少女の傍らにはまるで置き物の様な、『騎士』と表現するのが一番しっくりくるのだが、装飾があまりにも禍々しい鎧を着込んだ者が、屈強な成人男性が数人がかりでやっと持ち上げられるような異常な大剣を背に、後ろに傾ぐでもなくただ無言で直立しているのだ。
そんな騎士に見向きもしない少女を普通だと言う方が難しいだろう。
小柄な少女「ようやく……貴方に会えるのね」
まるで遠い昔を懐かしむかのように閉じていた瞳を開き、ある一点を見つめ直す。
先ほどから少女は同じ場所を見続け、傍らの騎士に話しかけているとも独り言ともつかぬ言葉を繰り返している。
??「ようやくだねーぇ?」
歌うような声で謎の声の主は、少女に話しかける。
しかしそんな声にも少女は一点を見続けている瞳を一切動かさないままで、明らかな敵意を持って声の主に言葉を返す。
小柄な少女「何をしにいらしたのかしら?この腐れカボチャは?」
そんな少女の辛辣な言葉に、腐れカボチャと呼ばれたカボチャは大きな声で笑う。
カボチャ「HAHAHAHA!辛辣だぁ~ねぃ?彼と再び会える事が嬉しくないのかぃ?」
カボチャ、そう、カボチャなのだ、詳細にはハロウィンの装飾品のカボチャのランタンを模した舞踏会の仮面のような物を付けた人物がいるのだ。
小柄な少女「嬉しいわよ、今すぐに彼の胸に飛び込みたいくらいよ、貴方がいなければね……」
カボチャ「ツレナイ事を言わないでおくれよぅ?長い旅の道連れじゃぁないかい?」
小柄な少女「貴方なんかと慣れ合うつもりはないわよ、消えなさい!」
少女がカボチャの仮面の人物に向けて指揮者のように腕を振るうと、傍らの騎士がそれに呼応するかのように、一切の音を立てずに、人知を超えた速度で、およそ人では持ち上げられないであろう大剣を片手に斬りかかる。
カボチャの仮面の人物は常人では避けられないであろう斬撃を受け、燃え上がった。
カボチャ「危ない事するな~ぁ?」
小柄な少女「どうせまた陰でコソコソしているんでしょう?」
カボチャ「あれあれ私って信用なぁ~い?」
そう言うとカボチャは屋上の物陰からひょっこりと姿を現した。
小柄な少女「貴方なんかを信用していた彼がどうかしていたのよ」
カボチャ「今はもういない人に対して随分と辛辣だねぇ~ぇ?」
カボチャがその発言をした瞬間、少女があまりの怒りに肩を戦慄かせながら何もない中空に手をかざす。
すると、なにもなかったはずの空中に暗い穴が開いた。
その穴は覗きこめば吸い込まれてしまいそうなほど深い闇を湛えていて、その闇が今にも溢れ出しそうだった。
小柄な少女「貴方が……貴方が…彼を語るんじゃない!!!」
暗い穴から、紅い闇がごぽりと音を立てて零れ落ちた。
その闇は背中に両刃の剣を携えた女性を象った、しかし、その人型は人では有り得なかった。
その女性には首がなかった、いや正確には首は自らの片手で抱えていたのだ。
女性を象った闇は次第に安定し、女性的なフォルムこそしているが、傍らの鎧の騎士と近い装飾の『赤い鎧の騎士』となった、しかし、外れた首から覗くのは空洞、つまりこの騎士は『鎧の騎士』ではなく『鎧だけの騎士』だったのだ。
カボチャ「相変わらず君のサインは怖いねぇぃ?」
小柄な少女「なら、怖いついでに死になさい!」
少女が腕を振り下ろすと、紅い騎士が自らの背に携えた両刃の剣を抜き、屋上の地面に突き刺した。
すると、屋上のありとあらゆる場所から紅い騎士が地面に突き刺した剣と同じ刃が突き出てカボチャを串刺しにした。
しかし、やはり先程と同じくカボチャは燃え上がった。
カボチャ「やっぱり君と直接会うのは怖いからねぇ?分身で失礼させてもらったよぅ?」
既にカボチャの姿は見えないのに声だけは聞こえる、そんな現状に無駄だと悟ったのか、少女は紅い騎士を暗い穴の中に蹴落とした。横を向いている穴に対して水平方向に落ちていく紅い騎士はすぐに見えなくなった。
カボチャ「彼を見ていたら君がすぐ傍にいたからね~ぇ、話しかけてみたんだが、ご機嫌を損ねてしまったようだし、そろそろ私はお暇するよぅ?」
自分の言いたい事だけを言ってカボチャは立ち去ってしまった。
小柄な少女「腐れカボチャめ……」
少女は呟くと、また最初に見ていた方向と同じ方向を向き何かをじっと見つめる。
見つめる少女の瞳には、片腕を三角巾で吊った困り顔の少年が映っていた。
書いてて思った。
中二病っていいよね!
それよりも!
毎日書いてる作家さんすげぇ(真剣)




