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A morbid illusion(病的な錯覚)  作者: 超人合体ハシライン
第1章 兆候
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第6話 高位能力者

大変長らくお待たせいたしました。

もう週1どころか月1くらいになっちまってるよ…

失踪したと思った人は大変申し訳ありません。

ちょっと最近忙しいのもあったのに報告とかしてないので。

これからも少し忙しくなると思うので週1などのノルマでなく、不定期ということにします。

出来る限り更新はしようと思っていますので応援よろしくお願い致します。

土岐「時格昇上……か」

橘「ああ、そうだよ君は実に運がいいね。」

土岐「サインが発症した時点で運が良いとは言い難いがな。」

橘「まぁそう言うなって。」


苦笑いしながらそう言った橘は半分程度残っていた煙草を大きく吸い、一気に残りの部分を灰にして窓の外に向かって煙を吹き、煙草の火を灰皿で消しながら続ける。


橘「いいかい?サインが一般的にあまり知られていない理由は症例の少なさにある。」

土岐「そんなに少ないのか?」

橘「ああ少ないと言っても同じ症状が少ないため別の病気と診断されたり、そもそもサインと気付かずにそのまま一生を終えてしまうからなんだ。」

土岐「サインと気付かないなんてあり得るのか?」

橘「あるさ、サインの中でも症例の多い幻肢痛などがある」

土岐「幻肢痛ってあの事故で失ったの足の小指の先が異様に痒いとか言うあれ?」

橘「凄く嫌な例を上げるね…まぁ概ねその通りなんだけどさ。」

土岐「それがどうサインと繋がってくるんだ?」

橘「まぁ、これがサインとなってくると現在の姿の痛みと書いて(げん)姿()(つう)となるんだが、これはある特定の条件が揃わないと超常の力を発揮しないんだ。」

土岐「特定の対象?」

橘「ああ、その条件は、自分が能力の対象と認識した相手がいる事、それと相手を目視している事の2つさ。」

土岐「対象と認識した相手って?」

橘「そうだな、自分に害をなす者と対面する、またはこの相手に能力を使いたいと思うことなんかだね。」

土岐「それって実質、自分が能力を持っている前提で能力を使おうとする事や、街で不良やチンピラなんかに絡まれるかくらいしか知る方法がないって事?」

橘「そうだよ、今は多少症例が増えてきた事もあって殆どの病院でそのサインについては検査を行えるようになっている。」

土岐「検査ってそんな事出来るのか?」

橘「このサインの能力は相手に自分と同じ感覚を与える能力、つまり痛みの転写みたいなものだからね、簡単に医者が患者を抓って医者に痛みを移すイメージをしてもらうだけでいいんだ。」


そこで今いつの間にか居なくなっていた飯島がティーカップを3つお盆に載せて戻ってくる。


飯島「まぁ、試験って言っても能力が弱くて殆ど意味のない人もいるけどね。」

土岐「さっきからなんか聞いてばっかりな気がするけど、能力が弱いって?」

飯島「昨日今日サインについて知った人が全部知ってるわけないんだから聞いたって良いんだよ、それで、サインっていうのは症状の強い人程大きな能力が使えるのは知ってる?」

土岐「いえ、初耳です。」

橘「私の時と丁寧さが違う!?」

飯島「それでですね」

橘「安定のスルー!?」

飯島「橘さん。」

橘「なんだい?」


橘が目をキラキラさせて聞いている、構ってもらえるのがそんなに嬉しいのか、良い年した女性が。

橘がジトっとした目で見てくるが素知らぬふりで通す。


飯島「お座り、待て。」

橘「上司に対する態度じゃない!?」

飯島「Sh()ut() up()

橘「いや、日本語でおk」

飯島「Sh()ut() up()

橘「いやだからにほん」

飯島「Sh()ut() up()

橘「いやだか」

飯島「Sh()ut() up()

橘「はい……」


橘がシュンとしている……ていうか、飯島さん目にハイライトがない、怒った飯島さんマジ怖えぇぇ。


飯島「はい、では話を続けましょうか?」


飯島が何食わぬ顔で話を続ける。


飯島「話が逸れてしまいましたね、では戻しますが、サインは病気や怪我の症状が大きければ能力も比例して強くなります。」

土岐「アッハイ。」

飯島「?続けますよ、現姿痛ですと、症状の大きさとは欠損した部位の大きさですね、小指の第一関節が無くなった人なんかだと抓られた痛みを移そうとしても相手に伝わるのは痒み程度ですね、逆に四肢を1本以上失った人なんかだと、自分の受けた痛みを殆どそのまま相手に移すことが出来るらしいですね。」

土岐「なるほど解りやすいですね、つまりは病気もこれと同じで症状が悪い、たとえば死に直結するような病気だとかなり強力な物になったりするんですか?」


飯島はうんうんと頷いている。


飯島「いやー物分かりのいい子で助かりますよ、どこかの誰かさんとは違って。」


飯島さんはそのどこかの誰かさんをジト目で睨む。

どこかの誰かさんはかなりシュンとしている。


飯島「まぁ、そんなこんなでサインには強弱があるんだけどね、中には君の能力のように例外もあるの。」

土岐「例外、ですか?」

飯島「ええ、サインのリスク自体はさほど大きくないのに規格外の超常の力を発揮出来る君みたいな人が稀にいるのよ。」

土岐「規格外、ですか?自覚はないですけど。」

飯島「君のサインだったらそうね、内臓の1、2個くらい止まってても不思議じゃないくらいかしら。」

土岐「1、2個止まってたら無事じゃ済まないですよ!?」

飯島「そうね、だから低いリスクと高いリターンが期待できる人を()()()(ター)(ナー)と呼んでいるわ。」

土岐「ローリスクハイリターンでハイリターナーって、安直ですね。」

飯島「そんなものよ実際、で高位能力者の犯罪者が出た時普通の患者(ペイシェント)じゃ寿命縮めてやっと対応出来る状態なのよ、そんなんじゃ割に合わないでしょ?」

土岐「確かに、そうですね。」

飯島「だから、高位能力者と思しき人を集めて作られたのがこの組織、SOCOなのよ。」

土岐「高位能力者を集めて作られたってことは橘さんや飯島さんも?」

飯島「いや、私の方は一般の兆候研究の公務員だったんだけど転属になってここにいるのよ。」


俺が橘の方を見ると橘は少しだけ遠い目をしてから。


橘「私も一般だよ、ただ昔の知人が君と同じサインの高位能力者でね、彼の為にこの国家公認の組織を立ち上げたのさ。」


少し意外だった、そんな凄い人には見えないのに。


橘「以外かい?」


考えてる事を見透かされてしまったのか、そう聞いてきた。

俺は素直に頷く。


橘「ふふ、素直だね、彼もそんな所があったよ、そして彼は勇敢だった、でもそんな彼は一人の高位能力者によって命を落とした、私は無力な自分が許せなかったんだよ、だからこんな組織を作り上げたのさ。」

土岐「そう……ですか。」

橘「あまり暗くならなくていいよ、私は今この組織を率いている、今度こそは……ね。」


普段おちゃらけてはいるが、この人はこの人で頑張っているんだな、と思い見直した。


土岐「はい、わかりました。」


俺の丁寧な返事に橘は微笑んで。


橘「うむ、よろしい。」


と返すのだった。

今回も説明会になってるけど、そろそろ説明会終わりにして本筋に入りたいですw

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