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31 手を取る?

どうぞよろしくお願いします。

「今、小池大佐と話してきたんですけど、染野さんと武井先生のこと知っていました。

 叔父が私と染野研究員を結婚させようとしていたことも知っていました。

 井狩総班長も一緒でしたので、後で確認して頂ければ」

 私はため息とともに言った。

「ああ、なら、ボイスレコーダーしてくれてるかな?」

 ハヤトがニヤリと笑った。

 ええと、後、言わなきゃいけないこと……。

「あ、病院に入院して火傷の保存再生治療を受けてる、爆弾に一番近い場所にいたという男性。

 身元がまだわからない?」

「ああ、話せるようになればすぐ話を聞きたいと隊員を配置してる。それに、もし、どこかの組織や結社の者ならば、口封じに命をということも考えられる。

 彼が何か?」

「うん……、ちょっと気になって……」

 これ以上先のことはハヤトとふたりきりの時に話した方が、いいだろう。


 その時、また、黒須ちゃんのスマホが震えて。

 みんなぎょっとして「移動中だとばれるのもな」と早乙女中尉が言って、別に通話にしてないから話してもいいんだけど、みんな黙って、コールが終わるのを息を詰めるようにやり過ごした。

 また伝言……。


『アレク!! 出なさい!!』

 美咲の声。

「元気そうだな……」と敏夫が呟いて、笑いそうになっちゃった。

『アレクさん、あなたにワルイハナシではナイデス』

 ピエールの声。

 何をしたいんだ?

 私と話をしたいなら、堂々と第三師団か本部に訪ねてくればいい。

 まあ、面会許可が出るか、わからないけども。

 黒須ちゃんが怖そうにスマホを見ている。

「黒須ちゃんのスマホなのに、ごめんね」

 私は謝り、本部に到着した。

 

 本部に入るとなんと愛理さんもいて!!

「えー!! 愛理さん!!」

「ふふっ、来ちゃった。

 来月から当番月も始まるんでしょ。

 手はたくさんあった方がいいもんね。

 それから……、ご結婚、おめでとう!!」

 なんか高らかに言われて拍手されちゃった。

「もうね、飛行機の中で結婚したこと聞いて、竹中隊員がぶっ倒れそうな顔してたのよ!」

「え?」

 私は敏夫を見た。

 すごく気まずそうな顔をしている。

「いや、その、振られるのわかってるけど、きちんと告白っていうか……。

 なんだか、何もしてないのにすでに振られてたみたいな……」

「……え? ちゃんと断ったよね。

 将来、愛人になんかならないって」

「あれは!! あれはその、告白じゃないっ! 

 さすがにあれはひどすぎだろ!?」

「……ひどすぎって、染野研究員も敏夫も秋馬叔父さんも美咲も、私に押しつけようとしてたことだ」

 敏夫ががっくりする。

「あー、そうだよな。

 そう、俺がすべきだったのは早瀬家に入り早瀬製薬の中で力を持とうとすることでなく、アレクの手を取って逃げるってことだったんだな……」

「うーん。私がその手を取るかはわかんないけど」

「ひどいっ!」

 敏夫がまたがっくりする。

 黒須ちゃんが「えっ? どういうこと!? 愛人って何!?」とキョロキョロ敏夫と私を見た。

「いや、今はそれどこじゃないからっ!

 黒須ちゃんのスマホをなんとかしなきゃ!」

 私の言葉にハヤトと早乙女中尉が「そうだな!」と慌ててスマホに詳しい隊員を連れて来てアドバイスをもらい、私のスマホにピエールのアカウントを入れ、黒須ちゃんのスマホからはピエールのアカウントをブロックしてから削除した。

『私のスマホから連絡しています』

 私からそうメッセージを送った。

 これで、これからの連絡は私のスマホに来る。

読んで下さり、ありがとうございます。

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