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30 再会

どうぞよろしくお願いします。

「何か、変わったことはなかったかね?」

 小池大佐の言葉にちょっと考える。

 見た目のことなら言ってもいいだろう。

「そうですね。

 たぶん12、3年以上お会いしていないのですが、あまり変わってなくて。

 お若く見えて、びっくりしました。足の状態も良くなられていたし!」

「そうか……、うん、若くね」

 まだ、私の笑顔の裏を探ろうとしている感じだ。

「……何のために、私は呼ばれたのでしょうか?」

 私は困った感じで井狩総班長を見た。

 美咲の行方不明の話から、だいぶ脱線している。


「早瀬美咲医療士のことは心配だね。

 その、早瀬の家へは?」

「……私が早瀬家でどのように扱われていたか、小池大佐はご存じでしょう?

 私が知らなかった染野さんとの結婚の約束のことも知っておられましたし。

 私の志願についても叔父が()()()()頼んでいたとお聞きしました。

 今は、もう連絡を取っていません」

 ちょっと攻め込み過ぎたかな。

 でも、実際、本部の方に私が移動する前から調査が始まっていたし、これぐらい言ってもいいよね!?

「……これは、心外だな」

 心外……、いえいえ、私はもう利用されたくない。

 目を上げているとじっと見つめてしまいそうになり、目を伏せた。

 井狩総班長の声が響く。

「夜休みなのよね。

 もう自由に過ごしなさい。

 長い勤務、ありがとう。助かったわ」


 私は頷いて「失礼します」と一礼をして部屋を出た。

 なんかもやもやしたまま共有スペースに歩いて行くと、ハヤトがいた!

 私は走り寄って抱きついた。

 ぎゅっと抱きしめてもらって、安心だ。

 う、自立と結婚。依存って言いたかったのか!?

 なんかまたムカッとした。

 ムカッてしちゃうのは自分自身も思うとこがあるということなのか!?

 うーん。


 ハヤトに黒須ちゃんのスマホにピエールから着信があったことと伝言を聞いてもらった。

 黒須ちゃんも一緒に本部へ行くことになる。

 本部の方へ行くことを宿舎待機の人に伝えてから、外に出て本部の車(運転手付きの大きめの車)に乗り込もうとしてびっくりした。

 早乙女中尉と……敏夫がいて!?

「えっ!?

 なんで、敏夫!?

 あ、早乙女中尉、お疲れ様です!

 え、あ、美咲のこと!?

 いや、美咲の事件の前に日本出てますよね?」

 私の言葉に早乙女中尉が笑う。

「ああ、疲れてるけど、まあいろいろ起きてるからざっと視察というか、ね。

 まず乗って、説明するから」

「誰?」

 黒須ちゃんが私をつつく。

 私と黒須ちゃんとハヤトが乗り込んで、車は出発した。


 本部の早乙女中尉、そして敏夫を美咲の婚約者と黒須ちゃんに紹介すると「もう違うから!」と訂正された。

「志願したんだ。特に本部の調査に協力したくて」

 私は早乙女中尉を見た。

「ああ、竹中は防衛隊に志願してきたんだよ。

 捜査後に早瀬製薬を辞めてね。

 それで、早瀬製薬の表側をよく知る人物として、調査に加わってもらうことにした」

「表……。裏には気づいていなかったの?」

「裏というか……、アレクのことをその……早瀬家で虐げるというか、奴隷のようにというのは気づいてた……。

 でも、助けられなくて。

 だから、力を付けて、将来的に助けられればと美咲との婚約を了承して、早瀬家に入り、アレクをそれとなく守っているつもりだった……。

 でも、アレクに対しても、防衛隊のダンジョンで戦っている人達に対しても、研究と称して非道なことをしていたことがはっきりしてきて……」

「うん、それならいいけど……。

 あ、小池大佐とは面識ない!?」

「……たぶんないと思う。

 社長を会合の場まで送って行ったことはあるが、俺は会ってはいない」


読んでくださり、ありがとうございます。

敏夫再び。

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