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28 スマホの着信

どうぞよろしくお願いします

 山野井くんと藤堂さんはこれから監視塔の方へ向かうそう。

「気をつけてね!」

 黒須ちゃんと見送る。

 入れ違いのように小野田隊員が帰ってきた。

 そうか、昨日からずっと美咲を捜索したり、爆発の後片付けもあっただろうし。

「「お疲れ様です!!」」と黒須ちゃんと一緒に声を掛けた。


「ああ……、仕事で街に行けるなんて喜んだからばちが当たったかな……」

 こんな時でも笑わせようとしてくる小野田さん。

「そういえば、大岡大尉が結婚したとか聞いたんだけど。

 アレクさんとだよね?」

「はい。

 その、美咲が、出かける前に国際結婚したら、防衛隊の当番の任期期間はどうなるのか、とか聞いてたみたいで……」

「そうか! アレクさんの名前を騙っていたから!」

「そうです。用心のため? 

 もう届を出して籍を入れておけばプロテクトと同じになるからと」

「まあ、理由はどうあれ、おめでとう!」

 小野田さんが笑っている。

「ありがとうございます」

 私も微笑んだ。

 

 自分の部屋に向かう小野田さんを見送って、椅子に座り直した時、黒須ちゃんのスマホが震えた。

 画面を見て顔色を変える黒須ちゃん。

「ピ、ピエールからだっ!

 どうしよう!?」

「え? ど、どうしよう!?」

 私が出るわけにもいかないしっ!

 ふたりで慌てていると自動で伝言モードに切り替わったようで、震えがなくなり、切れた。


 恐る恐る伝言を確認する。

『電話、出なさいよっ!』と美咲の声。

『アレクさん、連絡クダサレ』とピエールらしい男性の声。うん、たぶん声の感じと言い回しでピエールだよね?


「あ、そうか!

 アレクに繋げてっていうことは、美咲さんはもうバレたのね!」

 黒須ちゃんがそう言ってから、怖そうな表情をした。

「早瀬さん、大丈夫なのかな?

 亮さん、ばれたら、早瀬さんが危ないみたいなこと言ってたよね!?」

「うん、心配だけど、元気な声が聞けて、ちょっとほっとしたね。

 でも、どうなっているんだろう?

 帰してもらえないってこと? 美咲の意思で戻ってこない?

 わからないことだらけだ」


 その時、おなじA班で夜待機の先輩が私を呼びに来た。

「アレク医療士! 井狩総班長が呼んでる」


 私は黒須ちゃんに「電話出ないで、ここにいてね!」と言って立ち上がり、知らせてくれた医療士に「ありがとうございます!」と返事して、ひとりで井狩総班長のいる部屋へ向かった。

 

 ドアをノックして入ると、井狩総班長ともうひとり……、父より年上かなと思われる男性……あ!

 小池大佐か!!

 ここに到着した時、全体に向けての挨拶があった、その時にお見掛けしたわ!

 私は井狩総班長を見た。頷かれる。 

 うん!? 当たり障りなく話せというとこか!?

 

読んで下さり、ありがとうございます。

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