27 連絡先
どうぞよろしくお願いします。
その時、黒須ちゃんが部屋に飛び込んできた。
急なドアの音に私は小さく悲鳴を上げてしまった。
びっくりだよ! 共同の部屋だけどさっ! ノックくらいはしようよ!
「アレク! 早瀬医療士から連絡が来た!!」
スマホを突き出される。
『アレクサンドリアに繋げて欲しい』の文字が読み取れてた。
「美咲!?」
「ううん、これは違う。
最初、病院から帰ったら早瀬医療士からこんなメッセージが来てたことに気がついて」
また画面を見せてくれる。
『この人に連絡を取って』
「それで、その人のアカウントに連絡してみたら……」
「って、だめじゃん!
牧野さんか井狩総班長に報告しないと!」
「でも、みんなまだ病院から戻ってこないし。
アレクから本部の大岡大尉に知らせてくれない?」
私は黒須ちゃんのスマホに美咲からまず連絡があったこと。
そして、連絡を取るように言われたアカウントに連絡したら、私に繋げて欲しいと連絡が来たことを……、黒須ちゃんのスマホのスクショを送ってもらい、ハヤトに転送した。
既読になり、5分ちょっとくらいで電話がかかって来た。
『リア?
連絡ありがとう。黒須衛生士への最初のメッセージの同時刻に、早瀬医療士のスマホに短時間、電源が入ったことが確認できた。
そして連絡して欲しいというアカウントはどうやらピエールのものらしい』
「ピエールの?
美咲は私じゃなく美咲だとばれたの?」
『ああ、そうだね。
婚姻届かそれに近いものがどこかで出されたのかもしれない。データベースに問い合わせがあったか確認中だ。
早乙女中尉がもう飛行場に着いてるんだ。
これから本部に来る。こちらに早乙女が到着次第、リアを迎えに第三師団に迎えに行く。
そのまま、何もせずに待っていてくれ』
「はい、黒須さんといます」
私は電話の内容を簡単に黒須ちゃんに伝えた。
「……来てくれるから、とりあえず、もう少し待とう。
黒須ちゃん、スマホ、もしかしたら、調べることになるかも」
「大丈夫! これ防衛隊のスマホで、仕事用だし」
あ。そうだったっけ!?
美咲に実家の早瀬製薬と連絡を取らせないため、スマホは防衛隊の物に切り替えさせて、黒須ちゃんと山野井くんもそうしてたんだっけ!?
私もそうだけど……、私はやっと連絡先を交換した大事な人達の情報も入ってる。
ハヤトに近藤万理さん、早乙女愛理さん、社宅の大家さん、黒須ちゃん、仕事での繋がりだけど医療A班の先輩達……。
私は用心のため、連絡先を交換した大切な人の連絡先をノートに書き残しておくことにした。
たぶん、ピエールと連絡を取ることになったら、スマホはいつ手元から離れるかわからなそうだしね。
部屋にふたりでいても不安になっちゃうから、共有スペースに出ることにした。
読んで下さり、ありがとうございます。




