24 夜番
どうぞよろしくお願いします。
酸素マスクをつけた状態で全身を培養液に浸した治療ができる大型機器の中に男性が一名入っていた。
カルテを見ると、爆発地点のそばで倒れていたと。
逃げようと背を向けていて、身体の背面を広範囲に火傷していたそう。
あと、足や手だけ治療を受けている男性や女性が数人いる。
こちらは爆風で飛んで来たブロックや金属片、または崩れてきた壁で潰されたような損傷……。
さっき手のひらの火傷を応急手当てした女性もいた。
全身を培養液に浸けている医療機器の中の人を見た。
この人だけ、全身症状に近い、ひどい火傷?
爆弾の一番近くにいたということだよね。
病院としては落ち着いたので、夜番は一度宿舎に戻ることになった。
黒須ちゃん、山野井くん、藤堂さんらと宿舎に戻り、私と黒須ちゃんは少し仮眠を取ってから夕食を食べる。
夜休みだった山野井くんと藤堂さんも一緒。街に出られるような感じじゃないよね。
その時、原さんが来て私に話し掛けた。
「そういえば、何と呼んだら?」
「アレクでいいですよ。
今まで通り、アレク医療士で」
「大岡ではなくて?」
「はい、身分証なども日本に戻ってからという話ですし。今まで通りで」
「え? 大岡って?」と黒須ちゃん。
山野井くんが何かに気づいたように言った。
「結婚……した? 届けを出した、とか!?」
私は頷いた。
「え! それは、おめでとう!?」
藤堂さんがびっくりしたような疑問形のイントネーションで言った。
夜、仕事中だというのに、黒須衛生士と同じく夜番の医療士達にどうして急遽結婚することになったのか何度か説明させられた。
「早瀬医療士のせいか……」「本当にあいつ何してくれてるんじゃ……」「まあ、おめでとう……」
ため息混じりに何人もに言われた……。
美咲の行方はまだわからないそう。
私と黒須ちゃんは病院内の見回りをしていた。
いつもより入院している人が多く、しかも民間の人が多い。なので付き添いの人もいたりして、夜なのになんとなくあちこちから光が洩れていてわさわさしているし、事故の後の興奮でなかなか寝られない人もいるみたい。
私達は見回りながら起きている人には痛みが出ていないか、のどが渇いていないかなど確認して、しっかり休むように声を掛けていく。
さっきの男の子とお母さん、あの後、帰れたそう。
打撲だけとわかり、湿布とテーピングで軽く固定して、家で安静に過ごせるということで帰宅したそう。
「山野井くん、お医者さんって感じでカッコ良かったね」
私が言うと、黒須ちゃんが少し赤くなる。薄暗い中でも赤くなったとわかったんだから、少しではないかも?
「うん、いつも穏やかなのに、やる時はやるって感じよね」
黒須ちゃんと山野井くん。
私より年上なんだけど、なんかかわいい人達なんだな。
読んで下さり、ありがとうございます。
ダンジョンありきの街なので、基本大人が多いんですけど、就学前のお子さんは時々いたりします。
学校はさすがにないので、近くの普通の街に移住するか、日本に帰るかですね。




