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どうぞよろしくお願いします。
ハヤトに連れられて、建物の中をどんどん進む。
病院の方に向かっているみたいだ。
病院の裏という感じの所にマンションような建物があり、エントランス前で鍵を差し込み、大きなドアが開く。
「どうぞ」
ハヤトに譲られ、会釈して先に入った。
そしてエレベーターで6階に上がり、603の部屋に入る。鍵閉まってなかった。
ハヤトはずんずん中へ入って行き、造り付けのクローゼットのあたりにカバンを置いてくれた。
えっと……。この状況は!?
よくわかんなくて短い廊下を抜けて部屋に入ったあたりで立ち尽くしていて、戻って来たハヤトに抱きしめられた。
「朝、消えてて……。夢だったのかと……。
でも、花はあって……『第三師団午後』それだけを頼りに待ってた」
「……軍人さんだったのですね。
父と雰囲気が似ているとは思ってましたが……」
「おや、ファザコン?」
「そういうわけじゃ……」
私は苦笑した。
ハヤトが腕を緩めてくれたのでぐるっと部屋を見回してから、部屋の中を見に行く。
シンプルな部屋だ。
玄関のドアから短い廊下の左手にトイレ付きのユニットバス。
部屋に入ると左側に小さな水場とコンロ、小さい冷蔵庫もあった。水場の下とコンロの横が棚になってる。
あれ? 洗濯機は?
バスルームの周囲をキョロキョロ見ているとハヤトが「ランドリーは地下に共有のランドリールームがあったと思う」と教えてくれた。
昨夜のハヤトの部屋とちょっと似ているけど、あっちの方が広いし、設備は整ってた気がする。
私はハヤトを見た。
「……私の部屋は本部の寮、宿舎なんだ。確かに、ここよりは広いな」
「……ハヤトさんは本部の大尉殿なんですね」
「ハヤトでいい。
あ、ふたりの時、だな。
今、君を本部付けにするよう指示を出している。すぐ辞令が届くと思うよ。
この部屋は今日だけかもしれないな」
「本部?」
「君の経歴を見せてもらったよ。
君の専攻は再生医療だろ?
君は前線ではなく、本部の病院にいるべき人材だ。しかも早瀬中佐の、いや、特進されて准将か……。
とにかく本部は驚いていたよ」
「確かに父はダンジョン戦で功績を上げていて、軍……防衛隊では名が知られていたと思いますが……」
「1年半前、アラスカダンジョン。
私も……、いや、リアの前では素で話させてくれ。
……俺は早瀬中佐と一緒だった。
そろそろ成人する娘がいると……聞いていた。
中佐は君が成人したら、俺に紹介してくれると言っていたんだ……。
光が当たると金にも見える淡い茶色の髪で、深い海のような青い瞳をしていると教えてくれたよ。
どうしても写真は見せてくれなくて。会った時のお楽しみだと」
「……父はどのように……」
私は知りたい気持ちと、聞くことでハヤトの負担になるのではないかとの気持ちで揺れていた。
読んで下さり、ありがとうございます。




