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14 確認事項

どうぞよろしくお願いします。

「それがこの手紙ね」

 井狩総班長が少し困ったように言った。

 私と牧野さんとハヤトが一緒の部屋にいて、今日あったこと(タケイクリニックのこと以外)を説明したところだった。


「早瀬中佐の娘であると騙って……。

 うん、調べましょう」

 井狩総班長は何か機械を取り出すと封筒を差し込み、スイッチを押した。

 下から強い光が当てられ、封筒の中身を透かすような仕組みらしい。

 画面を見て、呟く井狩さん。

「便箋じゃなく、カードのようね。

 これなら、すぐ読めるかも」

 その写真を画像処理をすると内容が読めた。


『早瀬アレクサンドリア様

 26 AM10:00

 出会ったところでお会いしましょう。

 変更あれば、電話下さいませ ピエール』


 二日後の日にちだよね。

「B班なら、次の休みの日ですね。

 でも、午前中休みとは限らないのでは?」

 私が呟く。


「ただのデートのお誘い?

 一応、阿部医療士やB班のリーダーには目を離さないように伝えましょう」

 井狩総班長はそう言いながら、牧野さんに手紙を渡した。

「渡して良いと?」

 牧野さんの言葉に井狩さんは頷いた。

 牧野さんは部屋を出て行った。


「その、中国の研究者、大丈夫なの?」

 井狩総班長の心配はもっともだ。

 

 怪しいピエールというイケメン。

 ピエールは危険だという中国人研究者の亮さん。

 それに、秘密結社DE。

 そして……、まだ話していないが、武井先生と早瀬製薬の繋がり……。

 まだ、小池大佐を泳がせているから、一気に調査できないということか……。


 ハヤトが言った。

「小池大佐がDEに関わっているということは?」

「なくはないわね。

 それなら、培養液に魔物由来の成分を混入するとか、理由がつくものね……」

 ハヤトが頷いてから言ってくれた。

「もしかしたら、日本街の個人クリニックがその研究場所かもしれません。

 今日、早瀬中佐の古い友人という武井医師をそのクリニックに訪ねたのですが……、様子がおかしくて」

「おかしい?」

 私も説明に加わる。

「はい、まず、除隊理由の足の怪我の後遺症が見られませんでした。

 足を引き釣り、杖を突いていたはずです。

 それから……、あまり変わっていない。

 私とは13年振りぐらいでしょうか。でも、外見が、それほど年を取っていないように見えました。

 父と同い年のはずですけど……。13年前の私の記憶の中の先生と近い。

 再生医療を受けたか聞いたら『ああ』と返事されましたけど……。

 足の怪我の再生治療を受けたとして……。古傷を治すために全身の再生治療を受けたのではと思い至りました。 かなり珍しいケースです。研究目的のような?

 そして、染野研究員の名前を出したところ、一緒に研究しているとはっきり名をあげました」

「……それは、早瀬製薬を通して小池大佐と、いえ、もしかしたら、その武井という医師が繋いでいるのかもしれない?」

「でも、父がそれなら気がつくのではと」

「早瀬中佐が気がつかなかったということは、早瀬製薬の染野研究員を連絡に使っていたとか?」

 井狩総班長の言葉を聞いてハヤトが言った。

「俺は本部でピエールとやらを調べます。

 武井医師についても。

 第三師団の方でも武井医師が出入りしていないか、または連絡を取っているかなど……、お願いします」

「はい、後、美咲さんの動向ね」


 井狩総班長と部屋を出たが、ハヤトが立ち止まった。

「この部屋、もう少しお借りしても?」

「婚約者同士のお話くらいなら」

 にこっと微笑む。何か誤解している?

「5分……、いや10分。お借りします」


読んで下さり、ありがとうございます。

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