11 秘密結社!?
どうぞよろしくお願いします。
「何か早瀬に御用事でも?」
牧野さんがずいっと間に入ってくれる。
その男性は少し慌てて両手をこちらに降参する様に見せてくるような感じで言った。
「すみませんっ!
その、私は亮と言いまして。
中国防衛隊の方で研究者をしています。
早瀬ファイルのファンでして、最近、日本の防衛隊に早瀬中佐のお嬢さんが入隊されたと噂になっていて……」
「昨日、美咲に名刺を渡したとかいう?」
私の言葉にさらに慌てる亮さん。
「はい、早瀬という名に声を掛けたら、早瀬中佐の娘さんだと、アレクサンドリアだと、言われたので!
違う?」
牧野さんが苦笑しながら頷く。
「違います。
こちらが早瀬アレクサンドリアです。
じゃ、この手紙も、もしかして……」
「あ、さっきのピエールさんも、美咲さんをアレクだと思って?」
「ピエール?」
亮さんが呟く。
「もしかして、すごくイケメンの金髪の?
その男は危険です!」
亮さんが必死な顔で私を見る。
小野田さんが亮さんを私達から離すように少し押した。
「どっちがどっちだか、わからないが。
お前も十分危険で怪しいぞ」
「……そうですね。すみません。
でも、私は怪しいことはありません!
どこへでも行き、話しすることができます!」
ハヤトが小野田さんと顔を見合わせてから言った。
「じゃ、一緒に来てくれないか?」
「はい、どこまでも!」
って、どこに行くんだ?
私達は居酒屋の個室みたいな所に入った。
お茶するのに居酒屋……みたいな?
「さて、そのピエールとやらがなぜ危険なのか、教えてもらおうか?」
小野田さんがなんだかノリノリで怖い感じを装っている。
ここに着くまでに、さっきピエールと名乗るイケメン外国人に『早瀬さんに』と手紙を預かったことを話したんだよね。
「はい、その男は秘密結社の者だと思われます」
「「はあ?」」
小野田さんと牧野さんが顔を顰める。
「知りませんか? 国際秘密結社DEのこと?」
「ダンジョン・エボリューション?」
ハヤトがぼそっと言って私達はびっくりする。
「そ、そうです!
早瀬ファイルに感化され、早急に進化を進めようとする者達の集まりです。
彼らはその、ダンジョンでの魔物との出会いが進化を早めると!」
小野田さんが不審そうに言う。
「そのピエールとやらが、その……、D……、秘密結社の一味だと、どうして?」
「彼は……、フランスの隊員だったのですが、除隊してもこのダンジョンに留まっています。
私が早瀬ファイルのファンと知って、勧誘されたことあります。
その時、彼が『新しい力を得て、世界を統べる』といったことを……。
危険な思想だと思い、断りました。
私はただのファンで、本当にこの推論が正しいか見届けたいだけなんだと」
「研究者なのに? 見届けたい?」
ハヤトが首を捻る。
「……ああ、疑われています?
私は、こんな恐ろしい力、できれば必要ないと思う。
もし本当に進化しなければ、人類が生き残れない、なら、急ぐことはない、ゆっくり進化すればいいと。
私が生きているうちには無理かもしれませんが、性急に進めることではないと、思います」
ん、亮さん、父の考えをよく理解しているような、気がする。
読んで下さり、ありがとうございます。




