6 早瀬ファイル
どうぞよろしくお願いします。
今日は日中番の病院勤務の日。
今は戦闘がしばらく起きていないそうで、治療に入っている人はいない。外来もあるけど、そっちは私達はあまり関係ないからね。
初めてということもあり、培養液の在庫チェックや、器具の確認のチェック、掃除とかのやり方を教えてもらう。
うん、無色透明の培養液だ。特に何か混入されてはいない。
私と黒須ちゃんは応急手当ののやり方や、牧野医療士の指示で全身装備を身につけて、必要なものを取り出すなんて練習をしたり、庭まで走ったり、ナイフの素振りを自主練したり。
そういや、今日、美咲と山野井くんは日中休みで、夜宿舎待機(宿舎にいれば寝ていても大丈夫)だそう。
日本エリア街の方に連れてってもらうようなことを言っていたな。
美咲はともかく、山野井くんに話を聞くのが楽しみだ。
日中番を終え、宿舎に戻ってくると、共有スペースに山野井くんとB班の男性医療士がいて!
「おかえり! 街どうだった!?」
黒須ちゃんがすぐに声をかけた。
「黒須さん、アレクさん、お疲れ様です!
夕食一緒に食べませんか? 待ってます!」
山野井くんがにこやかに言ってくれて、私と黒須ちゃんは急いで着替えて来て、一緒に食堂に向かう。
先輩医療士さんは藤堂さん、C班にももうひとり高田さんっていう男性の医療士がいるそう。
22人中3人が男性か。
山野井くんも穏やか~な人だけど、藤堂さんも見た目はすごく体格が良くて強面(?)な感じだけど、すごく穏やかでやさしい人なんだなって話していると感じた。
もうひとりの高田さんはちょっとチャラい感じだけど、いい奴だよと教えてもらう。
うーん?
日本街の様子を教えてもらう。
居酒屋、ラーメン屋が多いなと感じたそう。
へー。
なので、その食事を目当てに他の国の隊員も多くきているそう。
日本街っていうわりに、周囲から聞こえてくる言語が日本語じゃなかったそう。
山野井くん、藤堂さん、美咲、あと実習担当の阿部さん(牧野さんより若い)で街に行ったのだそう。
美咲がたくさん声掛けられたんだって。
「外国の人に?」
黒須ちゃんが信じられないという表情で言った。
藤堂さんが苦笑して言った。
「あー、その、ナンパという感じではなくて。
その『早瀬』って名前に反応して声掛けられるって感じが多かったんだよね。
『早瀬ファイル』って知ってる?」
「父の、ギリシャダンジョンについてのまとめ文書?」
「やっぱり知ってるよね! そう! 外国で人気あるんだよ!」
「へー!
日本ではいまいちな評判だったみたいですけど……」
そう、ファンタジーとかSFって言われたと、『もう少し裏付けるデータを集めてからじゃないと無理か!』と苦笑していた父を思い出す。
でも、外国で評価されていたから、研究室を残して続けられていたんだろうな。
読んで下さり、ありがとうございます。




