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2 班体制と当番月

どうぞよろしくお願いします。

 第三師団の宿舎はダンジョン寄りである。

 日本が担当している監視塔の前が日本の担当エリアで、ダンジョンから魔物が出て来ないように見張り、もし何かあれば出て対応するわけだ。

 それは年間通して。

 そのため、医療施設、簡単に『病院』と呼ばれているが(病気より怪我の方が多いと思うのだけれど)、その病院のそばに医療班の宿舎がある。

 日本エリアの街は比較的おとなしいらしい。

 アメリカとかフランスやイタリアの方はレストランなんかも充実していて、本当にその国の雰囲気の街って感じで面白いよと愛理さんには教えてもらっている。

 

 私達はまず宿舎の自分の部屋に入り、輸送箱の中の確認と返却を手配してから、病院へ行くことになっている。


「いよいよね!」

 黒須ちゃんが真剣な顔で言った。

「うん、戦闘のことって聞いてる?」

「少しは……。アレクは大岡大尉から聞いているんでしょう?」

「うん、聞いてるけど、自分が想像している通りなのか、自信持てない」

「そうね……。剣で戦うって、ね。それに本当にゲームみたいな『魔法』っぽい攻撃を使うとか……」

「うん、よくわからないから、慎重に行こうね」


 私達は防寒着の上着を羽織って宿舎のエントランスに集合した。

 井狩総班長の指示で車に乗り込み、病院へ入る。

 古くもなく、最新でもないという感じだ。

 新人実習担当の医療士と顔合わせする。

 A班に黒須ちゃんと私。

 B班に美咲と山野井くん。

 山野井くんには悪いけど、美咲と分かれることができてほっとした。


 一班の実習担当は牧野医療士、女性だ。

 井狩総班長と雰囲気が似てる。ベテランでやさしそうに見えるが何気にスパルタって感じ。

 ここではABCと3班体制で動いているそう。

 厳密に言うとさらにA班をふたつに分けて、日中当番、夜当番みたいにしているそう。

 Aが監視塔に詰めていたら、Bは病院作業&待機、Cは休みの人と何かあった時の宿舎待機みたいな感じで回しているそう。


 とりあえず、Aは今日監視塔の日なのだそう。

 私と黒須ちゃんは病院のロッカーに連れて行かれ、装備を確認し身につけてみる。

 救護のための薬品や衣料品を担いで出るってわけ。

 帰っても、確認して補充、使った物の記録とか。

 実際の物を使って説明を受け、身につける、外す、中の物を取り出すなんて練習をした。

 ヘルメットが、何気に邪魔くさい……。


「はい、もっと早く行動できるように!」

 牧野さんの言葉に、手順を頭の中で考える。

 なんか慣れるというかコツというか……。身につけるまでやるしかないんだろうけど。

 そして、今は日本は担当エリアを守るだけでいいが、当番月になると、ダンジョン内での魔物の掃討作戦、調査などにも出ることになるという話を聞く。

 当番月。

 父が亡くなったのも当番月のことだったっけ……。

 12の監視塔があるんだもん。月で分けるのがわかりやすいか。

 でも、特定の月が決まっているわけではなく、その年ごとに違うそう。

 え? もしかしてその担当月が過ぎるまで日本に帰れないとか!?

 私の表情を見て牧野さんが笑う。

「5月よ」

「って! 来月じゃないですか!?」

 私は叫んでしまう。

「今年はねー、早くて。

 でも冬よりは楽よ。

 あー、ダンジョン内に入ってしまえば寒さはないんだけど、真冬の担当月は極暖の上着を行き帰りのために持ち歩かないといけないから大変でねー。

 あなた達、ラッキーよ!」

「ラッキーって……」

 黒須ちゃんの言葉に、ふふっと笑う牧野さん。

「だから、早く使えるようになってくれないと困るのよね!」

 牧野医療士の目が笑っていない……。

 

読んで下さり、ありがとうございます。


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