60 メイク研修
どうぞよろしくお願いします。
食堂で愛理さんと一緒に昼食を食べる。
早乙女中尉はもう大忙しで、昨夜、家に帰ってきたが、早朝にまた出勤して行ったそうだ。
明日、詳しい話をと言ってたけど、大変そうだな。
「まあ、中尉殿には頑張ってもらわないと」
ハヤトの言葉に愛理さんが苦笑する。
「まあね。それが仕事だから。
でも、今回は早瀬ちゃんと大岡を助けることになるからって、気合入ってるみたいよ」
「まあ、優しい先輩ですからね……」
「うん、彼は優しい」
愛理さんがにっこりする。
「早瀬ちゃんはどうなの?
大岡は優しい?」
「え、優しいですよ」
「どんな風に?」
「えっ?」
私が廊下で頭をごちごちしてて、抱き上げてベッドに連れて行ってくれたことを思い出したけど、そんなこと言えませんっ!!
真っ赤になって黙ってしまうとハヤトに『えっ?』という顔で見られた。
「……まあ、言えないことなのね」
愛理さんが苦笑して、私は仕方なく頷く。
「うー、いつも優しいんで、特にその……」
「はあ、あの大岡がねー。でも、良かった。早瀬ちゃんも大岡も幸せそうで」
昼食後、早乙女少尉はもう少し教えてくれることになり、私はハヤトに言われて、買う物リストを作った。
とても寒いみたいで。
一応、私の防寒具は愛理さんに教えてもらって申請したので出発までには受け取れるそうだけど、私服をもう少し買わないと……。ハヤトも久しぶりで、新素材の薄手の防寒服などもあるから数枚は新調しようかなとのこと。
でも、日本はもう春、そんな真冬の服、売っているのだろうか!?
これも愛理さんが教えてくれた。
防衛隊と提携している特定の店舗ではいつでも揃うと。
愛理さんは職場に戻り、私は自分の席の片づけをして、帰る仕度をしてしまうとハヤトに声を掛けた。
「では、研修行ってきます!」
「気をつけて! 終わる頃、早めに行くから!」
「はい!」
んふふ、研修楽しみ。
美容室の隣の部屋が研修室。
ノックすると美容師さん、上野さんが迎えてくれた。
メイクの道具がいっぱいある! カラフル! 大きな鏡もね!
研修受付の端末に身分証をぴっとする。
「じゃ、こっちで用意しましょ」
上着を脱いで、ケープみたいなのをつけた。
後、髪を上げて抑えるターバンみたいなの。
まず洗顔から指導して頂く。
ネットで泡泡作り。これはやってるから任せろ!
「うまいうまい!」
褒められる。やった!
やさしく洗顔して、洗い流す。
「うん、洗顔は大丈夫ね。だから肌がきれいなのかな。
メイクというかいつもその後は?」
「化粧水と乳液をつけて、日中は日焼け止めを塗ります。
えっと、持ってきたんだ」
持ってきたポーチを見せる。
「了解、では鏡の前に移って見せてもらうわ」
鏡の前の席に座る。
「私が持ってるメイク用品というか、これくらいで……。
化粧水と乳液は置いてきました」
ポーチを開けて中身を出す。
日焼け止めは少し肌を整える効果もあるもの。
あと無色のリップクリームと口紅。
「このリップは?」
あ、口紅はリップ、か。
「高校の卒業のお祝いに頂きました。
学校でお世話になった先生から。
私、母も父も成人前に亡くしたので、特に父は卒業間近でもあったし……。
なので、私のこの先を心配して、成人のお祝いも兼ねて、特別に贈ってくれたみたいです。
一応、そういうのに詳しい方で、色も私に合うものを選んでくれたとか」
そう、ぱっと見ブラウンが強そうに見えるんだけど、唇に塗ると上品な感じの赤になる。
「へえ、日常使いに良さそうね。で、これだけ?」
私は頷く。
「はい、なので、この口紅はほとんど使ったことがなくて……」
「なるほど……、じゃあ、買い足す物も知りたいってことね?」
「はい!」
「ふふ、責任重大!」
読んで下さり、ありがとうございます。
後8、9話? ほどで第一章が終わる予定です。
第二章は舞台がアラスカダンジョンになります。
ダンジョン戦、どうしてくれようか……。
美咲も一緒ですよ!
本人は楽しく書いていますので、少しでもどうなんのかな? おもしろいかな? と思っていただけたら、ブックマークしてお付き合いいただけると、とてもうれしいです。
どうぞよろしくお願いします!




