表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/201

47 研究棟

どうぞよろしくお願いします。

「竹中敏夫、20歳。美咲と婚約していて。早瀬製薬の経営に関わっています。

 既に『若社長』と呼ばれています。

 なので、美咲との婚約が解消となっても、早瀬製薬に残るのではと思います」

 私の説明に早乙女中尉が頷く。

「なるほど……、薬学や医学者ではなくて、経営側ね。……早瀬ちゃんは大丈夫?

 また、会ったりしてさ」

「幼馴染ってだけですし、まあ、将来、私を引き取るとか変なことを言ってましたが……。

 今の早瀬家と早瀬製薬とは決別しましたから。

 防衛隊の仕事として。大丈夫です」

「うん、で、気をつけるのは、竹中敏夫と早瀬秋馬だな」

「はい、私の叔父です。

 父が亡くなった後、私を会社で働かせて、美咲が防衛隊の当番になったことで期間短縮のために、私を志願申請した人物です」

「現在の早瀬家当主」

「はい、そうです。美咲の父です」

「早瀬冬馬に秋馬。

 馬が関係してる?

 あ、会社のマークも馬だね」

「関係というか、御先祖様は大昔、馬の医者だったそうです。

 それで薬の知識があって。人間には薬師として薬を出すようになって……なんて伝承があるそうです。

 なので、男性は『馬』にちなんだ名が多いですね」

「早瀬ちゃんはアレクサンドリアだよな。

 中佐が?」

「いえ、母が付けたそうです。

 母の出身はギリシャですけど、エジプトの地名ですよね?

 そこは謎です」

 そう、子どもの頃は長い名前だとしか思わなかったけど、大きくなって、エジプトの地名と知って不思議に思ったんだよね。


 早瀬製薬に到着。

 私は視察の一行に紛れるように社内を歩いて行く。

 髪色や髪型が違うし、眼鏡もかけてないしね。

 全然気づかれない……。

 それに、私、本社より病院へ出ていることが多かったからな。

 視察ってことで、今回一番上である大佐から総務の早乙女中尉ぐらいまでは名乗ったけど、それ以降は隊員ということで各自名乗ることはせず。

 私はハヤトと大佐のそばに控えるように一緒に回る。

 研究棟に入る時、案内人として若手な方の薬学者のふたりが現れた。

 稲岡さんと舛添さん。

 ふたりとも顔見知りぐらいな感じでは知っている。

 あれ? リーダーは染野さんじゃなかったっけ?

 染野さんは小柄で飄々とした印象だ。

 私が会社に入る時、私を助手として希望したと聞いた。

 でも、私は上級学校に行ってないし、美咲が助手になったはず。

 稲岡さんと舛添さんの案内で視察は進んだ。

 消毒薬とか一般的な傷薬の研究室、特に問題はない。

 ふたりが説明してくれるから、私は特に言うことはない。

 さらに進むと、頑丈な扉の前に着き、染野さんが待っていた。

 いよいよか。

「ここからは早瀬製薬が研究で最先端を誇っている、保全、再生治療で使用する培養液の研究施設となります」

 説明は私が知っているとおり。

 培養液開発のきっかけはダンジョンの魔物から採取された粘液。

 それを分析し、地球上の素材で再現したこと。

 魔物由来の素材を使わないことで、安全性が確保されていること。

 その培養液の研究は続いていて、世界の中でもトップクラスの治療実績をあげていること。

読んで下さり、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ