44 水族館
どうぞよろしくお願いします。
荷物は車に積んであるから、このまま、公園にでも行ってみるか? とハヤトが提案してくれて、私は頷いた。
「ハヤトが好きな所に連れてって下さい」
着いたところは、水族館がある自然公園で。
水族館、小さい頃に来た記憶がある。
大きな水槽が綺麗。
光と水と魚達の世界。
魚だけじゃないけどね。
海の中から見上げているみたい。
ハヤトはこういう所が好きなのか。
「……父がさ、よく連れて来てくれたんだ」
私はハヤトの手を握った。
なんだか少し苦しそうだと思ったから。
「あ、ありがとう。うん、父のことを思い出すと、今のことと……、なんか苦しくなってさ」
お母さんのことかな。
ハヤトにしてみれば、母親が父親を裏切ったように感じているのかもしれない。
再婚するにしても、きちんとすればまだ良かったのかもしれないが、遺族年金目当てに、籍を入れないという選択をした、母親と叔父に、思うところが、ずっとそんな思いを抱いているんだろう。
「ハヤトはちゃんとしたよ。
話を聞いてそう思った。
自分が自立できるようになってから、ちゃんとね。
弟くんのことも、ちゃんと救ったじゃない。ね。
そして、今、私のことも救ってくれてる」
「救うだなんて、いや、救われてるのは俺の方だよ……」
暗い水槽の前から歩みを進め、海が見えるテラスまで来た。
お土産コーナーに大きなぬいぐるみ!!
「く、くじら……」
「クジラ好きなの?」
私は頷いた。
「ふっ、じゃ、これ初めてのデート記念に買おう」
「え! どこに置く!?」
「んー、ベッドの上?」
「……うん、いいかも。抱きしめて寝たら気持ちいいかも」
「……やめよ」
「え、なんで!?」
「リアを取られるような……」
「ええ!?
ぬいぐるみは抱きしめるためのものじゃないの!?」
「じゃ、もうちょっと小さいの」
笑ってしまう。
でも、うん、これくらいがちょうどいいかも。
片手で抱えられるくらいの、両手で胸にぎゅっとすると気持ちいいくらいの大きさの子に決定!
「んふふっ、うれしい。ハヤト、ありがとう!」
クジラの入った袋を抱えて、お礼を言う。
「どういたしまして……」
私はスキップしてから、振り返る。
「あ、ベッドの所、カーテン付けられる?」
「カーテン?」
「うん、昨日、早乙女さん達が来た時、ベッドが丸見えなのが……、ちょっと気になったから」
私は少し赤くなりながら言った。
「なるほど、確かに……」
帰りにホームセンターに寄り、簡易的にカーテンをつけられる方法を探す。
カーテンワイヤーというものがあり、フックで引っかければカーテン吊れるみたい。
なんとなく目分量プラス長めなワイヤーと壁に引っ掛けられるフックと薄手の水色のカーテンを購入した。
本当のカーテンじゃないから、長さは少し短くてもいいしね。
宿舎に帰り、早速、カーテンをつけてみる。
おお、いい感じ!
ベッドの方に座り、クジラのぬいぐるみを抱きながら見てみると、水色の布を透けてくる光がきれいな感じ。水槽の中みたい!?
既製品のカーテンにしたから、真ん中から開けられるしね。
読んで下さり、ありがとうございます。
なんだか、どんどん新婚さんな部屋になってます。
パソコンの調子が悪く……。
スマホでなんとか投稿してるので、投稿ペースがゆっくりになってます。
どうぞよろしくお願いします。




