34 食堂
どうぞよろしくお願いします。
食堂では日替わり定食にした。これなら補助金からオーバーしないと。
隊の身分証でぴっ!
おお、なんか感動。
ハヤトに促され、窓際の明るい席に座った。
ああ、中庭が見えるのか。
緑が気持ちいい。
ハヤトが「水、持ってくる」と言って……。
見ていると、コップとウォーターサーバーがあるコーナーがあり、そこで水を……。
今度は私が取りに行こう。
そんなことを思いながら待っていると、隣の席に「いい?」と言いながら、人が座った。
まだ返答してないんだけどと思いながら見ると、ベッドを運んでくれた人だ!
「昨日はありがとうございました」
私が言うと「覚えててくれたんだ」と言われる。
「はい、ベッドを運んでくれてたおふたりの……」
そうそう、部屋が狭いのではとかよろしくと言ってた人だ。
「ベッドはどうだった?」
「あ、よく寝られました」
その時、ハヤトが戻ってきて「早乙女中尉、何か?」と言った。
「なんだよ。一緒に昼食をと思ったんだよ」
ハヤトはため息をついて私に紹介してくれた。
「早乙女中尉、本部の総務の方にいる。
俺の先輩になる。宿舎の方の舎監もしてて、お世話になってる」
「早乙女です。
大岡より先輩なんですが、中尉です」
早乙女中尉はニッと笑う。
嫌な感じじゃない、別にそれに対して何か思ってるというわけじゃなさそうだ。
「早瀬アレクサンドリアです。医療士です。よろしくお願いします」
「早瀬中佐の娘さんだろ?
いい人が来てくれて、良かったよ。
ちゃんと同居の許可、出てたろ?
昨夜のうちに申請しといたから!」
「ありがとうございます。はい、朝、確認できました」
「感謝しとけよ!
で、いつ、結婚するんだ?」
え、結婚って!?
私はハヤトを見た。
「そのうち。まだ早瀬医療士がこの生活に慣れてないから、もう少ししたら」
結婚……、言われてないんだけどな。
まあ、言われてないですとごねるのも変か?
しかも、第3者の前で言うことはない、よね!?
宿舎のことなど話を聞きながら昼食を食べた。その時、早乙女中尉に言われた。
「早瀬ちゃん、気をつけた方がいいよ。
女性隊員憧れの大岡大尉殿を射止めて攫って行った志願の子って、話題になってるから」
「……大岡大尉はもてていた?」
「そりゃ、もててたよ。
ダンジョンで戦果を挙げ、高卒の一兵卒から特例で候補生になり、若くして大尉だもの。
ま、顔もそれなりにいいしな」
「それなりじゃなく、カッコイイです」
私の言葉に早乙女中尉がびっくりした顔をしてから笑った。
「ははっ、早瀬ちゃんって……、天然?」
「天然……、そう言われたことはないです、ね」
「そうだ。お嬢様だったから、あまり世間に慣れてないところがある。
それだけだ」
ハヤトがそう言った。
「確かに、早瀬製薬のお嬢様でもあるもんな。
そりゃ、失礼しました」
実際のところ、今の状況は、かなり違うんだけど。
食事を終えてから、カウンターの方へ行ってみると、私の貸与スマホと宿舎の合鍵が用意できていて、受け取った。
研究室に戻り、ハヤトを一番に登録した。
そして、部屋の鍵を渡される。
「まあ、一緒のことが多いけど、念のため」
「ありがとうございます」
部屋の鍵を見て思い出した。
社宅の管理人さん、元気かな?
読んで下さり、ありがとうございます。




