26 遺族年金の行方
どうぞよろしくお願いします。
リビングの小さめのテーブルにパスタとトマトとお茶が並んだ。
私にはちょうどいいけど、ハヤトには足りないかも!?
「「いただきます」」とふたりで食べ始める。
うん、適当に作ったにしては、いい味だ。
ちゃんと和風醤油になってる。バター入れても良かったかも。
そんなことを考えながらハヤトが食べるのを見守ってしまう。
「うん、おいしい」
「良かったー!」
お腹が空いてたのもあって、自分で食材を見てメニュー決めて作っちゃったけど、ハヤトも何か考えていたことがあったかも? と今更、気づきました……」
「いや、缶詰めをぶっかけるとか?
いつもはそんな感じで……。
これ野菜もたくさんで彩りもきれいだ」
「……明日はお肉買ってきましょう。
今日はタンパク質少なくてすみません」
「明日の昼は本部の食堂に行こう。
夜は、またふたりで何か作れたら」
「はい!」
私は幸せな気持ちで頷く。
ハヤトがぺろりとどんぶりのパスタを平らげた。
「……足りてなかったらパンでも」
「ああ、適当に食べるから気にしないで」
うう、3人前作れば良かったか!?
今度はそうしよう。
ハヤトがパンを一切れ取り出し、バターを塗って戻ってきた。
「あの……、聞いていいですか? 遺族年金ってどういうシステム?」
「ああ、えーと。リアの場合だと、中佐が亡くなって、まず見舞金のようなものが出ているはずだ。
その後、月に、成人前だと2万くらいじゃないかな?
リアが就職して……、でも給料が少なかった?」
「はい、最初は貰ってなかったし、社宅に移ってからも、家賃や光熱費は天引きされてるとかで、生活費と交通費でいっぱいいっぱいくらいな金額でしたから」
「年収の計算的にもらえるように調整していたのかもしれないな。
総務の係がまだ出てるみたいなことも言ってたし。
年収の調査があり、継続か停止か決まるはずだ」
「私はどちらも貰ってないということは……」
「その叔父さんが搾取していると見て間違いないな。
まあ、軍の総務が調査してくれればすぐ判明するよ」
「……ハヤトはもうもらっていない?」
「ああ、俺は志望して入団した時に、3ヶ月の猶予があったんだけど、どうせ母の所に行くからと停止した。弟には直接援助してた。3年後、弟が高校を卒業して上級学校に行く時、弟の分は弟の口座に振り込まれるように移して持たせた。
今、弟は政府の役人になって、もうそちらも停止したはずだ」
「じゃあ、お母さんだけ遺族年金を?」
「ああ、そういうことだ。
ひとり分になって困ったみたいで、母に泣きつかれたけど、その年金だって、本当はもうもらえないものなのに……。
叔父がいるんだから、大人ふたりで何とかすべきだ」
ずっと気にしていたことはきちんと対応して、もう解決してるんだな。
「わかりました。
本部の調査を待ちます。
で、私、新しく口座を作ってもらえたらカード作れる?」
「ふふっ、そんなに買い物行きたいの?」
「はい! 食器もう少し買い足しましょう。
それに、大きな鍋が欲しいです」
私もにっこり言った。
そういうことを考えるのはとても楽しい。
読んで下さり、ありがとうございます。




