19 取り戻した自分
どうぞよろしくお願いします。
バッサリ髪を切った。ギシギシしていた部分が少なくなり、自分の元の髪色に近い色に染め直ししてもらう。今まで自分で染めていたから、人にしてもらうのもなんだか不思議だけどワクワクした。
少し時間を置き、シャンプーとトリートメントしてもらう。
鏡を見て私はびっくりした。
うん、本当の私の髪色に近い。
「これなら伸びてきても違和感なさそうね」
美容師さんがにっこりした。
「ありがとうございます」
私は鏡の中の……、高校卒業の時の自分の面影に……、なんだか懐かしい気持ちと、自分を取り戻せたような気持ちと、涙がじわっとした。
美容師さんが私の髪を撫でた。
「綺麗な色よ。
どう整える?
もう少し切る?」
「ああ、はい、ではもう少し切って下さい」
美容師さんと相談しながら、顎のあたりで揃えてもらった。
「ああ、小さな子どもの頃、こんな髪型でした! 懐かしい!
ありがとうございます!」
それではっとした。
高校在学中に髪を伸ばすように言われ、卒業後、就職にあたって黒く染めるように言われたのは、美咲に似せるためだったのではないか!?
早瀬家のしきたりと言われていた。
女性は成人前まで髪を伸ばし、成人祝いでは髪を結って和服を着るからと。
私は来年だ。でも、今はもう、それは口実だったのだとわかる。
そのまま、新しい髪での写真を撮ってもらい本部に申請してもらう。
その時、ハヤトが戻ってきて、私を見て驚いた顔をした。
あ、長い髪の方がタイプだったとか!?
「……どうでしょうか?」
私はおずおずと聞いた。
「本当の髪色に戻ったんだね。
髪の色も瞳の色も綺麗だ」
「……ありがとうございます」
例え、本音でなくてもうれしい。
ハヤトは美容師に差し出された伝票に何やらサインして、身分証を渡してなにやら『ぴっ!』としてもらった。
あ!? 代金!!
「代金!? どうやってお払いすれば!?
現金なら、あ、カバンか……。後で持ってきます!」
私の必死な表情に美容師さんが笑った。
「大丈夫。本部が持ってくれるから。
ふふ、すごいお嬢様なの!?
現金って……」
職場だから、いいのか?
うーん、お嬢様ではなく、世間知らずなんです……。私は申し訳なくなって謝った。
「すみません。
高校を卒業してからひとり暮らしをしていて、使っていたのは現金をチャージして使う交通系定期カードばかりで……」
「こちらこそ、ごめんなさい! 変な言い方しちゃったわ……」
わあ、謝らせちゃった!
私の申し訳なさそうな表情に微笑みかけてくれる。
「私、火、木の担当なの。
また髪を切る時には来てね!」
「その時はよろしくお願いします!」
ほっとしながら言う。うん、次回はちゃんとどういうお金の流れになっているのか確認してから来よう。
「早瀬医療士、職場へ案内する」
ハヤトに言われ、美容師さんから預けていた封筒を受け取り、後を追って行く。
同じ建物の上階、端っこまで行くと大きめのドアがあって。
「ここが研究室です。早瀬中佐から私が引き継ぎました」
ハヤトがドアを開けてくれた。
読んで下さり、ありがとうございます。
ポケモンチャンピオンズ、シングルバトルでマスター帯に突入しました!
マスター帯になると世界の順位が出るのですね。
浮いてるポケモンに『じしん』をうって、「あれ、効果ない?」「バカ! 何やってんだよ!」と息子に怒られてた私がここまで来れるとは!




