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45 守るべき人達

どうぞよろしくお願いします。

「何をした!!」

 シリウスが私とジェシーに怒鳴る。


「モーゼとタニアは地球に行きました。 

 向こうのロイとアメンと一緒に、王家の、私達の味方として動いてくれるでしょう」

 私の言葉にシリウスが笑う。

「向こうで死ぬ」

「死にませんよ。

 足輪に細工しました。

 すぐには発動しない」

 正確には物理的に突起が弾けないように押さえてる、だけど、そんなことまで言わなくていいだろう。


「……だが、これで、お前達は逆召喚の術を失った!」

「いいえ!!」


 私は高く明るい声で言った。

「ジェシーと私だけでも逆召喚は可能です!

 見てたでしょう!

 モーゼをタニアを送ったのは私とジェシーです!

 こうなったら、王家主導で民の地球への転移を進めさせてもらいます!

 そこをどきなさい!!」

 最後だけ厳しい口調で言った。

 ジェシーを守らなくてはならない。


 シリウスはふたりの神官と動揺した表情になり顔を見合わせる。

 その隙にミースと原さん、それに騎士の2人が入って来て、私とジェシーを守るように立つ。


「お前ら……」

 シリウスが歯噛みしながら言う。

 その時、たくさんの足音と「「モーゼ様!!」」「「大丈夫ですか!!」」と大勢の声がした。

 大勢の民が玄関の前に集まり、数人が中へ入ってきた。

 神官2人は慌てて家の外に逃げ出し、シリウスは「モーゼは! モーゼは!」と何か言おうとした。


「モーゼは!

 皆を救おうとしたモーゼは、神官に処刑された!」

 ジェシーの大きな声が部屋の中に響いた。

 部屋の外まで聞こえる素晴らしい声だった。

 ぎょっとするシリウス。

「な、なにを!?」

「処刑されたモーゼを死より救うべく、私とここにいる聖女アレクが、聖女の故郷へ、タニアとモーゼを送ったのだ!

 神官は王家を騙し、民を救う気などなかったのだ!!」


 高らかによどみなく、自信に満ちたジェシーの声。

 それは新たな王の言葉だった。


「……で、でたらめを、言うな!」

 シリウスの狼狽して絞り出したような言葉。

 どちらが真実だと周囲は思うだろう。


「ジェシー様とアレク聖女を王城に!!」


 騎士のひとりが叫んで。「「「おおおっー!!」」」と民が答えてくれた。

 シリウスは部屋の隅に逃げ込み、私達は大勢の民と一緒にモーゼの家を出た。原さんとミースがそばにぴったりとついていてくれる。


「大丈夫ですか!?」

 原さんとミースが私を守るように両側に立ってくれている。

「うん、大丈夫。ありがとう」

 

 ジェシーも騎士に守られながら、皆に声を掛けられ、応えながら進んでいく。

 原さんがその姿を見て言った。

「タニアとモーゼ、守るべき二人が安全な地へ行ったことで、自由に振舞えるようになったのでしょう」

 あ、そういうこと!

 急に変わったからさ。なんでかと思ったよ。そうか、そういうことか!

読んで下さり、ありがとうございます。

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