43 腹ごしらえ
どうぞよろしくお願いします。
私は多めにというか、ほぼ残っている食材を使ってスープを作った。
どっちにしろ、今日、ここを出ることになる。
訪ねてきた人にもしっかり食べて行ってもらいたい。
モーゼとスープとパンを食べていると原さんとジェシー達が来てくれた。
タニアとミース、それに騎士が2人。
ジェシー達は向こうで軽く食べて来たそうで、昨夜のシリウス神官の話を伝え、これからのことを話し合うことにした。
とりあえず、神官達が迎えに来る前に転移を希望して訪ねて来る者達がいれば、受け入れることにして、騎士2人に家の外で見張りと受け入れをしてもらうことにする。
タニアは私の手を取り言った。
「リーリラのこと……。そんなことがあったなんて……」
私は一度だけ微笑んで、静かに言った。
「ジュドーと引き離されて、どんなに絶望したかと……。
でも、母はジュドーの後を追ってきたことに後悔はなかったと思います。
一緒に生きるという願いは叶えられなかったけれど。
それぞれ、生きて、子孫を残したのだから……。
決して、愚かとか、哀れとか言われるようなことじゃない……!」
タニアとジェシーと原さんが頷いてくれる。
「……シリウスはリーリラを思っていたのか?」
ジェシーが言って、私を見た。
「アレク、気をつけてくれ。
リーリラを得ようとして失ったのなら、その娘を、と考えるかもしれない」
「リーリラを思っていたとしても、やったことはひどすぎる。
あのように見下して、バカにしていた人に!!
もう、何もさせません」
私は静かに怒りを込めて言った。
それでもジェシーは心配そうだ。
「十分気をつけてくれ。
もう後がないとなったら、もともと力があり、崇められていた者ほど何をしでかすかわからない」
ジェシーの言葉に私はモーゼを見た。
こちらの戦力というか、一番、力があり、神官に対抗できる力を持っているのもモーゼだ。
私は万一のために作っていた木の板と包帯を取り出した。
「念のため、モーゼの足輪に細工しておいていい?」
木の板は元々スプーンの柄だ。
見た時にちょうど同じくらいの太さだと思ったんだよね。
既に丸みが付けられてるし、細いし。
柄を切ってパーツにし、少しだけ整えて、足輪の中に嵌めて行くと、おおピッタリ!!
食器の木で固めで詰まっている木材だし、木なのですぐ調整できてすぐに組み合わせて一周丸く嵌められた。
さらに包帯でぐるぐる巻いて押さえて行く。
包帯は伸縮しないタイプを選んだから大丈夫。
「神官に何か言われたら、擦れて傷になるから布で巻いたと言いましょう」
その時、近隣の村から人々が降りて来ていると騎士が知らせてくれた。
私とモーゼとタニアとジェシーは転移の準備に入り、騎士と原さんとミースが、集まってくる家族にスープを振舞ったりと対応をしてくれることになる。
読んで下さり、ありがとうございます。




