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38 リーリラの謎

どうぞよろしくお願いします。

 モーゼの家に到着すると、タニアとジェシーは王城へ帰ることになった。

 城のみんなにも伝えてもらわないといけないし、ドクや侍女達へ伝えることや薬を用意する必要もあるしね。

 魔法陣は使わず歩いて帰ると言う。確かに、モーゼの家に来る時に神官に会ってしまっているから、帰る姿がないのは変か。


「魔物は大丈夫なの?」

 私は心配になり言った。

 神殿、王城のあたりに人が多いってのも魔物が出やすい原因なんじゃないのかと思う。

 その周辺を歩いて移動するのは、かなり危険だよね。

「大丈夫だ。タニアと私だけなら、抜け道もよく知っているし、魔法も使えるから。

 逃げ切ることはできるよ」

 ジェシーの言葉にタニアも頷く。

「気をつけて!!」

 私と原さんは姿が見えなくなるくらいまで玄関からふたりの姿を見送った。

 見張りの人も心配そうな表情をしている。

 そういえば、この人の家族は?

「ご家族は王城に?」

「いえ……、神殿の方に」

「神官のそばにいるなら安心ですね」

 私はなんとなくそう言った。

 だって、これまでの感じでは、魔物が暴れてると『神官が来るまで持ちこたえろ!!』的な話を聞いていたから、強いんだよね、きっと。


「家族を連れてきたら……。

 私達も地球という安全な地へ送って頂けるのでしょうか?」

「はい、希望された方はと考えています」

 そう、全員は難しいだろう。

 希望してくれている人はすぐにでも。

「わかりました。その時は……、お願いします」




 その日の夜、私はタニアと泊まっていた部屋にひとりで寝ていたのだけれど、起こされた。

「原さん?」

「神官が様子を見にやって来たようです」

「モーゼの所に!」

「はい!」

 部屋を出て玄関を見ると見張りがこちらをちらりと見た。緊張している。

 見張りと神官が3人、そこにいた。

 私と原さんはモーゼの部屋に入ろうとして「待ちなさい」と声で止められた。

 振り向くと前に私のことを『リーリラ』と言った神官だ。


「アレクといったか?

 タニア様の侍女だと」

 私は頷いた。

「君は……、どの家の出身か?」

 う?

 そんなのわかんないよ。

「私は……、自分の出自を知りません」

「……隠されて育てられた?

 リーリラは双子だったのか?」

 そこではっとした。

 そうか、リーリラは、母はこちらでは地球へ行ってまだ7年ほどしか経っていない。

 こちらでその時のリーリラを知っている人に会えば、私が成長したリーリラのように思えるのかも。でも、この神官はリーリラが地球に送られてたことを知っているから……。

 もうひとりリーリラに似た王家の少女がいたのではと思ったわけか。


「王家の者、なのだろう?」

 私はその神官をじっと見た。

「私にはわかりません」

「……リーリラなのか?」

「違います」

 そう強く言って私はモーゼの部屋に入った。原さんも一緒だ。

 モーゼは椅子に座っていた。私と神官とのやり取りを聞いていたのだろう。厳しい顔をしている。

「アレク、ハラさん、こちらに」

 そう呼びかけられ、モーゼのそばに立って、追いかけてくるように入室してきた神官達と向かい合う。


「シリウス、話がしたい」

 モーゼがその神官に話し掛けた。

読んで下さり、ありがとうございます。

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