34 足輪
どうぞよろしくお願いします。
モーゼは鎖を見て……。
「ああ、この鎖は外すと死ぬようにできている」
「えっ? それはどうやって? 魔法?」
モーゼが鎖の先を指差す。壁に大きな金属の板が止められていて、そこから鎖が伸び、モーゼの足の輪につながっている。
「あの板とこの輪に魔法が掛けられていてる。
この鎖が切れたりすれば、即座にこの輪の内側から鋭い突起が飛び出し……。
毒が仕込まれている」
んー。
「つまり、輪の方を先に外すか、突起を出さないようにする必要があると……」
私はじっと足輪を見てから「触ってもいいですか?」と許可を願い出た。
「どうぞ」
面白そうな表情で許可してくれるモーゼ。
ピッタリではないんだよね。
だから、擦れてしまって傷がついた部分は治療して布を巻いて保護することはできてる。
下へ抜こうとしても踵が邪魔して抜けないサイズ感。
「実際、足を切り落として逃げようとした者もいるそうだが……」
モーゼのその言葉に輪の内側に指を入れて触ってみる。
ああ、なるほど。
三角のギザギザの切れ目みたいな感触がある。
「気をつけなさい」
モーゼが心配してくれる。
私は頷いて気をつけて内側から一周確認する。
ぐるっとあるな。
これが鎖が切れたと認識するとジャキンと刃のように立つのかな?
「……金属の板を差し入れて突起を立たせなくするか?
板じゃなくて糸……、針金とかでぐるぐる巻きにする?
板の方が外す時に足に傷つけずに作業しやすいかな?」
私がぶつぶつ呟いていると上の方からモーゼの笑い声が聞こえて顔を上げた。
「面白い考えだな。
魔法がない世界だと、そのように考えるのか!?
考えたことがなかったな!」
「え?」
私は少し驚いた。
「足切り落とすなんて嫌じゃないですか!
あ、治癒魔法ができるなら、切って、その後治療でつなぐ……。
いやいや、それは無理!
痛いのは絶対に無理!」
私は足を切り落とすなんてできっこない。
治ると言われてもとんでもなく怖いし痛そうだしできないや、と震えた。
「いざとなれば、それが最終手段だな」
モーゼが静かに言って。
「いやいや、その前に何とかするよ!
この鎖自体は……、大きな斧とかで舌に金床を置いて叩けば切れそうでですよね」
この足輪の中にセットする鉄の輪……、あ、無理だ。
足先から入らないもん。
板状にしたら鉄じゃ曲がらないし。
……小さいパーツを入れ込んでぐるっと丸になるようにかな?
読んで下さり、ありがとうございます。




