28 想定外
どうぞよろしくお願いします。
リーリラの部屋でおとなしくベッドの上にいる。
マリアとマリアのお母さんが一緒だ。
誰かそばについていられる女性がいた方がいいという話になっちゃって。
なら、マリアのお母さんのシーラとマリアを一緒に私付きの侍女にということになった。
シーラの夫、マリアの父であるジョシュアは大工さんで、オーラはもう見習いを始める時期だったそう。
なので、当分は男ふたりでもなんとかなると許してくれた。
ジョシュアは原さんに、シーラとマリアだけでも城にいれば安心だということも話していたそう。
まあ、同じ王城内だから、すぐ家に帰ることもできるしね。
「アレク様、大丈夫ですよ。
子ができたことに気づかないでいろいろ身体を動かしてしまった後から、気がついて驚いたり心配したりなんて、よくあることです」
シーラはそう言って微笑んで、お腹に巻く布とかいろいろ用意してくれた。
腹巻みたいのね。それから足も冷やさないようにと足先のない靴下みたいなのを履かされた。
シーラとマリアも怖い目に合って、体力限界まで走って逃げて……。
少しでも安全な場所に来たと思ってもらえたらいいな。
ああ、全然治療手伝えなかった。
オーガはあの後すぐやっつけられたそうだけど。
王庭の家々はもう悲惨なことになっちゃった……よね。
追われる私を守ろうと攻撃してくれてた人達を思い出す。
吹っ飛ばされてた騎士、大丈夫だったかな……。
「少しお休みになって下さい」
「シーラとマリアも休んで!
怖い思いをしたんだから」
「はい、休ませていただきます。
隣にいますので、何かありましたらすぐ呼んで下さいね」
「アレク、さま、後でね!」
マリアもそう言って、シーラと一緒にドアから出て行く。
私は微笑んで見送った。
アレクだったのが、アレク、さま、だって。
アレクでいいのに。
まあ、私の侍女だから、そういうわけにはいかないのか!?
さて、想定外だ。
ベッドに横になり、天井を睨みながら、そっとお腹の上に手を乗せた。
いや、ハヤトとの子どもは欲しかったけど、今か……。
でも、私の魔法の力が強くなったのはこの子のおかげでもある……。
あっちではそろそろ当番月が終わってしまう。
すぐに連絡を入れたいが、ひとりでは少し怖い。
向こうに引っ張られた感覚を思い出し、震えた。
何とかモーゼの所へ行き、連絡を取り、何人か逆召喚して保護してもらえないだろうか?
ドアがノックされ、返事をする前にドアが開き王妃と年配の侍女が入ってきた。
……まあノックしてくれただけ、いいか。
「アレクサンドリア、懐妊していたのですって!?」
王妃がベッドの方へ歩いてきながら言って。
私が上半身を起こそうとすると慌てたように『そのまま』みたいに手を上下にパタパタ動かした。
私が動きを止めると年配の侍女がそばへ来て背中の方に枕を寄せたり、クッションを持ってきたりして、なんかいい感じに寄りかかれるようにしてくれた。
そして、ベッドの横に椅子を運んできた。
王妃はその椅子に座り、私の手を取った。
読んで下さり、ありがとうございます。
※オーク→オーガに訂正済み。




