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25 青鬼

どうぞよろしくお願いします。

「城ならば、そのまま中門へ移動し、アレクさんの荷物も置いてありますしね。

 そのまま、治療に入れるでしょう」

 原さんが言うと、ドクが「私は一度奥へ行き、準備を整えて追いかける」と力強く言った。

 

 魔法陣に三人で手を繋いで立つ。

「タニア、力を貸してくれ」

 モーゼの言葉にタニアがモーゼと手を握り合い「御無事で! よろしくお願いします!」と言った。


 風が吹いてきた。

 地球のアラスカダンジョンから送られた時もそうだったな。

 そんなことを考えていたら、あたりが明るくなり、思わず目をつぶる。

 足が硬い石の床を感じて目を開けると、城の中の……祭壇というところ?

 神殿に似ているけど、祈りを捧げる場所という感じだな。部屋としては礼拝所とも言うらしい。

 ドクが案内してくれて執務室前まで来れば、もうわかる。

 私と原さんはそのまま中門へ向かう。

 ドクは執務室に声を掛けて、奥へ向かい薬などを持って来てくれるそうだ。

 

 中門の城側の戸の前には騎士がたくさん待機していて。

「開けて下さい! 治療のために通して!」

 顔見知りになっていた騎士達が迷ったような顔をしながら、一時的に開けてくれた。

「後からドクが駆け付けてくれるから!」

 そう言い置いて戸を閉めてもらう。

 中門の中に入り、端っこの部屋を目指す。

 子ども達を中心に大人達も避難してきていて、建物の中はかなりごちゃごちゃしている。

 私は端っこの部屋から置いてあったリュックとシーツを1枚調達して行こうとすると、マインが来た。

「私も御一緒に!」

「ううん、子ども達のそばにいてあげて!」

 私がそう言うとマインの後ろにいたミネバが叫んだ。

「マリアとオーラがまだ来てないの!!」

「わかった! 捜す!」

 私はリュックとシーツをマインに預けた。

「怪我人が運ばれてきたらこれを使って! 

 ドクが後から来てくれるから! 指示に従って!」

 防衛隊の防具上衣と武器を持った原さんが来てくれ、私はナイフだけ持って一緒に建物から外に出ながら話しかける。

「原さん!

 マリアとオーラがまだ避難して来てないって!」

「了解です。捜しながら、現状偵察ですね!」

 

 王庭を見回すと騎士や兵が走っているが、民や子どもの姿はなく……。

 どこかに隠れているのかも?

 とりあえず、正門の方へ行く。

 オーガとか言っていたっけ?

 なんか巨人の妖怪みたいな?

 正門の大きな扉が壊れかけていて、向こうに異形の大きな人型の魔物が見えた。

 肌が青く、角がある。

「鬼!?」

「地球のダンジョンにも似た魔物がいました。

 緑色だったが……。

 同じ種類のようです。オーガですね」

 原さんが冷静に言って。

「弱点は?」

「オーガはあまりないんですよ。

 強いて言えば炎が通り良かったはずです。

 力が強いので腕の間合いに入ったら吹っ飛ばされますよ」


 騎士達も弓とか魔法とかで遠隔攻撃をして距離を保ちつつ攻撃しているようだ。

 でも、押され気味で、門を破られるのは時間の問題か!?

 まだ怪我人はそれほど出ていなそう。

 私と原さんは「マリア! オーラ!」「逃げ遅れた人はいないか! オーラ! 返事をしろ!」と叫びながら、ふたりの家を目指した。

 家に入ると、お母さんがいて震えている。

「早く避難して下さい!」

「オーラ達が戻ってなくて!

 待っているんです!」

「ふたりはどこへ?」

「正門の方へ様子を見に行くと!」

「私達、正門の方から来たのですが、会いませんでした。

 どこか建物に隠れてるとか!?」

 お母さんははっとした。

「ハミル婆の所かも!?」

 

読んで下さり、ありがとうございます。

※オーク→オーガに訂正済み。

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