24 召喚魔法の続き
どうぞよろしくお願いします。
タニアがちらっと私を見た。
申し訳なさそうな……。
「いや、ジェシーは後継ぎでもあるしね。
ロイも、何かあれば……。
なんとなく、わかるよ。
そっか、じゃあ王家としては……。
王家としても犠牲を払うところを神官に対しても、親戚や民に対しても示さねばならなかったというというところか……。
王妃はリーリラを嫌いだったわけじゃなく……」
「それはありません」
ドクが言った。
「王妃は……、普通の女性です。
でも、王があの通りですからね」
「王が?
頼りないってこと?」
はっきり言ってしまった私にドクが笑った。
「まあ、端的に言ってしまえばそうですね。
王はその……、優しい方で。
非情な判断ができない方でした。
それで王妃が、判断して指示したところがあります」
「自分達を、王家を守ることが大切?」
「そうですね。
王が、王家が倒れる時、それはこの世界が無法地帯と化す、ということでしょう」
「神官と王家で、何とか国としての秩序を保っていると?」
「まあ、今は神官達の方が強いですが。
そうでしょうな。神官達もそこはよくわかっていて、王家を利用しているのでしょう。
こんな話、モーゼ様には耳が痛いでしょうが……」
モーゼは苦笑した。
「ああ、痛いね。
神官も王家もお互いを利用していて……。
さらに地球をも利用している。
こんな……、本当にあの最初の時、私は神官になったばかりだったが……。
あの時の国の決断が……。
地球には大変申し訳なく……」
私はモーゼに困ったように笑いかけた。
「……でも、そうなっていたら、私も、夫のハヤトもこの世には生まれていないってことになりますし。
私の意見が地球の考えってことにはなりませんが……」
ドクが頷いて「もう戻れないところまで来てしまっているのですね……」と呟いた。
私は雰囲気を変えようと明るく言った。
「モーゼ!
召喚魔法の続きを教えて下さい。
魔法陣から魔法陣への召喚、逆召喚するのが一番安全ですか?
地球のダンジョン内の魔法陣が使えるかもって言っていたけど……」
その時、見張りが息を切らした女性を連れて飛びこんできた。
「ミース! どうしたの!?」
あ、タニアの侍女だ。
「ドク! お戻りに!
また、魔物がっ!」
私と原さんも立ち上がり、ドクと一緒に慌てて外へ行こうとするとモーゼに止められる。
モーゼはミースに質問した。
「城のどこに魔物が?」
「正門前です! 門を破り、王庭に入ってこようと!
あの、カブラではなく、オーガです!」
「オーガ!?」
ドクが呻いた。
ミースが続ける。
「1頭だけなのですが!
城は行政の門を閉ざしました。
その……、私は何とか城に入れてもらい、ジェシー様の命で裏門からこちらに知らせに!
王庭に押し入られたら、民や、子ども達が!」
モーゼは頷き、床に敷いてある大きめの敷物に手をかけ、持ち上げて巻き始めた。
床には魔法陣が描かれていた。
「2日間で完成させられたよ。
王城の祭壇はわかるな、ドク?」
ドクが頷く。
「そこにも送ることができる。
ドク、ハラさん、それにアレクも行ってくれるか?」
私は頷いた。
もちろんドクも原さんも。
読んで下さり、ありがとうございます。
※オーク→オーガに訂正済み。




