20 安全な場所
どうぞよろしくお願いします。
小さい声で言ってくれてるということは、ばれるとまずいとわかってくれてるということかな?
「えっと……、ジェシー、王子に聞いて下さい。
私は王子とタニア様に仕えていますので」
そう伝えると、リュックの中を確認して、背負おうとした私を見て原さんが走って来てリュックを持ってくれた。
「アレクさん、すみません。
大丈夫でしたか?」
「はい、大丈夫です。
原さん、カブラの弱点は?」
「水魔法を使うようですよ」
「なら、電撃がよく効くかも?」
「そうですね。
今回は群れで来たから被害が大きかったと話していますね。
しかし、そこまで強力な魔物ではないそうです」
「地球の魔物とは違うね。
この国の魔物のイメージなんだろか?」
私は少し笑った。
ドクはもうジェシーの方へ行っていた。
それを原さんは訝しげに見ている。
「……ひょっとして、治療魔法を使いましたか?」
うーん、私は曖昧な笑顔を作った。
「えーと、どうだったかなぁ……」
「……使ったんですね。
道理で重傷者が少ないとは思ったんです……」
「でも、小さな声でこっそり確認してくれたし、大丈夫そう、ですよ!?」
ライナスも来てくれて、私達はあの門の建物に向かった。
門の建物に入ると、子ども達が安心しきった表情で過していた。
あの掘立小屋や板の影とかじゃ、安心して休めないよね。
私は門の建物を管理しているという文官に掛け合って、一番端の隅の大きな部屋をこのような場合に使わせてもらえるようにお願いした。
もともと使ってなかったそうだし。
ライナスが口添えしてくれて、このまま二つの部屋を使っていいと言ってくれた。
置いてある家具は使っていいし、毛布も分けてもらえるという。
とりあえずひとつの部屋を急いで掃除して子どもが休める場所にする。もうひとつは予備ということで。またいつ避難しなきゃなことが起こることもあるだろうしね。
すぐ前の庭で火を焚いてもいいと許可をもらったので、そこで焚火をして、炊き出しのようなことを……。
鍋は城の厨房の人が古いのをくれて、野菜やお肉を分けてくれたので、原さんと一緒にスープを作った。ライナスがパンを貰ってきてくれて、子ども達に配ることができた。
親が迎えに来た子もいるが、この騒ぎで家が壊れて寝る場所が……なんて困っている親もいて、今晩は子どもを預かるから、どうするか決まったら迎えに来るように伝える。
もし家が直らなくても、明日の昼には子ども達にきちんと会いに来ることを約束してもらう。
と、私はここにいなきゃいけなくなった……。
原さんが苦笑している。
ライナスが毛布と布団を何組か持って来てくれて、私は六人の子ども(4世帯の子を預かることになった)と一緒に寝ることになった。
原さんも一緒にいてくれるという。
ライナスは一度ジェシーに話をしてくると言って戻って行った。
食事を食べ終えて、片づけをしているとジェシーが来て、門の建物の中のお風呂を使わせてくれるという。
私は子ども達の着替えの服を頼んだ。
男の子の服はありそうだということだったので、私は一度城に戻り、侍女に手伝ってもらってリーリラの小さな時の服を何着か引っ張り出し、私が着られそうな服も一着持ち出した。
読んで下さり、ありがとうございます。




