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17 準備

どうぞよろしくお願いします。

「魔物!?

 あ、ダンジョン外でもいるんだっけ!?」

 私は叫んでしまった。

「ジェシー、城へ戻るのね!」

 タニアが言って慌てて身仕度を始めるが、ジェシーがそれを止めた

「タニア、君はこのままここに」

「えっ! でも!」

「ここにいれば安全だ。

 そうですね、モーゼ」

 モーゼは頷いた。

「ああ、この家ぐらいは守れるよ。今の私の力でも」

「モーゼとここを守ってくれ。

 ここはこれから先の未来を守るための家なのだから」

「……ジェシー!! 御無事で!」


 原さんも行くのか?

「原さんは?」

「ジェシーと一緒に行きます。

 ダンジョン外に溢れた魔物などなかなか見られませんからね」

「でも、だいぶ危険そうな……。

 私も行くよ」

「アレクさん!?」

「だって、私は医療士だもの。

 後方で治療することはできる」

「……でもここの方に我々の薬は効きにくいのですよ!?」

「あ、そうか、じゃあこちらの薬を使うまで!

 包帯とかそういうものは使えるでしょ?

 それにいざとなったら、治療魔法ができる。

 ジェシー、一度城に戻るでしょう?

 私の荷物、怪我の治療のための物がたくさん入っているの。

 お手伝いします!」

「アレクさん!」

 原さんが少し怒ったように言う。

「ごめん、原さん。

 ここは私の母の国でもあるの。

 それに、いまどういう状況なのか、知りたい」

「……わかりました。

 私から離れないで下さいね」 


 ジェシー、原さん、私と城から知らせに来た従者と一緒に城に向かう。従者は見張りに知らせてから近隣の家に警告を伝えて来てくれたらしく、ちょうど戻ってきたのだ。

 見張りはそのまま家の方に入ることになった。

「君も家の中にいる方がいい」とジェシーが見張りに声を掛けるとモーゼも「そうしなさい」と言ってくれたのだ。タニアとモーゼを守ると約束してくれた。見張りより、こっちのふたりの方が強そうだけどね。


 城に近づくにつれて、なんだか慌ただしく人が行き交っていて、中に入ると子どもや老人達は王庭の急造の家の中に避難しているようだ。

 魔物が出てのは城の裏手らしい。城の門や塀の中に魔物が侵入したら、こんな掘立小屋のような家では防ぎきれないだろう。

「あの真ん中の門の建物とか、城の方とかに避難させることはできないの?」

 私の言葉にジェシーは首を振る。

「母上が許さないだろう」

 母上? あ、王妃か!

「そんなこと言ってる場合!?」

 私の呆れたような表情にジェシーがぐっと詰まるような苦しそうな顔をする。

「せめて、あの、間の門の建物に!」

 私の言葉にジェシーは頷き、周囲に集まっていた兵達に「もし、魔物が侵入した時に防げないと思われる家にいる者は行政の門に避難させるように!」と命令してくれた。

 5人ほどが壊れそうな小屋や板を立てかけた壁だけのスペースに隠れていた子ども達や家族を保護して避難を始めた。

 

 私達はそのまま城に入り、ジェシーは王の間に、私はリーリラの部屋に行き、医療士のリュックを開けて、使えないと思われる薬は取り出して、そのかわりにシーツを一枚詰めると、背負おうとした。

「私が!」

 原さんが武器を手にすぐ合流してくれて、背負ってくれて、少しほっとした。

 原さんが王の間に連れてってくれた。

読んで下さり、ありがとうございます。

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