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16 ハヤトの手紙

どうぞよろしくお願いします。

 リア

 手紙ありがとう。

 リアが元気にやっているとわかって、俺は心底ほっとした。

 ロイからそちらのことは聞いている。王家に匿われたと聞いて、ロイも俺も安心した。

 原さんが一緒だから、大丈夫だとは思うが……。

 それでも心配だ。俺もそっちへ行きたいが、リアが書いてくれたようにこちらのことを頑張るよ。

 時間の流れが違うことを教えてくれてありがとう。ロイもなんとなく思っていたそうだが、はっきりとは確定できなかったと言っていた。早く何とかしないと、ますますリアとの歳の差が開いてしまうな……。それが今は一番心配で、でも会える時が楽しみだ。


 さて、こちらの状況を。

 今回のことで研究チームの方にロイが参加して動きだした。

 リアが書いていたそちらの世界が地球に移民を行うために、自分達が生きていく環境に地球を変える目的でダンジョンを送りこんで『植え付けた』ということ。

 確かに発表のタイミングと方法を誤ると世界を二分するような事態になるだろう。

 研究チームの方には早乙女夫妻も参加してくれていて、そういう対応をしてくれるそうだ。

 ロイが研究者達には正直に話している。

 それもあってか、チームの中では前向きに考えている者も多い。

 もう元には戻せないことだから、と。

 でも、巻き込まれた人達、特にインドやギリシャ

の人々、ダンジョンで戦死した者の家族はそうかんたんには許せないだろうな。

 それにそちらの人間の血を引く者も増えていることもある。彼らを守るためにもそのことは慎重に進めるつもりだ。


 リアが手紙を送るのに無理していないといいのだが……。

 どうか身体に気をつけて。

 愛している。

 リアならば、生きて、生きていてくれると信じているのに、不安でたまらなくなる時がある。

 会いたい。会いたくてたまらない。この手で抱きしめる、その時まで。待っている。


 大岡隼人




 私は便箋を抱きしめる。

 私だって会いたいよ。


 そうか、ハヤトは父からダンジョンで戦死した遺族で、こちらの世界の血を引く者でもある……。


「連絡がついて良かったです」

 原さんが言って。

「原さんの方には?」

「アレクさんを守れと。

 後、神官から接触があったそうです」

「え?」

 そんなこと書いてなかったけど!?

 私がびっくりした顔をしたからか、原さんが笑った。

「向こうにいる神官の中にも、地球に対して、地球人を騙すような行為を疑問に思う者がいるようですよ」

「……モーゼの考え方に共鳴している人がいるってこと?」

 ジェシーが話に入ってきた。

「ロイの手紙でも、アメンという名の神官がフランスとやらの防衛隊? を通じて連絡を取ろうとしてきたそうだ」

「……それって、DEとかピエールとかのこと?

 そういえばあの爆発事件の犯人とか……、美咲ってどうなったの?」

 原さんが首を傾げる。

「さあ、そこらへんは特に書かれていないので……」

 ジェシーも首を傾げる。

「ピエール? ミサキ?」

 ああ、説明が難しいな。

 その時、家の見張りが家の中に入ってきた。

「王城からの使者が!

 城のすぐ近くで魔物が出たそうです!」


読んで下さり、ありがとうございます。

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