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13 取り寄せ魔法

どうぞよろしくお願いします。

 イメージが大切ってことから、まず見たことのある場所から物を取り寄せるということにチャレンジした。

 私とタニアはモーゼの部屋にいて、自分達の部屋(隣室)から、物を取り寄せる。

 まずタニアが挑戦。

 目をつぶって首を傾げていたが、表情が明るくなり、両手で何か掬うような形を作ったと思うと、その手のひらの上に木のカップが出現した。

 成功!!

「すごい! タニア!」

 タニアは目を開け、うれしそうにカップを見た。


 私はモーゼに言った。

「魔法陣とかは?」

「ああ、アレクは魔法陣でこちらに来たんだな。

 あれは、もっと高度な技術の話だ」

 うーん、これが基礎、基本ってことか。

「はい!」

 私は返事をして、目を閉じた。

 向こうの部屋を思い浮かべる。

 すると、何かもう一枚の画像が重なったような感覚がして、カチリと焦点があったというか、映像がきれいになったような感じがした。

 そして、机の上の本が見える。

 この本にしよう。

 はて?

 さっきタニアは両手のひらを受けるように差し出した。

 そうすると、どうやって掴むんだ?

 少し悩んだけど、私はその見えている画像の中に手を差し入れ、両手で掬うようにした。

 机や他の物は感触がないのに、本だけふわっと感覚があってから、ずしっと重さを感じた。

「アレク、成功よ!」

 目を開けると手のひらの上に本がある!

「やった!!」


 私とタニアはそれぞれ感じたことを話してみた。

 やはりイメージした画像にもうひとつよく似た画像が重なった感覚がしたそうだ。

 モーゼが頷く。

「そんなイメージだ。イメージしたことに現実の場を捉えることができる。

 同じように召喚、逆召喚にはイメージでその地を視るというか、そういう事象が術者の頭の中で起きている。

 アレクは地球のことを知っているから、向こうの世界からの取り寄せもできるかもしれないな。

 魔法陣は、知らない場所から安全に決められた場所に召喚するためにという高等技術だ」

 なるほど。

 人を移動させるような魔法の時にはそれだけ安全な方法を使うというわけですね。

 でも、地球の物を取り寄せできるとはすごいな。 

 逆にこちらの物も送れるのかな?

「もしかしたら、地球を知っている私なら、地球から物を取り寄せたり、送ったりできる?」

「できるかもしれない」

 モーゼの言葉にやる気が湧いてくる。


 その時、原さんとジェシーが訪ねて来て、私達の魔法を見てくれる。

 今度は取り寄せた物を、再び隣室に戻すことをしてみる。


 さっきの取り寄せで頭が慣れたのか、スムーズにできた。

 タニアもね。


「地球に手紙を送れるのでは?

 それなら、ひとりでできるかも!?」

 モーゼが「試す価値はあるな」と言ってくれた。

 私と原さんはハヤトに、ジェシーはロイに手紙を書いてもらった。

 一応ダンジョン内なら大丈夫と思うけど……。


「そういえば、時間や時代の揺れって?」

 モーゼに聞くと、それはイメージする術者の力量や思いが反映されることがあると言われる。

 なるほど、つまり過去を思えば過去に。未来を思えば未来に。特に地球の方が早く進んでいるから。

 それにこちらの神官は、基本的に地球に行ったことがないはず。行き来している人もいるのかな?

 今までの召喚の時は地球の場所をうまくイメージできなくてなんとなくゆらゆらとその時に繋がった時代から少女が選ばれるというか当たっちゃったというか。

 術者が思い浮かべた地球のイメージってものにも左右されてたんだろうな。

読んで下さり、ありがとうございます。

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