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6 母の部屋

どうぞよろしくお願いします。

 城が見えてきた。

 なんだか素朴な感じだ。

 んー、なんとなく、古代から中世くらいの感じだろうか?

 確か天災が続いて、力が衰え、それで魔物を抑えられなくなり、人が住める場所がなくなってきているとロイが話していた。

 さっきの水に沈む街を思い出す。

 あの状態では、無理だよね。

 みんな、この高台に逃げて来ているのだろうか?


 大きな城門を通った途端にびっくりする。

 街! だったから。

 話し声を聞いていると、やはり避難してきた人達で、元気な人達はさらに高い場所に新たな街や村を作りながら畑などしているみたいだ。

 城から出て行く人がいる一方、老人や小さな子どもがいる家族などはここに定住しているみたいだ。

「賑やかですね」

 ジェシーに言うとにこっと微笑まれた。

 タニアは周囲の子ども達に囲まれ、その母親らにも声を掛けてニコニコしている。

 慕われているんだな。

 王太子の妻なら王太子妃だけど、そんな偉そうな感じではないし。

 進んで城の大きな建物の中に入ると、まだそこは門と建物の両方の意味がある場所だったようで、兵というか騎士? 何か役人のような人達がいた。

 また中庭に出て、進むと石造りの建物があって、それが王達が住んでいる城、らしい。

 私達はその石造りの城に入ると、タニアがどこかへ行ってしまい、ジェシーと荷物持ちに私と原さんはついて行った。

 誰かの部屋みたいな場所に通される。

 ひとり用のベッドがある。

 荷物運びが荷物を置いて出て行く。

「リーリラの部屋だ」とジェシーが言った。

 私は胸がいっぱいになってしまい……。

「もうリーリラが地球へ行って7年、いや8年か?」

 8年……、保護されて、結婚して、私が生まれて、亡くなって……。

 私は19歳で……。ん? 地球の方が3倍か4倍くらい時間が早い?

 皆実ちゃんのノートで時間や年月日は地球の感覚

とそう変わらないとあったのだが、こっちの1日が地球では3日ぐらいだろうか?

 時間の流れが違う!?

「リーリラ、母はもう亡くなっているのだろう?

 娘のアレクが使ったら喜ぶだろう」

 ジェシーはそのことを不思議に思ってないみたいだ。もともと召喚で時間や時代がずれたりもするから、感覚が私達とは違うのかもしれない。

 7年の不在で19歳の娘って!?

「アレクはもう結婚しているのか?

 夫はハラさん?」

「いえ、先輩というか、私と守ろうとして一緒にこっちに!」

 原さんに説明してくれた。

「アレクさんには大岡大尉という夫がいます。

 私は大岡大尉の部下で、アレクさんをお守りしています」

「なるほど……、護衛騎士か!」

 んー、ちょっと違うけれど、まあ、こちらの世界だとそれが一番わかりやすい?

 本当は私の方が部下になるんだけど。

 ジェシーが頷いて言った。

「では、ハラさんは隣の部屋へ。

 それでいいだろうか?」

 原さんも私も頷く。

「父と母に会ってもらいたいが、君達の存在はまだ内緒で。

 こちらの部屋で待っていて欲しい。訪ねる形にするから」


 そこへタニアが戻ってきて、ジェシーと原さんは隣の部屋に荷物を持って移動した。

 タニアが私のテーブルに連れて行き、お茶を勧めてくれる。

 ハーブティーみたいな!?

 説明してくれている言葉がわかるんだけど、返事が難しい。

 片言というかタニアの言葉を繰り返すみたいな感じで乗り切った。

 

読んで下さり、ありがとうございます。

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