13 制服
どうぞよろしくお願いします。
「あなた、誰?」
美咲が戸惑ったように言う。
「大岡隼人。
彼女は私の恋人でありますので、これからのことを話していました」
ハヤトの名は本名だった!!
「……恋人? 敏夫は?」
何故そこで敏夫の名が出てくるのだ?
「ハヤトとは電車で通勤するようになって知り合ったの。
……敏夫は美咲の婚約者でしょう。
朝、お別れの挨拶に来てくれたわ。
美咲が半年で日本に戻れば、結婚式ね。おめでとうございますと伝えたわ」
にっこり微笑んで、美咲にそう説明した。
ハヤトが言った。
「ここでは自分のことは自分で行います。
荷物整理はご自分で行って下さい」
その時、白い制服の女性隊員が2着の制服を持ってコンコンと空いているドアをノックして入ってきた。
「どちらが早瀬アレクサンドリア?」
「はい! 私です」
「はい、これが、あなたの制服。
じゃあ、こちらが早瀬美咲ね!
私は第三師団医療班総班長の井狩聖奈です。
各自着替えて、午後三時に師団1階の会議室へ来て下さい」
美咲の怪訝そうな声。
「なんで制服が違うの?」
そう言われてみると、美咲の方が茶色ベースで私の方は明るい灰色ベースだ。茶色ベースの方は軍服というより防災服みたいでは……ある。
灰色ベースの方は井狩班長の色違いという感じ。
「そっちの方がいいわ」
美咲が私の持つ制服に手を伸ばしてくる。
ハヤトが私の手から先にひょいと制服を取り上げて言った。
「徴兵……、当番と志願の違いだよ」
井狩班長がハヤトを見て叫んだ。
「やっぱり、大岡大尉!? なんで軍服?」
ハヤトはにっこり微笑んでから、表情を引き締めて言った。
「本日より本部の軍人としても復帰したんでね。
で、早瀬アレクサンドリア医療士はまもなく本部付けになる辞令が出る予定だ」
「本部付け?」
「ああ、私付きの医療士で研究助手にもなる。
なので、この部屋は……、隣が物騒な人物のようだし、会議が終わったら、本部へ連れて行くよ」
井狩班長が美咲を連れて部屋を出てくれたので、私は制服に着替えた。
ハヤトの前でじゃないですよ。
ちゃんと脱衣所で着替えて、その後、ハヤトにチェックしてもらいました。
説明の書類だけ残し、ハヤトは私の荷物を持って、ドアに向かう。
「鍵はちゃんとかけておくように。
午後3時15分前になったら、ここを出て、さっき受付した会議室だ。そっちで待ってる」
美咲ともう関わるなということだな。
私は頷いた。
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