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12 出会い方が違っていたら

どうぞよろしくお願いします。

「少佐は……、ダンジョン内での医療活動の見守り警戒中、襲ってきた魔物の群れと交戦状態になり……。 

 医療士達を守るために……」


 言葉少なくハヤトが教えてくれた。

 医療士を守るため。

 もしかしたら、私の姿を彼や彼女らに重ねたのかもしれない。


「お助けできず、申し訳ない……」

 ハヤトがそう頭を深々と下げるので、私は彼の手を取った。

「いえ、辛いことをお聞きしてしまいました。

 ありがとうございます。

 父は最期まで、私のことを思ってくれていたんだなということがわかりました」

 

 ハヤトは顔を上げ、私の顔を見てから、大きく息を吸ってから話し出す。


「俺はっ……。

 少佐の遺体を回収して、一緒に日本へ戻り……。

 本部で少佐が残した資料や研究の整理やまとめなどを引き継ぎました。

 その間は、研究者ということで一年間、ダンジョンを離れたんです。

 本当は遺族であるあなたに、リアに会いに行って、話をすべきでした。

 ただ、俺は、怖かった。

 あなたに少佐の死を伝えるのが。

 それで……、この研究が、ここまで進んだら、ここまで終わったらとだらだらと引き伸ばして……。

 リアに会いに行っていたら、こんな苦しい思いなどさせずに……」


 この人は父のことを大好きでいてくれたんだな。

 だから……、その気持ちはわかる。

 でも………。


「いえ、父の娘として、あなたが戦死の詳細を伝えるために来ていたら、お互い、こうして手を取り合うことはなかったかもしれません。

 あの一年間は、私達にとって、必要なことだった、と思えてなりません」

 私は本心からそう言えた。

「父とのことは抜きにして、何もない状態で、私はハヤトに恋したんです。

 ハヤトは……、私の父が早瀬少佐だと知って……、私への思いは変わってしまいましたか?」

 寂しいけれど、私がそばにいることがハヤトに、父が目の前で戦死したことを突きつけ続けるならば……、離れたほうがいいだろう。


「いえ……、知って……、

 少佐が俺に紹介しようとしていた娘さんが、リアだとわかって、本当にうれしく……」


 その時、ドアがバーン!! と開いて、美咲が部屋に飛び込んできた。

「アレク! 私の部屋の荷物整理しなさいっ!」

 そう言いながら、私とハヤトを見てぎょっとする。


「……ちょっと、なに眼鏡外してるのよ! 掛けなさい!

 それに、何? もう男を連れ込んでるの!?」

「眼鏡は……」

 私が言いかけるとハヤトが私の肩を抱き寄せ、私は驚いて黙った。

 ハヤトがはっきりと大きな声で言った。

「眼鏡と毛染めは、先ほど第三師団の上司にやめるように言われたのでね」

読んで下さり、ありがとうございます。

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