50 状況の整理
どうぞよろしくお願いします。
うーん、なんだか次から次へと。
私は大きくため息をついた。
「早乙女中尉の言葉ではありませんが、ひとつひとつ、ですね」
原さんの言葉に頷く。
「はい、第三師団の方の、隊員や医療士達の安全というか、指令に変な意図や危険に曝す意図がなくなったのは良かったです。
でも美咲のことや、ダンジョンの謎のこと。
もう当番月も始まるし……」
「全部抱え込まなくても。
武井と早瀬中佐のことは当番月が終わり次第で大丈夫でしょう。
早瀬医療士は元気でやっているようですし、ロイはもっと時間を掛けなくては話が見えてこないでしょうし」
「それはそうなんだけど……」
「ロイの方は信用できる人についてもらうようにはできませんか?
特に危険な人物ではなさそうですし、アレクさんの母方の伯父ということになるんですよね?」
「はい、そういうことになるみたいです」
「伯父というより、兄くらいに見えますね。
周囲に説明が難しければ、兄としてしまったらどうですか?」
「うーん、でもそうすると……」
母がフランス国籍だけど、ロイは……そうか、まだ知られてないのか?
でも、知られたら何か言ってきそうではある。
「DEとのことですか?
まだはっきりとは……。でも、危険な感じはしませんね」
「当番月だから、原さん、小野田さんは貴重な戦力だし……」
「そうですね。誰をつけるか、ですね」
私が病院にずっと詰めているとか?
どっちにしろ、もう少し、何故、爆発物のそばにいたのかなどの話を聞かないと判断できない。
その時「アレク……リア」と小さな声が聞こえ「はいっ!」と私は飛び上がるように返事した。
ロイだ。
靴を履いてロイのそばに行く。
「アレク……、起きてみたい」
ちょうど背中の皮膚の具合いも見たかったんだ。
「少しなら。
でも、その前に背中の火傷の痕を見せて下さい」
まず仰向けから横になってもらう。原隊員が手伝ってくれた。
簡易的な寝間着を着ているので、軽く緩めて襟を引いて背中の様子を見る。
うん、皮膚もしっかりしてきている。
寝ていて擦れたり、自重が加わって悪化することもなさそうだ。姿勢や体位も無理なく補助して変えて大丈夫そう。
寝間着を整え、上半身を起こし、ベッドの背の一部分を上げて角度をつけ、寄りかかれるようにした。
「どうですか?」
「ありがとう」
ロイがほっとしたように言って、背中を預けている。
「トイレは?」
「大丈夫」
「点滴もしてますし、水分は強制的に取ってますから我慢しないで下さいね」
「わかった」
ロイは原隊員を見て「さっきの……」と言う。
原隊員が「飲み物ですね」と言って、冷蔵庫からパウチされたゼリー飲料を出して封を切りロイの右手に持たせるようにした。
口をつけ、少しずつ飲んでいる。うん、大丈夫そう。
言葉もはっきりと聞き取れる発声になってきている。
読んで下さり、ありがとうございます。




