45 国籍?
どうぞよろしくお願いします。
病院へ行くために早めに夕食を取ることになり、ハヤトがこれから使う部屋へ行くことになった。
小池大佐が使っていた部屋は証拠になる文書などもあるから、それの調べが済むまでは残すことになったそう。
その部屋の隣、まあ、上官が視察に来た時なんかに使う部屋らしい。
でも、宿舎の方じゃないんだ。やはり、責任者はすぐに対応できるようにってことなのかな?
部屋に入ったが、ハヤトはまた呼ばれてどこかへ行ってしまう。
黒須ちゃんとの二人部屋より気持ち広いかな。でも、宿舎より無機質というか、本当に寝るためだけの部屋という感じがする。まあ、まだ使い始めたばかりだしな。
食堂から原隊員が食事を運んできてくれた。
「ありがとうございます」
私がお礼を言って受け取ると「私も一緒に行きますのでご安心を」と言われる。
「はい、よろしくお願いします」
原隊員を見送り、少し待ったがハヤトは戻ってこない。
私は先に食べ始めた。
半分程食べたところで、ハヤトが戻ってきた。
なんか表情が険しい?
「どうしたの?」
まさか、私が先に食べ始めてたのが?
「いや……、フランス防衛隊に申し送りをしたんだが。
早瀬美咲の従姉妹であるアレクサンドリアという名の人物は元々フランス国籍とか……、逆に申し送りをされたそうだ」
なんだそれ?
「私がフランス国籍?
母と私がいたのはギリシャの日系コミュニティ、まあ、アラスカダンジョンの日本街よりかは日本防衛隊により近い感じの。
ん? でも、養父母は日系だけどフランスの人だと聞いたことがある?」
私は母方のおじいちゃんおばあちゃんを思い出す。
おじいちゃんが日系のフランス人で、おばあちゃんが日本人だった。
「そうなんだ。
どうやらリーリラさんは、フランスの部隊が最初に住民のひとりとして保護して。
現地に戸籍がなくてフランス防衛隊が一時的に孤児を集めた施設に入って、仮戸籍を作った。
それから、縁あって、日系フランス人の牧師夫妻の養女となり、フランスの戸籍というか国籍のまま日系のコミュニティで成長し、早瀬冬馬と知り合い、結婚してリアが生まれた」
私は頷く。ハヤトが続ける。
「その結婚届がフランスでは受理されていないとかで。
だからフランスではフランス国籍のリーリラさんが私生児としてアレクサンドリアを産んだ。となるとリアの国籍は?」
「フランス?
でも、私は日本人として認められてる。名前も父方の早瀬だったし。
というか、美咲のことを言ったら、なんで私の話に?」
「……ピエールが動いていたのが、国としての意向もあったのかもしれない。
早瀬ファイル、そして、リアに強い興味があるということだな。
リアが防衛隊に入りアラスカに来ることはなぜか他の国の防衛隊にも知られてた。
フランスとしてはどこかのタイミングで打診しようと用意していたのかもしれないな」
私は苦笑した。
「日本ではちゃんと届が出てて、私は日本人としてパスポートだってもらえているよ!」
「ああ、俺と結婚して、もう、大岡アレクサンドリアだ」
「うん」
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