41 私がそうならあなたもでしょ!?
どうぞよろしくお願いします。
私とハヤトと原隊員が第三師団に入る時、私はもう自分のコートを着ていたんだけど、緊張でぶるっと震えた。
「何? 不安?」
ハヤトが言って、原隊員が笑った。
「そりゃ、結婚してしまってから実家に挨拶に来たようなものですからね」
「「えっ?」」
私とハヤトは困惑した。
それって……、すごく独特な考え方じゃない?
「……原さんはそのような経験が?」
「いや、まだないですね。
結婚前もない」
うーん?
それは……、想像ってことですね。
原さんにとってはそれが想像の中での緊張なんだろうな。
うん、でも、気が紛れた。
私はハヤトを心配してるって感じでいればいいのかも!?
ハヤトが「ふーん」と言いながら、持ってくれていた私の荷物を原隊員に預けて、私を抱き上げた。
「えっ? なに?」
「そうだったよ。寝不足だという設定だった」
「う! いいってもう! 大丈夫だから!
それに……、それに……」
なんか言い返したいのに……!
「あ、私が寝不足なら、ハヤトだって寝不足でしょ!!」
私の必死な言い返しに原隊員とハヤトが一瞬真顔になって……、それから爆笑した。
「そうだなっ!?」
「それは思い至りませんでした!」
「思い至ってよ!!」
エントランスをそんなことを言い合いながら進んでしまい、みんなに注目されてしまう。
私はハヤトに抱っこされながら真っ赤になってしまう。
本当になんなんだ!!
「おかえりなさい! アレク!」
黒須ちゃん!!
「大岡大尉、アレクの部屋がこっちです」
にこやかに黒須ちゃんは原隊員から荷物を預かり「私が持って行きます」と言ってくれた。
原隊員は「ありがとう。頼みます」と言って、事務室の方へ行ってしまう。
宿舎の棟の方へ入り、共有部に入ると休みや宿舎待機の医療士や衛生士達、それに隊員達も集まってきちゃう。
愛理さんがニヤニヤしてて。
立ち上がると……。
「せーの!」
「「「アレク医療士! 大岡大尉!! 結婚おめでとうございます!!」」」
集まっているみんなに祝われた。
どこまでが作戦なの?
本当に祝ってくれてるの?
「ありがとうございます」
私はお礼を言って……。
ハヤトは「井狩総班長に、挨拶してくる」と言って、やっと私を下ろしてくれ、事務室へ戻って行った。
愛理さんがさりげなく事務室への繋ぎ廊下の前に立って、視線を遮ろうとしているような……。
その時、少しざわざわしている声がエントランスや事務室の方から聞こえてきた。
「何?」
「なんか、あったのかな?」
気にした隊員や医療士もいたが、愛理さんが「大岡大尉が挨拶してるのかもね!」なんて誤魔化してる。
「せっかくの新婚なんだもの。もう一日くらいお休みあげたいよね」
「じゃあ、大岡大尉にこっちに泊ってもらうのは?」
「ふたり部屋じゃない、どーすんのよ!?」
「黒須ちゃん、うちの部屋来る?}
なんていろいろな声が上がり、どっと笑って。
私は赤い顔で笑ってるしかできなかった。
読んで下さり、ありがとうございます。




