表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/201

37 気配の正体

どうぞよろしくお願いします。

 事務室へ移動し、スマホに電源を入れる。メッセージと着信が……!

「うわぁ……、こわ……」

 思わず声が出てしまった。

 高校の時に、友人の彼が鬼のようにメッセージを送ってきてて、引くという話をしてたけど、それの意味がわかった。

 美咲が怒ってて、ピエールが困ってるという感じがする。

 美咲は大丈夫そうだからタケイクリニックと第三師団を先に押さえてから対応しようということになった。

 私は私服なので、ハヤトのコートを借りて行くことになった。

 コートだけでも十分防衛隊の人っぽい。


 車に乗ったら原隊員もいて、私についていてくれるそう。

 いざ! タケイクリニックへ!

 クリニックの受付が始まる前で、まだ患者さんもいない。

 防衛隊本部の少佐が指揮を執る第1グループ。

 早乙女中尉が指揮を執る第2グループ。ここにハヤトは入っている。

 私は原隊員と他に5名ほどの第3グループって感じだ。クリニック前を封鎖して、街の人に何か起きないように警戒して、中の様子を見張っている感じ。私も待合室で様子を見ていた。

 一階の診察室に武井先生はいなくて、二階へ探索が進んでいる。

 一階は簡易的なレントゲン装置、心電図装置などの検査機器や薬局のような倉庫などがあったそう。

 普通のクリニックという感じだね。

 先生はいず、住居もなかった。ということはあの二階が住居兼研究室なんだろうか。

 ドアが開けられた時から、ちりちりした気配を感じる……。

 ハヤトも上がっていき、ちりちりは消えないけど、安全は確保できたと私は呼ばれた。

 早乙女中尉と敏夫と私と原隊員は二階へ上がる。

 二階は部屋に入ると再生保存治療の部分治療ができる装置がふたつあった。

 まあ、普通の病院という感じだ。

 その奥にドアがふたつ。 

 ひとつは住居だそう。

 もうひとつのドアを開け進むと、いろいろな装置があり、それは早瀬製薬を視察した時に見た研究室の装置に似ていると思った。

 そして、部屋の一番奥の壁に固定されているような太めの木の枝のようなものがあった。

 ハヤトがこちらに来て「魔物の腕だ」と教えてくれた。

 木の枝の先からは粘液が沁み出している。

「まだ、生きてる?」

 これがちりちりの正体か!?

 でも、なんでこんなところに!?


 武井先生がうずくまるように隊員に押さえ付けられ、その近くにいた。

「武井先生!」

 私の声に顔を上げる。

「アレクか……」

「なんで、なんでこんなこと!」

 武井先生は微笑んだ。

「リーリラを助けたかったんだ」

 リーリラ……。

「母を?」

「そう……、彼女は地球の成分で作った培養液や薬が効きにくかったから。効くものをね。

 アレクのためにも……」

「私のため?」

「染野に聞いた。

 アレクも培養液の効きが悪いのだろう?」

「……母が亡くなってからも研究していた?」

「ああ、早瀬製薬をやめて、東京で小さなクリニックを開業していた。

 染野に、10年ほど前か、声を掛けられた。

 魔物の粘液を培養できたので、それを使っての新しい治療実験に協力して欲しいと。

 冬馬には内緒で。

 リーリラも冬馬には内緒にしていたからね。

 私にしかできないと思った。

 ちょうどその時、アレクが怪我をして、染野が治療して、治りが悪いと聞いてね」

 治りが悪くても、魔物の成分の入った培養液なんぞ、まっぴらごめんだ。

 私は顔を顰めた。 

読んで下さり、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ