抗議
謁見の間で、ルークとバルド、そして襲撃に居合わせたメイドは国王と王妃に事の経緯を説明した。
「それでは、ウィズがルークを襲ったと言うの?」
あらまあ、とでも聞こえてきそうなのんびりした口調でルーシアが尋ねる。
それにルークは力強く頷いた。
「見たんだ、こっちに向かって刃を向けるところを。
それに、逃げるときの魔方陣が白かった。
あれは“白の術師”特有のものだろう?」
「私も見ました。
確かにあれはウィズ様でしたわ」
メイドも賛同する。
ふうん、とルーシアはそれに目を細めた。
「…と言っているけれど、どうかしらウィズ」
バッと三人が振り返る。
そこには先程見た通りの格好をした人物が立っていた。
「ウィズ!!」
「落ち着け、ルーク」
即座に剣を抜こうとしたルークを、王が咎める。
ウィズはそれが全く見えていないかのように三人に近づくと、国王夫妻に礼をとった。
「お呼びにあずかり、参上致しました。
遅れて申し訳ございません」
「……」
「ウィズ、そこの三人はあなたがルークを襲ったと言っているのだけれど」
「私がルーク様を、ですか?
その様なことはあり得ません」
「ふふっ、そうよね」
ウィズの言葉にルーシアが満足そうに頷く。
王は呆れたような目線で彼女を見ていた。
「母上!
実の息子よりこんな術師を信じると!?」
「妃殿下、俺もさすがにそんな言葉だけでは信じられません」
今まで沈黙を保ってきたバルドも、ルーシアの言葉に反論した。
「とは言ってもねぇ?
陛下もそう思うでしょう?」
王妃とルーク、それぞれから強い視線が向けられる。
うっ、と彼はたじろいだ。
「まあ、確かに、ウィズがルークを襲うことは無いだろうな…」
「でしょう?」
「父上!!」
ルーシアは笑顔が、ルークは怒りが顔に浮かぶ。
「…もういいよ。
自分の身は自分で守る。
行こう、二人とも」
ルークは感情を見せない声で告げると、メイドと、王に何かを聞きたそうにしているバルドを連れ、謁見の間を出ていった。
「お嬢ちゃん、帰ってきたんじゃな」
夜の中庭で、庭師の老人はにっこりと笑った。
「ふふっ、庭師さんは本当にすごいわね」
人影が楽しそうに笑う。
「まあ、わしは庭師じゃからな。
それはそうと、今夜は王太子の部屋に襲撃者があったそうじゃな。
それを助けたのは、お嬢ちゃんじゃろう?」
「……前から気になっていたのだけど、本当に庭師さんは何者なの?」
「なに、わしはしがないただの庭師。
いつも暇をしておるから、城のことには詳しくてな」
人影は呆れた気配をみせた。
「…約束していたお手伝いだけれど、もう少ししてからでいいかしら?
ルーシア様に頼みごとをされていて、手が離せそうにないの」
「構わんさ。
3年も3年と数日も、大して変わらんからな」
耳が痛いわ、と笑って、人影は緑に輝く魔方陣と共に姿を消した。
庭師さん、貴方は一体何者ですか(え




