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緑の柱  作者: 美羽
Castle
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Main street

ルーク、フィリアちゃんとデートの巻



空を飛び城を抜け出たルークとフィリアは、一先ず王都の大通りから少し外れた人気のない道に降り立った。



「ここまで来れば安心だね」


「そうね。

それにしても、上から見ても思ったけれどとっても賑わっているのね」



そっと大通りを覗き見る。

そこではたくさんの人が行き交い、商人達は声を張り上げて店に人を集めている。



「この大通りは色々な地方から人が来るからね。

でも僕としてはこっちよりもフィリアに見てもらいたいところがあるんだ」



未だ繋がれたままのフィリアの手を引いて、ルークは狭い路地を迷いのない足取りで歩き始めた。



「見てもらいたいところって?」


「あの大通りは旅人や他の街の人向けの店が並んでいるんだ。

そっちにいっても良いけれど、人が多いし、フィリア一人でも何時でも行けるしね」


「それじゃあこれから行くところは?」



ルークは振り返り、にっこり笑った。



「王都に住んでいる人達のための商店がある通りだよ」


「王都に住んでいる人と、そうでない人で、店が違うと言うこと?」


「そう、さっきの通りは土産物や旅のための道具を売っている店が多いんだ。

王都では南大通りと呼ばれてる。

これから行くのは食料品や服飾などの生活に基づいたものが並んでる。

旅人達にはそういったものはほとんど必要ないから、分けられているんだ」


「便利なのね。

でも、この路地は私一人だと迷いそうだわ」



何回もの角を曲がり、路地と路地が入り乱れるこの道はフィリアには向いていなさそうだ。

ルークも苦笑する。



「そうだね、来るときには空からにするか、誰かと一緒の方がいいよ。

僕を誘ってくれると嬉しいな」


「そうするわ」


「……さ、着いたよ。

ここが王都の二つ目の大通り、西大通りだ」



視界が開けた。

南大通りほど賑わってはいないが、こちらも十分活気がある。

人通りも少し多い程度だ。

けれど、南よりも親しみやすい空気が漂っている。


ルークに手を引かれながら、フィリアは左右に広がるたくさんの商店を見回した。



「フィリア、前を見てないと転ぶよ?」


「手を繋いでいるから大丈夫よ」


「まあ、転びそうになったら僕が支えるからいいけれど……?」


「…痛っ」



前を全く見ていなかったフィリアは、突然立ち止まったルークの背に思い切りぶつかった。

痛む鼻をおさえ、恨みがましげにルークを見る。



「ルーク、急に止まらないで…?」



フィリアはぱちぱちと瞬きした。

ルークの目の前に男の人が立っている。

服装からして、何かの店の主だろうか。



「ルーク、知り合い?」



フィリアがそう、彼に確認したその時。



「やっぱり、ルーク様なのかい!?」



男が叫んだ。

フィリアは驚いて二人を交互に見つめる。



「…ひさしぶりだね」



ルークが苦笑して、フィリアと繋いでいない方の手をひらひらと振った。



「やっぱり!

いつお戻りに?

こうしちゃいられねぇ、皆、ルーク様が帰ってきたぞー!!」


「うわっ、ちょっと…!!」



ルークが慌てて止めようとするが、時すでに遅く。

男は感極まったように大通りの中心で叫んだ。


周囲がざわめく。


一瞬の後、ルークとフィリアは西大通りにいたほとんど全ての人に囲まれた。



「…??」


「あぁー…」



フィリアは困惑し、ルークは諦めたようにため息をついた。



「ルーク様、旅は終わったんですか!?」


「さっきの光って、やっぱり結界の?」


「怪我とかはないんですか?」



我先にと質問が飛び交う。

ルークはそれらの一つ一つに丁寧に答えていった。



「帰ってきたのは今朝だよ。

そのまま結界も張った。

その証拠があの光だ。

怪我もしてないよ」


「よかった、これでまたこの国は平和になるんですね!」


「そうだね。

もう闇の者に襲われる心配もないだろう」


「…ところでルーク様、そっちのお嬢ちゃんは?」



突然話の矛先が自分に向けられびくりとするフィリア。

それを気にせず、ルークはフィリアをグイッと人々の前に押し出した。



「ちょっとルーク…!?」


「旅の途中で出会ったんだ。

バルドと一緒で、僕の大切な仲間」



突然前に出され戸惑ったフィリアだが、後ろでこうも恥ずかしげもなく告げられては怒りようがない。

仕方なく、周囲の人々に挨拶した。



「フィリアと言います」



一瞬周囲が静まり、次いでドッとわきたった。



「こんな可愛らしい嬢ちゃんが!?」


「こんな娘と旅するなんて、ルーク様もすみに置けないねぇ」


「よろしくな嬢ちゃん!」


「いつでも買い物に来てくれ!」



西大通りの人々に温かく迎えられたようだ。

フィリアはホッとして息をつく。

気がすんだのか、ルークが再度フィリアを後ろに隠した。



「それじゃ、僕はフィリアに王都を案内している途中だから、そろそろいくよ。

また来る」


「まってますよ、お二人とも!」



人々は大きく手を振って見送ってくれた。





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