Eye
「…?」
フィリアはふと目を覚ました。
次いで、ガバリと起き上がる。
部屋を見回してもルークの姿はない。
やはり、自分は眠ってしまったようだ。
急いで下に降りるが、そこにはアルとエルの姿しかなかった。
「あ、フィリアおはよう」
「と言ってももう昼だけどね」
「おはよう…もうそんな時間なのね。
ルーク達は?」
「師匠は寝てて、ルーク様とバルド様は剣の練習だってー」
「フィリア、はいこれお昼ね」
出された昼食に、思わず素直に席に座る。
「みんなはもう食べたの?」
「うん、とっくにね」
「私、よっぽど寝てたのね…」
「それほどでもないよー。
フィリアは一晩中起きてたしね」
落ち込むフィリアをエルが慰めてくれる。
曖昧に微笑んで、フィリアは昼食に手をつけ始めた。
「ねーフィリアはさ、もしかして僕らの区別、ついてるの?」
突然の質問に、ファリアは思わず食事の手を止めてそちらを見た。
不安そうな、けれどどこか期待するような視線。
「……なんとなく、なら」
「ほんとっ!?」
アルが身を乗り出す。
「…どうしてわかるの?」
「貴方達はなんというか、色が違うから」
「色?」
「瞳が、ね。
アルの目は赤みがかった黒だけど、エルの目は紫がかっているわ」
フィリアの言葉に、双子は揃って首を傾げた。
「なにいってるの?」
「僕らの瞳はどっちも同じ、青みがかった黒だよ?」
「…え?」
フィリアは驚いて目を瞬かせた。
「なにいってるの?
こんなにはっきり色が違うのに」
双子が顔を見合わせる。
「もしかしてフィリア」
「魔力の色が見えてるの?」
「魔力の色…?」
双子が頷く。
「魔力にはそれぞれ色があるんだ」
「その色は人それぞれ違うんだよ」
「そしてその色は昨日フィリアがやった」
「魔力を測る黒い玉が染まった色なんだ」
双子の説明にフィリアはあっ、と呟いた。
「だから貴方達の目の色が違って見えたと言うこと?」
「たぶんそうだと思う」
「こんなこと前例がないから確定は出来ないけどね」
アルの言葉にフィリアは首を傾げた。
「貴方達には魔力が見えるんじゃないの?」
「僕達はそういう風には見えないよ」
「色なんて見えないよねー」
「それなら、どういう風に?」
「なんていうか、ボヤーッと白い靄みたいなのが見えるんだ」
「それがその人の体を包んでる感じかな」
双子の言葉に想像してみる。
「それじゃあ私も靄に包まれて見えるの?」
「うん。でもすごく薄いんだ」
「いつもなら靄は魔力が強いほど濃くなるんだけど…」
他の人と違う。
そう言うことだろうかと、フィリアは眉を寄せる。
「まあ、青の民以外の人だとそうなるのかも知れないけどね」
「青の民以外でフィリアみたく強い魔力を持った人、見たことないしねー」
その言葉にホッとする。
そんなフィリアの様子を見て、双子はそれじゃあさ、と1つの提案をした。
「僕らと一緒に」
「魔術を学んでみない?」
「魔術を…?」
そうだよ、と双子はにこにこしながら話を進めていく。
「だってそんなに魔力があるのに、使わないなんて勿体ないよ」
「僕らよりあるんだしね!
それなら高度な術だっていっぱい使えるよ」
「魔術、ね…」
フィリアは少し考える。
魔術を使えたら、自分はどうなるのか。
「……うん、やりたい」
「「ほんと!!」」
「魔術が使えたら、もっと皆の役に立てるもの。
二人とも、教えてくれる…?」
双子は笑顔でもちろん!と答えてくれた。




