表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
緑の柱  作者: 美羽
Sapphire
47/182

Magic



魔術を使わなければ街へ入ることが出来ない、という衝撃の事実を知ったルーク達。

今までの努力はなんだったんだ、とぐったりしている。

そんな彼等に構わず、元気いっぱいにアルは左手を、エルは右手を空高く掲げ。



「それじゃあ早速」


「僕らの夢幻の都に」


「「ごあんなーい!!」」



五人全員がスッポリおさまる巨大な魔方陣を展開した。


――次の瞬間には、その場所は人がいたのが嘘のように閑散といていた。











「さ、着いたよ」


「ここが夢幻の都への入り口」


「ここを通ればもう街だ」


「…って、大丈夫?」



双子はルークとバルドを見やる。



「いきなり過ぎるよ…」


「…せめて一声かけてからやってくれ」



転移術で酔ったらしい。

慣れていないとこうなる人間は多いのだ。



「フィリアは平気そうだよ?」


「だらしないなー二人とも」



双子はカラカラと笑っている。



「じゃあこんな二人はほっといて」


「先に行こう、フィリア」



彼らに右手と左手をそれぞれ引かれ、、フィリアは夢幻の都へと続く門をくぐった。

その先には、一人の青い衣を着た女性が立っている。



「---?」



何故だか、既視感を感じた。

つい、フィリアは立ち止まってしまう。



「どうしたのー?」


「やっぱりフィリアも酔っちゃった?」


「……あ、いいえ。なんでもないわ」



頭をふる。

気のせいだと、自らに言い聞かせながら。


近づいてよくよく見た彼女は、青い髪に青みがかった黒い瞳をしていた。

年は50歳ほどだろうか。



――違う。彼女じゃない。



目の前の女性をよくよく見た途端心でそう安堵して、ハッとした。



(彼女って、誰……?)



「初めまして。

私は青の族長、ヘルミナと言います」



女性――ヘルミナの声によってフィリアは現実に引き戻された。

慌てて挨拶を返す。



「フィリアと言います。

よろしくお願いします」



それに頷くと、ヘルミナはアルとエルに目を向けた。



「二人とも、ルーク様とバルド殿はどうしたのです?」


「あー、転移酔い起こしてたから」


「おいてきちゃった」



その言葉に彼女はああ、と納得した。



「そう言えばお二人は転移に慣れていないのでしたね」


「でもフィリアは平気だったんだよ?」


「情けないよねー?」


「彼女には魔力がありますから、酔わないのは当たり前でしょう」


「……え?」



ヘルミナの言葉にフィリアは思わず声をあげた。

アルとエルも驚いているようだ。

二人は一度フィリアの手を放し、少し離れてじっと彼女を見つめる。



「……ほんとだ」


「うん、あるね」


「わかるの?」



フィリアの問いに二人は揃って頷く。



「族長と次期族長は他人の魔力が分かるんだ」


「気が付かないとは、貴方達もまだまだ修行不足ですね」


「えー、だってフィリアの魔力、なんでか知らないけどすっごく見えにくいんだもん」



唇を尖らせて反論する二人を、ヘルミナは問答無用、とばかりに黙殺した。

そうこうしているうちに、転移酔いが治まったらしい二人が追いつく。



「まったく、少しは待っていてくれてもいいんじゃないかな?

久しぶり、アルミナ殿」


「お久しぶりです。

健勝そうで何よりです。 バルド殿も」


「ああ、ヘルミナ殿も変わっていないな。

ところで、どうしたんだそこの二人は」



そう言って未だふくれているアルとエルを見る。



「聞いてよ二人とも!」


「フィリアに魔力があったんだけど」


「それが少し見えにくくて気がつかなかったら」


「修行不足って言われたんだよー?」


「フィリアに魔力が?」



確認するようにヘルミナを見る。

頷いた彼女を見て、本当のようだな、とバルドは呟いた。

それを聞いてまた双子が騒ぐが無視である。



「すごいねフィリア。

魔力があるなんて。

でも、僕は魔力っていうものは青の民にしかないものだと思っていたけど」



ルークの疑問にはヘルミナが答えた。



「魔力は本来、誰しもが持っているものです。

けれど、それはほんの微かなもので、大抵の者は魔術を操るまでには至りません。

しかし青の民にはその魔力を多く持つ者が生まれやすい。

だからルーク様はそう思われたのでしょう。

それに他の民は今までのフィリアさんのように自らの持つ魔力を自覚することなく一生を終えることも多いですしね」


「なるほど」


「とは言っても、青の民以外の者がもつ魔力は多くて我々の半分ほど。

あまり強力な魔術は使えませんが」


「フィリアはどのくらいあるんだ?」


「……そうですね、フィリアさんはかなり魔力が多いようです。

そこのアルとエルと比較しても大差ないのではないでしょうか。

こうして見ただけなので正確な数値は出せませんが、そこらにいる青の民よりは多いように思います。

私の家に魔力量を測る道具がありますので、そちらで測ってみませんか?」


「いいんじゃないかな。

どのみちヘルミナの家に世話になるし、測ってみようよフィリア」



ルークにも勧められ、フィリアは困惑しながらもその提案に頷いた。




フィリアちゃんに魔力があることが発覚!

…当たり前ですよね。フィリアさん使ってたもん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ