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緑の柱  作者: 美羽
Topaz
37/182

Plaza



朝食が終わり、それぞれ支度を整えてから門の前に集合する。



「ユナがいないわね」


「そうだな……お、来たようだぞ」



玄関から慌てて走ってくる姿が見える。

なんだか転んでしまいそうだ。

そう思っていると。



「きゃっ!?」



何もないところでつまづいた。

なんだかそんな気がしていたため、慌てずにフィリアが支える。



「大丈夫?」


「う、うん…

ありがとうフィリア。

私よく転んじゃうの」



だろうな、とは三人とも思いはしても口には出さなかった。



「それじゃあユナ嬢、案内を頼めるか?」


「はい、任せてください。

それではまず街の中心にある広場に案内しますね」



そう言って、先頭に立って歩き出す。

それに続こうとしたフィリアはバルドに声をかけられた。



「フィリア、赤砂漠の月の時のように迷ったら大事だし、誰かと手を繋いでいた方がいいんじゃないか?」


「失礼ね、そんなに何度もはぐれないわよ」


「わからんぞ?」



バルドがニヤリと笑う。

朝おじさんのようだと言った事への仕返しか。

フィリアは唇をとがらせた。



「…それなら私と手を繋ぎましょう?

私、よく転んじゃうから、支えてくれると嬉しい」



そんなユナの言葉にこっそりとチャンスを窺っていたルークは肩を落とした。

まさかこんなところに伏兵がいるとは。

見ればフィリアは既に嬉しそうにユナと手を繋いで歩き出している。



「残念だったな」


「ロイといいユナといい…

フィリアは次期族長に好かれるみたいだね」


「女だからと油断していると、痛い目に合うかもな?」


「…縁起でもない」


「ルーク、バルド!

おいていくわよー?」



フィリアに声をかけられて慌てて二人は後を追った。






広場の中央には大きな噴水が設置されており、そこから東西南北に向かって4つの通りができている。



「ここがこの街の中心になります。

ここから東に行くと商店が並ぶ通りについて、西は果樹園と畑、南は牧場と民家、北は教会や墓地、学校などがあります。

ちなみに領主の館も民家と同じように南に存在しています」



ユナが解説する。



「夜に起こる事件について聞くのよね?

どこで聞いた方がいいのかしら」


「やっぱりこの広場か商店だろうね。

今はそこに人がたくさんいるだろう。

…そうだな、二手に別れて聞き込みをしよう」


「それじゃあユナ、一緒に行きましょ?」


「うん」



だが、バルドが待ったをかける。



「まて、その組み合わせはまずい」


「?

何故ですか?」


「お前達のように女二人だと色々と危険があるかもしれん。

それに俺達男二人では少し怪しく感じるだろうしな。

ルーク、お前はこの街に一度来たことがあるんだったな?」


「うん、視察として一先ずすべての領地は回ってる」


「それなら、俺とユナ嬢、ルークとフィリアの組み合わせでいこう。

そうすれば俺達は父娘に、お前達は若い男女で遊びにきた、という風に見えなくもない」



なるほど、と皆が納得する。



「それじゃあ、僕とフィリアで広場の方に行くよ。

ここには色々と露天も出ていて、僕らぐらいの年代の人が多いみたいだしね」


「ならば、俺達は商店の方を回ろう。

それでいいか?ユナ嬢」


「はい、大丈夫です」


「それじゃあ一刻後にここに集合しよう」


「わかったわ。

じゃあユナ、お互い頑張りましょ」


「うん、またあとで」



お互いに頷き合い、バルドとユナは商店の方に向かっていった。



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