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緑の柱  作者: 美羽
Ruby
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Again



翌朝、フィリア達三人はロイとグレイに見送られ、予定通り砂漠の月を出ることとなった。



「……みんな、大丈夫?」


「な、なんとか…」



しかしフィリアとグレイ以外は皆二日酔いに苦しめられている。



「だらしないのう。

嬢はわしとかなりの量を飲み干したが、ピンピンしておるぞ?」


「お祖父様…あまり耳元で大きな声を出さないでくださいませんか?」


「修行が足りんな!

女子おなごに負けるようではまだまだ族長への道は遠いぞ」


「精進します…」



「二人も、なんならもう一泊させてもらえば?」


「そう言う訳にもいかないよ。

出来るだけ早く全ての宝石を集めなきゃいけないから……うっ」



吐き気が込み上げてきたらしいルークの背を慌ててフィリアがさする。



「グレイ殿、世話になった」


「構わんよ。

わしも久々に愉快な思いをさせてもらった。

フィリア嬢、次来るときには最上級の酒を用意しておこう」


「楽しみにしてるわ」


「ルーク殿も、次はもっと呑めるようになっていることを期待しておるぞ」


「ええ、そうですね。

グレイ殿、ありがとうございました」



グレイとの挨拶を済ませ、次いでロイに向き直る。



「ロイも、ありがとう」


「いいえ、私も楽しませていただきました。

…次は、黄の領地ですね。

お気を付けて。

特にルークはね」


「どういうことだい?」



尋ねるルークに、ロイは行けば分かります、と曖昧に笑った。



「私は敵に塩を送ることはしませんが、かといって貴方の味方をするわけでもありませんから」



意味深に呟くと、バルドにも声をかける。

そして最後に、フィリアの前に立った。



「フィリア、貴女のおかげで素晴らしい経験が出来ました。

ありがとうございます」


「?

あぁ、フレイのこと?」


「それもありますが、他にもいろいろとね。

貴女の無事を祈って、これを」



そう言うと、ロイは懐から何かを取り出した。



「綺麗…」



それは、ブレスレットだった。

手を動かすたびにシャラリと鳴るそれは、華奢な三つの銀の輪が複雑に絡み合い、細いフィリアの手首をいっそう細く見せている。

よく見ると三つのうちの一つには精緻な炎を模した紋様が刻まれていた。



「私のグローブと同じ、破魔の力が込められています。

気休め程度ですが、貴女の旅が安全であるように。

どうか、それを私だと思って身につけていてください」


「破魔のって、そんな貴重なもの…」


「貴女に持っていて欲しいのです」


「……ありがとう、大事にするわ」



ロイは嬉しそうに笑った。




それらの一連の流れをバルドは二、三歩離れて見つめていた。

もはやただの野次馬である。

見るとグレイも似たようなものだった。


そう言えば、とバルドはチラリとルークを窺う。

二人の親しげな様子を見せつけられて、大丈夫なのだろうか。


しかし予想に反してルークの反応は穏やかだった。

これからの旅にロイがいない、という余裕がそうさせるのだろう。

プレゼントに対しては先を越されて少し悔しがっているようだが、概ね通常通りだ。



(成長したな、ルーク)



そう感慨深げに、バルドが思った時だった。



ロイが笑っているのが目に入った。

次いで、すみません、とその唇が動くのも。


ルークの放つ空気がが一気にどす黒くなるのを感じて、バルドは思わず額に手を当てた。





「すみません」


「?」



ロイの言葉の意味がわからず、フィリアが首を傾げる。

するとロイはフィリアの頤に手をかけ、彼女の顔を少し上に傾ける。

そのまま、頬に口づけた。



「旅に飽きたら、いつでもここに戻ってきてください。

この砂漠の月は、いつでも貴女を歓迎します。

もちろん、私もね」


「……!!」



さすがの事態に、フィリアもその頬を真っ赤に染めた。

口づけられた右頬を、手でおさえる。



こうして南の地での冒険は幕を閉じたのだった。





ほっぺチューしました。

いえ、させました。

私、ロイのこと結構好きなんです(キリッ

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