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もと神さま、新世界で気ままに2ndライフを無双する。  作者: 可燃物


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神さま、案内する。


リビング以外の設備を一通り見て回った後、真っ先に肉の保存の仕方は冷やす以外にもあるだろうと言われた。


食は大事だもんな。


追加で燻製用の丸鍋や円筒缶を用意したり、干し肉を作るための網を創ったり、色々と必要になりそうな物を、言われるがまま次から次へと追加して行った。



備え付けの椅子に座り、トレーラーハウスの仕組みを説明すると、言葉だけでは理解出来なかったようだ。


実際に切り離し作業をさせてみた。



内側のジョイント部分を外した後、壁板を設置し、その板を固定する。


その後外側へと回り、隣接した設備とを繋ぐ金具を外して、板を外側からも固定すれば完成だ。



壁板には裏表があり、設置する面を間違えると隙間が生じてしまうので間違えないように注意をする。


そうしたら、そもそも間違えが起きないように工夫をするべきだと、ごもっともな意見を貰った。



時間が無かったんだから、しょうがないじゃん。


ブーブー内心で文句を言いながらも内側と外側の塗装を正反対の色に変え、屋内側の壁の色を統一した。



壁板の重ねる部分には〇や△のマークを付けた。


その模様同士が重なるように設置するのだと教えれば、力さえあれば子供でも切り離し作業のお手伝いが出来るようになる。



分かりやすくし過ぎたら、盗まれないか心配だと零したら、そもそもこんな非常識な事が出来るなんて、初見の人間には分からないから問題ないと断言されてしまった。


そんなに非常識だろうか。



移動させられる小屋なんて、モンゴルのゲルに始まり何千年と昔から世界中で見られる住居形式だ。


この世界でも、さして珍しいものではないだろう。



使用されている材料が、一般的ではないかもしれないけれど。






人が持ち運べる重さの基準は、五十五kgとされている。


あくまで、この数値は瞬間最大重量ね。



重量挙げの選手のように、その行動に特化した筋肉の鍛え方をしていない限りは、五十五kg以上の重量物を持ち上げるのは危険だとされている。


イヤ、選手だって気を付けないと危ないのは同じだけど。



荷運びのように常に重量物を運ぶ際の労働安全基準として推奨されていた重さは、体重の四割程度が望ましいとされていた。


女性の場合は男性よりも筋肉量が低く、骨も弱いために、男性基準値の六割程度まで下がる。



ソレを考えると、トレーラーハウスを移動させる際に牽引者に掛けられる負荷は、三十kg以下にするのが望ましい。



身体強化が使えるようになれば、この基準はまた変わって来るのだろう。


しかしいつ使えるようになるかも分からない物を基準にするなんてナンセンスな事はすべきではない。


軽いに越した事は無いのだしね。



軽くて丈夫な金属と言えば、真っ先にアルミ合金を思い浮かべるが、そんな現実的な物を使う必要はない。


なんて言ったって、俺には「万物創造」があるからな。



羽のように軽く、断熱性にも優れ、耐靱性も高く、なのに重量物を乗せても変形しない。


そんな夢のように摩訶不思議な、理屈では説明不可能な物質だって創る事が出来る。



なのでこのトレーラーハウス全体は、俺が「スキル」で創り出した、全く新しい金属が使用されている。



ソコにだけ着目したら、確かに普通からは逸脱してしまうだろうな。






創作物の中だと、オリハルコンが該当するだろうか。

アレの正体は真鍮だけれど。


アダマンタイト……はダイヤモンドの別名だし。



指輪物語で有名なトールキンの造語で有名になった架空金属でミスリルがあったな。


アレは完全に現実には存在しない、架空金属だった。



銅のように容易に打ち伸ばせるのに鋼よりも硬い金属に作り上げる事が出来る、ガラスのように磨き上げるとその輝きは銀に近く、しかしくすむ事も曇る事も無い。


そんな希少金属だ。



今回トレーラーハウスに使った金属は、むしろ再加工をしにくいようにしたし、鳥系の魔物に襲われにくいよう乱反射するように表面をワザと曇らせている場所もある。


ミスリルとは性質が違うから、名付けるのは気が引ける。



「特殊な金属って言い方じゃダメなの?」


「お前のスキルでしか作れないのだから、特殊ではあるのだろうが……


 ミズキ達に説明する時はそれで良いかもしれないが、これだけ大規模な建造物に使用したのだ。

 この金属を普及させるのではないのか?


 偽造品と区別を付けるために国に届出をするのなら、名前は必須だ」



そんは事まで考えていなかったよ。



合金の比率なんかを特徴や用途と共に開示して国に登録すると、使用権料を支払わなければならなくなるらしい。


特許みたいなものかな。



作り方を公開しなかったとしても、特徴や現品を登録すれば、後から同じ物を開示登録した人がいた場合でも、先に登録した人はその使用権料の支払いを免除される。


なのでパチモンが出た際に、オリジナルである「スキル」で創った金属に難癖を付けられないためにも、せっかくの真新しい合金なのだから、先に登録しておくべきなのだそうだ。



鑑定眼で視れば、確かに合金の比率や作り方なんかも再現可能なら表示される。

使い勝手が良い金属は生活の質を向上させるために必須と言えるし、その登録とやらをしても良いけれど……


あぁ、視えるな。



「材料があって手順さえ守れれば作れるっぽいよ。

 えぇと……焼いて挽いた爆魔殻(クラムボム)の貝殻に魔樺(ペドゥラ)の灰を二対一の割合で混ぜた物を、薄く伸ばした神秘石(オリハルコン)と交互に重ね……」


神秘石(オリハルコン)を薄く伸ばすことがそもそも不可能だ。

 その時点で普通は作れん」


そりゃ残念でした。



ってか、オリハルコンって呼ばれる鉱石があるんだね。

驚きだ。


それと同時に、オリハルコンという呼び名は使えないのだと認識した。



それなら、日本人である瑞基への敬意を評して、日本の古史古伝における金属の名をあてるか。


青生生魂(アポイタカラ)にしよう」



アポイタカラはヒヒイロカネの別名だ。


‘’日緋色金‘’とか‘’火廣金‘’と漢字で書かれる通り、太陽や炎のように煌めいて見える、赫い金属だ。



黄金より軽くダイヤモンドより硬く錆びない金属で永久不変とか言っておきながら、生きた金属で成長するとも言われている。


どっちだよとツッコミを入れずにはいられない。


更にエネルギー保存の法則をガン無視した熱伝導率の高さを誇るクセして、触ると冷たい。



まさに胡散臭さのバーゲンセールと言える鉱物だ。



ベリリウム銅合金に似ているとされているが、表面が太陽のように輝き揺らめいて見える様や、特殊な加工技術が必要だったりする所が、非常にこの物質との共通点が多い。


だが残念ながら色が赤くは無いので、名称は 青生生魂(アポイタカラ)としておこうかなと。



ヒヒイロカネは天叢雲剣のような神器にも使われていたとされる。


「スキル」で創り出したのでそんな大層な金属ではないけれど、非常に丈夫なのは事実だ。


そのうち俺の武器にも使用してみようかな。


剣とされるだけあって、刀のように片刃じゃないからこの世界で使っていても、悪目立ちしなくて済みそうだ。



カノンは無理だと断言するが、職人という生き物を甘く見てはいけない。

作り方を開示すれば、再現が出来ないか挑戦する人は必ず出て来る。



扱える人が増えれば、質の高い武器が流通するようになるから、冒険者の生存率が高くなる。


そうすれば色んな魔物素材が流通するようになるし、経済も回りやすくなるだろう。



よし、国王(アリア)手紙(シルフィード)を飛ばして早速登録するようにお願いをしよう。


名義を‘’精霊の使者‘’か‘’賢者‘’にすれば、精霊への信仰心向上か王家への信用度アップに貢献出来るだろうし、一石二鳥になるもんね。


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