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もと神さま、新世界で気ままに2ndライフを無双する。  作者: 可燃物


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神さま、危ぶむ。


村一個創る規模で「スキル」を使っても、たいして疲労は感じない。


地球再生時に全ての生命エネルギーを使い果たしたために、カノンに保護された時はほぼ空っぽの状態になってしまっていた。


ソレが結構戻ってきているのだなと実感する。



惑星一個をどうにか出来るだけのエネルギーが、俺の体内に保有可能だったのだと考えれば、村一個創る程度、海から桶で水を掬った程度の減り具合でしかないのだろう。


つくづく、チートな能力である。






既に飛び降りてしまったので、颯茉(そうま)の話を聞くのは後回しだ。



転移方陣を描くための場所が全て視界に収まっている、自由落下をしているうちに、描いてしまいたい。


生命エネルギーの残量も、全く問題ないと分かったしね。

記憶している方陣を「スキル」で描こう。



全身に風を浴びながら、まだ濾過装置が設置されていない、中央を落ちていく。



方陣は避難が終わるまで崩れないよう、地面に刻む必要がある。


そのため一足先に下に降りている琥珀(こはく)が、作土の表面を硬い物質に変えてくれているはずだ。



土のような柔らかい場所だと、せっかく方陣を刻んでも、誰かが紋様を蹴ったり踏んだりして崩してしまう恐れがある。


そうなれば、後に控えている人達が転移方陣を使えなくなってしまうからね。



耕土層の表土を厚さ数mm程度の石で覆ったとしても、全てが終わった後に瑞基の「スキル」を使えば容易に破壊出来る。



本来この場所の用途は畑だから、破壊した後土に混ぜれば肥料になるような物が良い。


そう伝えてあるけれど、何で作ってくれたかなぁ。



もちろん時間があれば、俺が元に戻すよ。



だけど、声の調子こそさして慌てた様子はないけれど、颯茉(そうま)が大変だと言うのならば、そうじゃなくなる可能性の方が高そうなんだもの。






地下の作土一面、目いっぱいの大きさに正円を描く。


ソコに時の精霊(クロノス)を象徴する紋様を中心に、定型文となっている術式とオプスクリス開拓村の転移方陣を結び付けるための個別識別紋様を周囲の定められた位置に描いていく。


レーザー光線で石に刻印を刻んでいくように、「完全破壊」によって四方同時進行で石の結合を破壊し刻まれた術式は、あっという間に完成した。



颯茉(そうま)の手を借りフワリとその上に着地すれば、一文字一文字が結構な大きさになっている。


俺の目線から見下ろすと、単語一つ一つがバッチリ判る。



分かりにくいよう、筆記体で描いてはいるものの、瑞基は英語を知っているのだし。


解読しようと思えば出来てしまうな。



もしくは少し上の階から見下ろした時に、全体図を把握されてしまうだろう。


模写をすれば利用出来てしまうとなると、マズイよね。



幾つかフェイクの言葉も刻んでおくか。



ソレっぽくは見えるけれど、全く意味を成さない文字列でも、重要そうな場所に書いてあれば、「きっと難解なだけで意味はあるはずだ」と熱心に混乱してくれる。



最も重要な時の精霊(クロノス)の紋様さえ誤魔化せれば、起動そのものが出来なくなる。

適当に装飾を足して、ソコには霊力が通らないよう絶縁体の加工をすれば良い。



転移方陣は誰でも使えるようにしてしまうと、混乱を招いてしまう。


誰でも好きなように複製出来るようにはしたくない。



転移方陣は出入口の術式がほぼ同じだ。


入口側と対となる出口となる印と、術式の一部さえ変更すれば量産出来る。



更に物資の移動に便利そうだからと、これだけ大規模な大きさの物を知識も無しに使おうとすれば、何人分もの霊力を枯渇させて死人が出かねない。



御先祖様が開拓志願した事を棚に上げ、こんな辺境の極寒の地に追いやったと国王を逆恨みして、王都(ディルクルム)に直通の転移方陣を作られようものなら、非常に困る。



なにせカノンはシスコンだからね。


国王であるアリアに危害が及ぶような事があれば、燼霊(じんれい)が世界を滅ぼす前に、カノンが大魔王に変貌して世界を滅してしまいそうだ。


あな恐ろしや。


新たな魔王を生み出すなんて事、しちゃいけないでしょう。


なので断固として阻止をする。






入り口側の霊力消費を抑えるために、出口(コチラ)側の方陣に霊力を注いでおく。


もしカノンが入り口を設置するだけしか出来なかった場合でも、こうする事で方陣を起動させられる。



……うん、させられるのは、知っている。


知っているが、何で即行起動しているのかな!?



霊力が全体に行き渡ると同時に、転移方陣は注力していた時とは違う光り方をしだした。



本当にオプスクリス開拓村から人が転移して来ようとしているのなら、邪魔になってしまうな。



最下層の面積ギリギリに作ってしまったために、避けようにも方陣の外に出られない。

仕方がないから宙に逃げる。



方陣目一杯の光が中央に収束し、再び地下の薄暗さに戻った。



方陣の上には、一度だけだが見た事がある人達が立っていた。


肉体の一部が 粉媒楢(クォルクス)に変化し始めていたため、隔離された病室で寝ていた人達だ。



俺は薬を与える前にしか会っていない。


話は聞いていたけれど、こうやって寝たきりだったなんて嘘のように元気に立っている姿を見ると、嬉しいものだ。



だが村人達の表情は優れない。


突然見知らぬ場所に立っていたら、不安になるのは当然の事か。



「皆様、どうされたのですか」


頭上から声を掛けると、一斉にコチラに視線が集まる。

一気に注目の的になると、ちょっと怖い。



しかもその目は血走っていて、緊張がモロに表に出ている。


迷子になっている不安感に支配されているのではなく、魔物から這う這うの体で逃げて助けを求めてくる人の、ソレに近い。



「あら、あんた!

 うちの村長が馬鹿やって出てったって聞いたけど……」


なんと、一目見て俺を、看病をした人間だと看破したぞ、このオバチャン。



突然こんな事になるなんて思わなかったから、化粧は一切してないんだけどな。


声で分かったのだろうか。



遠目で見たから、なんとなく当たりをつけただけなのかもしれない。


近くに降りる前に「スキル」で顔面を創る。


鏡で化粧した仕上がりは確認してあるからね。



そのため仮面でも被せるかのごとく、顔の上から化粧を施した薄皮を貼り付けたのだ。


間に合わせ程度の出来で良ければ、薄暗いしコレで十分だ。



「ご挨拶もなく、申し訳ありませんでした。

 えぇと……皆様は、何故ここに?」



「そう!

 大変なんだよ!

 村長が突然……なんか、魔物みたいになっちまって……」


「賢者様とあんたのお連れさんが、方陣?とやらで逃げろって言って、足止めを……」


「渡された紙の上に乗った途端、ここにいたんだ。

 どうなってんだ?」



見知った顔を見て、安心したのだろう。


堰を切ったように、次々と一気に話しかけてくる。


聖徳太子じゃないから。

そんな一度に話されても困るんだけど。






事の経緯は分からんが、燼霊(じんれい)が正体を表して暴れ回っているようだ。



話を聞いている間にも、転移方陣が光って続々と村人が送られてくる。



一度に転移してくる数は、毎回、数人程度だ。



近くにいる人を、念のためと持ち歩いていた紙の転移方陣を使って、保護をしたらその都度コチラに送っているという事だろうか。



カノンが病室や食堂に描くはずだった、大きな転移方陣は、どうなったのだろう?


描いているヒマが無かったのか??



真っ先にすると、段取りをしていたはずなのだが。



後ろに自衛手段のない一般人を多数守り、順次転移をさせながら移動し、燼霊(じんれい)と戦うのは、さすがにカノンも大変だろう。



しかも吹けば飛ぶような、紙切れ一枚が被保護者の生命線なのだ。

緊張感がパない。



……もしかしかなくても、結構ピンチな状態だったりしない?


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