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もと神さま、新世界で気ままに2ndライフを無双する。  作者: 可燃物


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神さま、迷う。

ご覧頂きありがとうございます。


ブクマ登録して下さった方!

有難う御座います!!

執筆の糧にさせて頂きます❀(*´▽`*)❀


瑞基達の報告が終盤に差し掛かっているが……


さぁ、俺達はどうするべきだろうか。



二人を巻き込むか、否か。

その決断をしなければならない。



イヤ、巻き込むべきでは無いのは分かっている。


だが協力をして貰わないと、なかなか俺達二人だけでは解決出来ない、もしくは手間が非常にかかる、難しい問題が出てきてしまう。



なにせ相手は、燼霊(じんれい)だろうから。






カノンと散々ボディスーツを揉みしだいて分かった事は、コレは人間の力ではとてもじゃないが破壊出来るものではない、という事だった。



身体強化で握力を一〇倍にしても、俺の力では壊せなかったのだ。



俺よりも若干ながら握力の強いカノンでも、無理だった。


基礎値が高いのだから、倍がけしていけば当然伸び率は高くなる。

なのに、破壊は終ぞ出来なかった。



霊力にものを言わせて強化をし過ぎると、後日襲ってくる反動による筋肉痛が怖い。


これ以上はやってはマズイと、途中で実験をストップした。



しかし俺の握力が四六kg前後で、カノンがそれよりも若干強いくらいかな。


そこに一〇倍まで強化をしたのだ。

軽く見積っても、五〇〇kg程の力で加圧した事になる。



なのにも関わらず、ボディスーツの乳房は元に戻った。


骨の強度が五〇〇kg程度と言われている事を考えると、生肉ってそれ以上の力を加えても潰れないのだから凄いよね。


一〇〇〇kgをゆうに超える力が必要とされているんだだものね。

そりゃそうか。



頭蓋骨だと一番強度が高い部分で九五〇kg程まで耐えられるとも言うけれど……

こういう数値って、一体いつ、誰が確認したんだろう?


やはり戦争における敵国の捕虜や、死刑囚に対して行った人体実験から得たデータなのかな。


恐ろしや。






身体強化は、精霊術が使える冒険者の中では、結構一般的な技能とされる。


霊力を身体に巡らせて、一時的に能力を底上げする事で、生身でも魔物と戦えるように本能的にしていた事を、技術として昇華させたものだ。



なので無自覚で使っている人が多い。


たまにお人好しな冒険者が、効率良く使えるようにと指南したりするそうだよ。


互いの生存率を高めれば、その分脅威となる魔物が減るからね。



冒険者の大半は霊力を使えるが、精霊術の精度はピンキリだ。


大抵がカノンのように、嵐を喚び大地を焦がすような大きな術は使えない。



大量の飲料水を持ち歩かなくても飲水が確保出来るとか、火種が無くても火熾しが出来るとか、その程度になる。


日々のちょっとした事の手助けをしてくれる、便利な力って感じ。


なので精霊に対する信仰心のようなものは持っていない。



だが逆に一般的な人達は信仰心はあるものの、霊力の扱い方が分からない。


多かれ少なかれ、霊力自体は誰でも持っているのだが。



なのにそんな些細な精霊術すら使えないものだから、精霊術が使える人達は稀有な存在とされ、理解出来ない力を使えるからと、気味悪がられて集落から追い出されてしまう。


そのため冒険者は天涯孤独の身の上な人が多く、生き残るために、横の繋がりを強化しようとする。



王都(ディルクルム)を含めた一部の街に設置されている冒険者ギルドでは、冒険者は決して恐ろしい存在ではなく、善き隣人となってくれる存在だと、周知する活動をしている。


一般人には難しい事でも、精霊術を使えたらアッサリ簡単に出来る事は多いから、そういう仕事を斡旋する窓口もしている。



また冒険者が減っては派遣する人がいなくなってしまうので、冒険者の生存率を上げるため、身体強化や精霊術の講習会も順次開催されるようになってきている。



そう言う取り組みが結実して、冒険者達が魔物の数を減らしてくれると、物流が安定して人の行き来も盛んになるから、文化も発展するし、とても有難いのだけれど。



まぁ、長年虐げられて来た人達だもの。

歩み寄るための、その歩幅はかなり狭い。


なかなか上手くはいかないよね。



精霊術を使えない一般人は、精霊信仰こそあるのに、精霊術の存在を理解していないのだから、不思議なものである。


精霊教会に所属人しか使えない、特別な力だと勘違いしているのだろうか。



簡単にヒトを傷付けられる力でもあるから、術者には問題を起こす人が多いからなのかもしれないが。


野蛮で粗暴な人って、理解するよりも先に、コチラに被害が及ぶ前に拒否感が出てしまうものよね。






霊力は地球人(エルフ)を除き、誰にでも使えるし、体内に持っているものだ。


しさし使い方が分からないせいで、その多くが宝の持ち腐れ状態になっている。



オプスクリス開拓村も例に漏れず、瑞基以外は精霊術を使えないとされている。


彼女の場合は、精霊術ではなく、「スキル」を使っているのだが。

傍から見たら違いが分からないものだから、誰も気付いていないようだ。



「スキル」にしても精霊術にしても、清く正しく人のために使って欲しいと思う。


精霊になった友人達の力だからね。

間違っても、人を傷付けるような事はしないで欲しいと、願ってしまう。


そしてヒトが便利に使って、精霊への感謝が信仰心へと繋がってくれるのなら、それ以上の事はないと思う。


精霊の力の源は、人々の信仰心だからね。



だが、ただ祈りを捧げるだけでは、精霊に力は還元されない。

祈る時に、気持ちと一緒に霊力も込めなくてはならない。



精霊術が使えないという事は、つまり霊力の使い方が分からないという事だ。


なのでオプスクリス開拓村に住んでいる人達からは、どれだけ感謝の祈りを捧げられても、精霊達の力にはならないんだよね。


霊力が循環していないから、悲しい事にソレは確実だ。






つまり村長も例に漏れず霊力が使えないし、霊力が使えないのだから、身体強化だって出来ない事になる。


なのに、ボディスーツは()()なっている。



村長に組み敷かれた時の違和感や、異常な握力だけでは、村長が燼霊(じんれい)であるなんて断言は出来ない。


しかしその仮説を唱えた時、カノンがそれならば納得出来る事があると言った。



彼はこの魔物とヒトの気配が混ざり合う 粉媒楢(クォルクス)の存在が点在している村の中でも気配探知を切らずに、入村して以降、今も尚発動させ続けているそうだ。


俺は気持ちが悪くてすぐに解除したというのに。

ド根性だな。



特に俺と離れた時には、何をしでかすか分からないからと、かなり集中して意識を向けていたそうだ。



……その‘’何をしでかすか分からない‘’人物は、俺を差しているのかな?

村長を差しているのかな??


気にはなるが、いちいちツッコミを入れていては、話が進まない。

グッと衝動をガマンした。



気を付けていたにも関わらず、村長の暴挙を許してしまった。



この部屋から移動した時の俺以外の気配の人数が、村長の部屋に辿り着いて以降、そのまま俺をその場に残して別行動を始めたからだ。


実際は、村長と部屋で二人きりになっていたのだが。



俺達が借りているこの部屋に訪れた気配の数は九人。


ちなみに、昨日村の設備を見学させて貰った時は六人だった。



そのため、取り巻きの数はその日その時によって変わるのだろうと、遠く離れた場所にいたカノンは、村長の取り巻きだけが迎えに来て、村長の部屋に送り届けただけだと勘違いをした。


俺が部屋から連れ出されはしたけれど、他の気配とは別行動をしているのだから、問題ないと一度スルーしたのだそうだ。



その時はまだ、村長が燼霊(じんれい)じゃないかなんて、疑ってすらいなかったのだから、仕方ないよね。



だが妙な胸騒ぎが消えず、急ぎ部屋に戻れば、調剤途中の薬はそのまま。


しかも「村長が迎えに来たから仕掛けて来る。時間稼ぎはするけれど、ニ時間後には迎えに来て欲しい。」と書いた現在の時刻と村長含め一〇人で迎えに来てた事。


ザッとだが取り巻き達の外見の特徴が併せて書いて置いてあった。



時間としてはソコに記載されている時刻からは、三〇分と経過していない。

だが、自分が把握している人数と合わない。



カノンは霊力の膨大さ故に、弱過ぎる存在を感知するのが苦手だ。


そのせいかとも一瞬思ったそうだが、この村の人達は地球人(エルフ)の血を継いでいる人ばかりのため、体内の霊力量自体は多い。


感知に引っ掛からない人は、例え赤子でも居なかった事は、確認済みだった。



昨日一日でソコまで調べてたの?

凄いね??



村長は常に取り巻きと行動していた上、取るに足りない人物だとマークしていなかったため、そもそも気配が無い事に気付けなかった。


視覚的にはソコにいるんだもの。

気配の数と合わなくても、違和感は仕事をしないだろう。



人間、目からの情報に頼ってしまう傾向にあるのは、仕方がない。


なにせ数を数える時、パッと見で脳が判断出来るのは五つ前後とされているのだから。


六人いたか、七人いたか、思い返そうとしても正確な数値を導き出せる人は少ないだろう。



そういう風に、出来ているのだから。



闇の精霊(テネブラエ)の闇の手でグルグル巻にされていた時も、天井から落とされて気絶していた時も、気配が感じられないのは当然の事と思っていた。


何せ精霊の攻撃を受けて、雁字搦めにされているのだもの。



その気配に包まれていれば、人間程度の存在感なんてかき消されてしまう。


気絶したら、気配もクソも無いし。



何より、俺はひん剥かれてボロボロで、更には琥珀(こはく)に説教をされていたため、それ所では無かった。


冷や汗をかいていたもんね。


自分の命が消されやないかとヒヤヒヤしている時に、その他大勢判定している周囲の事なんか、気にしてられないよね。



だからカノンも、「言われてみれば、そうかもしれない。確証は持てないが」程度の仮説の一歩手前状態だった。



だから確信を持つために、ボディスーツを嫌な思いをしながら揉んでいたのだよ。






村長の正体は実はコレなんじゃないかと疑われている燼霊(じんれい)だが、地球で言う所の悪魔や魔族のようなものだと思って貰えば良いと思う。



神の陣営についている精霊達と敵対している勢力で、この世界を滅ぼそうとしている存在だ。


理由は知らない。

破滅願望があるのなら、周りを巻き込まず、自分達だけで完結して欲しいものだ。



そんな燼霊(じんれい)は通常の、霊力を使った気配感知では探る事が非常に難しい。



向こうが見付けて欲しくてバリバリ魔力を放出していれば、見付ける事は容易だ。


皮膚はヒリつき呼吸を忘れる程の圧迫感に苛まれ、頭痛に吐き気、眩暈に脂汗が止まらなくなるオプションが漏れなく付いてくるが。


まぁ、ソレは相手の強さによるけれど。



魔力と反対の性質を持っている霊力で、身を守れれば問題は無い。


だが気を抜けば霊力で作られたバリアーは侵食されてしまう。



俺やカノンみたいに、体内の総霊力量が山程あれば、侵食されないように常に霊力を体外に放出し続けられるが、大抵の人間はそうではない。


魔力にあてられて、気が狂って死んでしまう。



燼霊(じんれい)は人にとって、神出鬼没な歩く災厄だ。


目を付けられたら、運が悪かったと思って死を受け入れる方が色々と楽である。



そんな燼霊(じんれい)が魔力を引っ込めてしまった場合、確認する方法はなかなかに難しい。


ただの気配察知では、相手を気取る事が出来ない。



魔物なんかは知能が低いせいで、魔力がダダ漏れしているから、その反発力によって相手の強さやどれくらいの数がいるのかを知る事が出来る。



だが燼霊(じんれい)は魔力を自在に操る事が出来るため、隠れようとしたら見付けるのが難しい。


目の前にいても、気配探知のレーダーには何も引っ掛からないのだ。



滅茶苦茶濃縮した霊力でならば、ワンチャン探知出来るくらいかな。


なので先程顔面から地面にダイブして死にかけていた村長に対して、キッチリと探知をしていれば、燼霊(じんれい)か否かハッキリしていたんだよね。


くっ!

俺が襲われてしまったばっかりに!!



他に燼霊(じんれい)の気配を読む術は無いのかと問われれば、一応、あるにはある。


魔力による索敵に限られるが。



通常霊力で行う気配探知を、魔力でするという意味なのだが、普通は出来ない。


だって人間に通っているのは霊力で、魔力じゃないもの。



俺の場合は「スキル」で魔力っぽいものを創る事によって、ソレが可能になっている。


なので村長が本当に燼霊(じんれい)なのか。

確認する事は、今すぐにでも出来る。



だがソレをすれば、当然燼霊(じんれい)にも俺の存在が捕捉される。


魔力とは似て非なるものだからね。



違和感を抱かれれば、燼霊(じんれい)である事がバレた、もしくは疑われたと、すぐに行動に移すだろう。



村長のフリをしているのか、精神を強制的に眠らせて肉体を乗っ取っているのかは不明だが、燼霊(じんれい)がこの村で 粉媒楢(クォルクス)を使って何をしようとしているのか。


ソレが分からない限り、迂闊な行動は出来ない。



ヘタをすればオプスクリス開拓村は、 粉媒楢(クォルクス)の被害が可愛く見えるような災難に遭う事となるからね。


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