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もと神さま、新世界で気ままに2ndライフを無双する。  作者: 可燃物


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神さま、悄然とする。

ご覧頂きありがとうございます。


誤字報告ありがとうございました!

なんか、訳の分からん文字が入っていましたね??

何故だ???


そして毎度の事ながら、よく気付きますね……

拍手(⑉>ᴗ<ノノ゛


持ち帰ったノートは、琥珀(こはく)が外部流出を恐れていたものではないと確認を取り、許可を得てから、中身を既に見させて貰っている。



この中味を書いた人は、既に死んでいる。


そしてこの所有権は今、継いでいる人が別にいるので、その人の物だ。



それでもやはり、前世の記憶を持っている琥珀(こはく)に断りを入れずに見るのは、いけないかなと思ったのだ。



本来ならば、現在の所有者である瑞基にも許可を取るべきだ。



しかし日本語で書かれているため、見せてとお願いをしても、「何が書いてあるのか、どうせ見ても分からないだろう」と言われ、渋られてしまったら、見る機会を失ってしまう恐れがあった。


なので一足先に、中を改めさせて貰っている。






その際このノートは、タイトルに書いてある通り、植物に関する研究をした際につけたものなので、特に問題は無いと琥珀(こはく)に言われた。



あくまで、日記――観察日記と書いてある物が出て来たら、瑞基には返さず、そのまま闇に葬ってくれと頼まれている。



ただの日記もあるが、ソッチはまぁ、個人的な事がアレコレ書かれているから見られたら嫌だけれど、問題は無いから大丈夫と言われている。


嫌なのに大丈夫ってどういう事?



だが観察日記だけは、絶対に見ないでと念を押された。



ソコまで彼が必死になる内容って、どんなものなのだろう……


ちょっと気になる。



押しちゃダメって注意書きがされているボタンを、つい押したくなる、あの心理。

カリギュラ効果だね。



これ以上閲覧禁止と言われると、欲求が爆発して手に入った時に、ついウッカリ落として中が見えてしまうかもしれないぞ。



そう心の中で注釈を入れたら黙ってしまった。


余程見られたくないらしい。

やはり気になる。





棚や枕の下に隠されておらず、影が差していたために 闇の精霊(テネブラエ)が能力によって回収出来た、このノート。


机の上とかに置いてあったのかな?


手に届くような場所にあったという事はつまり、日常的に村長はこのノートを見ていた事になる。



まさか、日本語が解読出来たのだろうか?



この世界の書き文字は、形がカタカナに似ている音節文字だ。


百歩譲って平仮名までなら解読出来たとしても、流石に漢字は無理だろう。


カノンですら、漢字は殆ど書けないし、読めないのに。



とてもじゃないが、村長にそんな学があるとは思えない。


地球人(エルフ)の血が入っていたとしても、地球人(エルフ)本人じゃない限り、漢字は読めない。



漢字の総数は八万字以上とされているのだから。


全てを読める人なんて、地球にすら殆ど居なかったに違いない。



中国特有の漢字を除いて、日本で使われていた、漢和辞典に収められている漢字に絞ったとしても、それでも約六万字もある。



研究ノートなので、使われていない漢字の方が多いだろうし、繰り返し使われている漢字から、言葉の意味を想像する事なら可能だろう。



しかしあの色ボケした村長が、そんな大層な事が出来るのだろうか?


ムリだろと、即行で断言出来る。



村長の言いなりになっている取り巻き連中にも、ムリだろう。


誰かに従う事しか出来ないヤツは思考が停止して、自分で考える力が衰えている。



それに未知の言葉の解読には、根気強さが必要だ。


コレは完全に俺の偏見による言葉になるが……

あの早漏そうな連中に、そんな事、出来るワケないない。






琥珀(こはく)は生前、農作物や木々によって、大気中の二酸化炭素濃度を低下させられないか。


また地中の毒素を浄化し、水が少なくても育てられないか。



そんな感じで、施設外の環境を「地のスキル」を使ってどうにか再生出来ないかを研究していたようだ。


そしてレポート作成前の資料が、このノートにはまとめられていた。



俺が「神のスキル」を使わなくても、彼を含めた犠牲者を出さなくても、地球を再生出来ないか、ずっと試していたようだ。



自分の命が掛かっていたから。



ソレも、理由のひとつだろう。



だが上層部が計画していた‘’地球再生計画‘’は、最終的に俺も死ぬ必要があった事を、彼は知っていた。


ソレを避けるために、ずっと必死で上層部と戦っていたらしい。



「地のスキル」だけでは十分な成果が得られなかったからか、協力者の名前が幾つか記載されている。


また、力を借りられないか打診した人達の名前も。



浅葱(あさぎ)の生前の名前も、書かれていた。



アイツがそんなご立派な研究に名前を連ねていたとは……


いやはや。

人は見かけによらないものだね。



汚染された土を施設内に持ち込む事も、そんな場所に赴く事も、許可を得るだけでも相当苦労しただろうに。



料理を作っている以外の時間、全てをこの研究に割かなければ、ココまで詰める事は出来なかっただろう。


それだけ膨大な情報が記載されている。



ホント、俺の事が好きだったんだなぁ……


しみじみと思ってしまうが、同時に、そりゃ俺が嫁に恨まれて当然だとも納得してしまった。



そして父親との時間を奪って、更には命まで奪った俺を、(瑞基)は相当恨んでいるだろうなとも。


……つくづく、瑞基に俺の正体がバレるような事が無いよう、気を付けなければならないと思った。






ノートには植物や木々の成長を促したり、栄養素を強化させたりするための実験の途中経過の観察資料と、その結果も記載されていた。



粉媒楢(クォルクス)も、魔物ではあるけれど、木の特性も持っている。


村長が蔓延を促した張本人だと、もしかしたらこのノートに裏付け出来る理由が、載っているかもしれない。


そうすれば、公に断罪出来るのだが……



パッと流し読みをした限りでは、コレ、と確証が持てるものは無かった。


となると、俺の計画の踏み台になって貰うパターンかなぁ。


つまり苦しい方だね!

せいぜい早く死ねるようにガンバレ!!






瑞基には「効きもしない薬」という発言や、村民を軽んじる発言。


その他にも 粉媒楢(クォルクス)に侵された人々が、反村長派の人が多い事や、村長に反発した事がある人等、村長にとって都合が悪い人の犠牲者が多い事を理由に挙げ、 粉媒楢(クォルクス)が意図的に撒かれた人災である可能性を伝えた。



過去にも 粉媒楢(クォルクス)による被害はあったようだが、当時と比較し被害が少ない事や、偏りがある事。


また何度も繰り返し罹患している人がいる事から、その可能性も否定出来ない。


だがしかし、それだけでは根拠が乏しすぎると、冷静に判断された。



「私怨によるものではないか?」と聞かれたが、未遂だろうとレイプは私刑に処して良しと言われているのだ。


ただの個人的な恨みをぶつけて良いのなら、もっと非道な事をしている。



「だがいくら愚かだとしても、自分の健康まで脅かす危険性があるのに、そんな事をするか?」


カノンは俺の発言を疑ってはいないが、やはり納得が出来ない部分があるらしい。



究極に愚かなバカを見た事がないのだろう。



自分の行いが、どういう結果を生み出すのか予想する事が出来ない人は、一定数いる。



例えば寒いからと言って暖を取るため、自分で家に火をつけておきながら、その火に巻かれて火傷を負った時、「こんな事になるとは思わなかった」と言う人が、残念ながら世の中にはいるのだよ。


更に何で俺が家を失わなければいけないんだ!と怒り出すような人が、悲しい事にいるのだよ。



そんな事すら想像が出来ないおバカさんというのが、同じ人間なのにいるのだよ。



それに世の中にはな、正常性バイアスって言葉があるからね。


そう言いたいが、瑞基がいるので言えないな。



偏見や思い込みで、自分ならば大丈夫だと、何の確証も無いのに信じ込んでしまう、ある種の防衛本能による心の動きだが、心理学という分野がない世界で、そんな話が出来る事自体がそもそもおかしいしな。


説明すら出来ない。



村長という立場が故に、長年何でも周囲がどうにかして来た成功体験から、何事も楽観視するようになったのだろう。


その程度の表現に留めておいた。






「この書物には、毒性を抜く研究も書かれているわ。

 何かしら、村長だけは樹化病(ダプネー)に罹らないような、仕掛けがあるのかもしれない」


言って瑞基は、その箇所が記載されているページを開いた。


出し惜しみせずに、見せてくれるのか。



三人で覗き込むには小さ過ぎるノートだが、几帳面な琥珀(こはく)の性格がよく出ているページは、丁寧に図やグラフも併せて書かれているため、とても見やすい。



……ジックリと読めば読むほど、この研究が形になれば、ガチで‘’地球再生計画‘’なんて、要らなかったんじゃなかろうか?


つい、そんな事を考えてしまう。


生前の琥珀(こはく)並に飛び抜けた「スキル」の持ち主が、かなりの人数必要にはなるけれど。



地球の寿命が短いからといって、そんなあと数年しか保たないなんて話は聞いた事が無かった。


数十年単位で、強力な「スキル」を持つ人間を増やしていけば、犠牲者を最小限に留めたまま、博打のような事なんてせずに済んだだろうに。



少なくとも、俺は友達を殺さずに済んだのに。



とうに過ぎた、昔の事なのに、苦々しい気持ちが込み上げてくる。



それこそこの世界からしてみれば、何百年も昔の話である。


今更過ぎる呪詛の言葉を吐いた所で、意味は無い。



……この揺れる気持ちも、村長のせいで精神が安定していないせいだ。


落ち着け。



時間は無限と言える程にあるけれど、オプスクリス開拓村の人々の時間は有限だ。


建設的にいこう。



今は 粉媒楢(クォルクス)に侵された人々の様子が、どこまで好転したのか聞いた上で、どうするのか。


また村長の処分をどうするか。



ソレを決めなければならないのだから。


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